147 拠点潰し
遅くなりました、ゴメンナサイm(_ _)m
しばらく空いてしまいましたが、モチベーションは落ちてません。
高頻度で更新とはいきませんが、きちんと書き上げるつもりです。
これからも、お付き合いよろしくお願いします。
倉庫街にはいくつも同じような拠点があり、幼子たちが囚われていた。
俺はそれらをひとつづつ潰していく。
悪党どもの意識を刈り取って拘束。
風精霊に頼んで、失神しているヤツの意識に干渉して情報収集。
その情報をメンザに伝えてから、賊どもを縛り上げる。
念の為に、土精霊を残し、土壁で拠点の入り口を塞いでもらう。
誰かが来たら俺に教えてくれと言い残して。
メンザ経由で連絡を受けた衛兵たちの動きは速かった。
すぐに解放済みの拠点で子どもたちを保護してくれた。
そして、3番目の拠点を制圧し――。
「お前は下っ端とは違うみたいだな」
そこのリーダーは今までの拠点にいた奴とは違った。
今までの奴らは金で雇われたチンピラだったが、この男は冒険者崩れだ。
男は剣士で【1つ星】程度の実力だった。
チンピラと比べればいくぶんか強いが、俺にとってはどうってことがない相手だ。
相手がなにかする前に両腕両脚をへし折って無力化した。
だが、元冒険者は油断がならない。
最後まで決して諦めないのが冒険者だ。
ドロップアウトしたとはいえ、諦めの悪さはその身に染み付いているだろう。
なにか企んでいるかもしれない。
俺は慎重になる。
土精霊で全身を拘束した上で、男に話しかける。
だが、男は口を開かない。
「だんまりか?」
男がなにもしゃべらないことは想定していた。
だが、俺は風精霊の力を借りて、男の脳内にある情報を得ることができる。
男の意識に干渉しようとしたところで――。
「魔王様に栄光あれ――」
そう言い残すと、男は目を閉じた。
男の口から紫色のドロッとした液体が垂れる。
「ちっ、毒かっ」
慌てて、マジック・バッグから解毒剤を取り出すが、間に合わない。
男はすでに事切れていた。
奥歯に仕込んでいた毒で自殺したのだろう。
風精霊が知り得たのはひとつの拠点だけ。
それ以上の情報は得られなかった。
もっと重要な情報が得られるかと思っていただけに悔やまれる。
「くそっ」
それにしても、男が残した言葉が気になる。
魔王は人類共通の敵だ。
それなのに、男は魔王を崇拝する言葉を口にした。
今まで誘拐集団の動機がはっきりしなかった。
子どもを売り払う、金目当てかと思っていたが、どうやら、俺が思っていた以上に深刻な問題かもしれない。
ただ、死体はしゃべらない。
男を追求したいが、それも不可能だ。
男が残した情報を頼りに、次の拠点に向かうしかないか……。
そう思いながら、男の身体を調べ、あるものを見つけた。
「通信用の魔道具か……」
これは大発見。
貴重な物証だ。
俺は魔道具をいじるが――。
「ちっ、やっぱりかっ」
予想通りロックがかかっており、操作できないようになっていた。
だが、俺にはできなくても、専門家ならなんとかなるかもしれない。
通信用の魔道具を入手したことをメンザに伝え、俺は次の拠点に向かった――。
途中でシンシアと合流する。
「そっちはどうだった?」
「ええ、無事に引き継げたわ」
走りながら、会話を交わす。
「意外な人だったわ」
「誰?」
「クラウゼ殿下よ」
――クラウゼ・ヴァント・エフティミアディス。
エルフ王家の第一王子だ。
先日の会食で顔を会わせた相手。
街の治安部門のトップで、誘拐と禁薬作りを行っている非合法組織を追いかけているという話だった。
王子が出張るということは、間違いなく賊どもはその非合法組織がらみだろう。
「王子はなんて言ってた?」
「多少の無茶は目をつぶるから、全力を出して欲しいって」
「そうか、お墨付きがあるなら、遠慮は無用だな」
「ええ、そうね」
顔には出さないが、シンシアの瞳にも怒りの炎が灯っている。
もともと、悪党相手に遠慮する気はなかったが、シンシアが手加減しないとなると、賊どもを気の毒に思わなくもない。
まあ、自業自得なんで、知ったこっちゃないが。
「さあ、そこを曲がれば目当ての場所だ」
角を曲がり、拠点の様子を探る。
なにか、様子がおかしい。
慎重に中の様子を探る。
倉庫に入った俺は、思いもかけなかった相手と再会することになった――。
次回――『倉庫の中での再会』
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