表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/205

144 風流洞攻略11日目4:討伐後

しばらく更新が不定期になりますm(_ _)m

最低でも週一度は更新していきます。

 シンシアの『――極重爆グラビティ・ブラスト

 ステフの『――【刺突ピアシング】』

 サラの『――【火弾全射】』

 メンザの『――【雷霆ケラウノス】』


そして、俺の――。


『風の精霊よ、集い、固まり、縮まりて、敵を穿うがつ弾となれ――【風凝砲ウィンド・キャノン】』


 俺たちの全火力ともいえる総攻撃に、アラネア・ポリュプスは耐え切れなかった。

 みなでハイタッチを交わす。


 思っていた以上に楽勝だった。

 大量にレベルアップして戦力が底上げされたのもあるが、やはり、パーティーとして噛み合っていたことが大きな要因だろう。

 もともと、個々人の能力は高い。

 それが、完璧に連携が取れると、ここまで強くなれるんだ。


 あらためて、その事実を実感する――。


 やがて、アラネア・ポリュプスが消えると、部屋の中央に宝箱が現れた。


「たからばこー!」とサラが声を上げる。

「おお、ドロップ品かっ!」とステフは興奮気味。

「なんでしょうかね」とメンザは落ち着いている。

「もしかして……」とシンシアは期待が隠せない様子だ。


 皆、判断を仰ごうと俺に視線を集める。


「罠はない感じだな」


 俺の【罠対応】には反応がない。

 ただ、俺のはそれほどレベルが高くないので、少し不安だ。


「私が調べてみましょう」とメンザ。


 メンザが詠唱を開始し、罠を調べる魔法を発動させる。


「ええ、罠はないですね」


 俺のと違って、メンザの魔法なら信頼できる。


「じゃあ、開けてみよう」


 皆に見つめられながら、宝箱に手を伸ばす。

 ふたを開くと――。


「木靴か?」


 一見すると、普通の木靴だ。

 だけど、この状況でただの木靴ってことはないだろう。


「ちょっと貸してもらえますか?」


 木靴を手渡すと、メンザは鑑定魔法を唱える。

 みんなが固唾を呑んで見守る中――。


「ほう。これはこれは……」

「やはり?」

「ええ、間違いありません。三種の王器のひとつ、『世界樹の靴』ですね」

「「「「おおおおおおおっ!!!!」」」」


 やっぱり、当たりだった!


「素材は世界樹の枝ですね。効果は移動速度アップです」


 速度上昇か。


「ただ、その効果が桁外れですね。これほどのものは水氷回廊フォース・ダンジョンでも見たことがないです」


 三種の王器の名の通り、その性能は破格だった。


「サイズに関しては自動調整機能がついてるので、誰でも問題ないですね」


 さて、問題は――誰が装備するかだ。

 試しに俺が装備しようと試みるが――ダメだ。

 靴に拒まれる。


 俺はエルフ女王の言葉を思い出す。

 三種の王器は精霊術士をサポートする仲間のため。

 だから、俺は装備できないのだろう。


 となると、他には――。

「私には必要ないですね」とメンザ。


 もともとメンザはほとんど移動しない戦闘スタイルだ。

 ピンチのときの緊急回避くらいしか使い途はない。


「いらないー」とサラ。

「いいの?」

「なんかくさいー」

「そうか、臭いはしないぞ?」


 鼻に近づけると、微かに世界樹の枝の香りがするが、それもむしろ心地よい香りだ。


「風くさいー」

「ああ、そっか」


 たぶん、風精霊がらみのアイテムなのだろう。

 どうも、サラにとっては風精霊はあまりいい印象ではないみたいだ。


「試させてもらえないか?」とステフ。

「ああ」


 ステフは『世界樹の靴』を履くと、軽くダッシュする。

 その動きは普段とは比べ物にならない速さだ

 だが、数歩進んだところで、バランスを崩し、転倒してしまう。


「いや、これは私には無理だ。とても使いこなせない」

「そんなに違うのか?」

「ああ、性能が高すぎて、身体のコントロールが全然効かない。風の精霊王ゆかりの物だから、使いたかったのだが……残念ながら、諦めざるを得ないよ」


 ステフが無理となると――。


「シンシアも試す?」

「ええ、やってみるわ」


 よほどの身体能力がないと使いこなせないようだが、ウチで一番身体能力が高いシンシアならば……。


 靴を履いたシンシアは軽く身体を動かしてから、走り出す――。


 一瞬、シンシアの姿が消えたかと思った。


 壁に向かって走ったシンシアは、壁手前で急制動。

 ブレーキをかけると、反転しこちらに迫って来る。


「うわっ」

「きゃっ」


シンシアは俺の目の前で急停止しようとしたが、勢い余って俺に抱きつく。


「すごいっ。これ、すごいわよっ!」


 興奮気味なシンシア。

 まだ慣れてはいないが、彼女ならすぐに使いこなせるようになるだろう。


「じゃあ、決まりだな」


 俺に使いこなせるとは思えないし、他のメンバーからも反対はない。

 靴の持ち主はシンシアに決定した。


「よし、帰ろう」


 今日の攻略はここまで。

 明日の休みをはさんで、明後日から第43階層に挑戦だ。

 風の精霊王様の言葉では、のんびり攻略している余裕はない。

 また明後日から、ガンガン攻略していこう!

 次回――『誘拐』


 不穏な気配が漂ってきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 攻略を急ぐなら脚の光速さは大事だからな。 [気になる点] 効果はダンジョン内限定なのかそれとも外でも同じように使えるのかな。 [一言] 木の靴だし伸び縮みはしないだろうから皆足のサイズは似…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ