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143 風流洞攻略11日目3:アラネア・ポリュプス

 俺の合図でステフとシンシアが勢い良く飛び出す。


「足には毒があるわ。喰らわないようにしてっ!」


 シンシアが叫ぶ。

 再度振り上げられた前足がステフに向かって振り下ろされるが――。


『――【対角受流ダイアゴナル・パリィ】』


 ステフはなんなく弾く。

 同時にシンシアが――。


『――極重爆グラビティ・ブラスト


 前足の関節を狙って雷属性を帯びた重い一撃を叩きつける。


 魔導壁の内側にいる俺とサラもシンシアに続く。


『――【火弾全射】』


 サラが火弾を撃ちまくる。

 狙いをつけるのが不得意なので、数で勝負だ。


『風の精霊よ、その刃で切り裂け――【風刃ウィンド・カッター】』


 俺も風刃を飛ばし、足の関節を狙う。


 シンシアの一撃は関節を叩き潰し、関節から先が吹き飛んだ。

 俺とサラの攻撃もそれなりにダメージを与えたが、足を潰すまでには至らなかった。

 だが、最初の攻撃としては文句なし。

 十分に戦える相手だ。


 追撃を試みる俺たちに対し、アラネア・ポリュプスは残りの7本足を動かし、高速で後退する。

 十分に距離をとったところで、ヤツが反転する――。


「下がれッ!」


 嫌な予感がした。

 俺の叫び声に、飛び出そうとしていた二人は慌てて後ろに下がり、魔導壁の中に退避する。


 その直後、反転したアラネア・ポリュプスは一瞬動きを止めると、尻から白い塊を吐き出した。


 白い塊は太い糸に分かれ、広範囲に張り巡らされる。


「クモ糸か……」


 魔導壁には届かなかったが、部屋中がクモの巣のように、白い糸で覆い尽くされている。

 糸の直径は3センチほど。

 この中に飛び込めば、雁字搦めになってしまう。


「サラ、燃やせるか?」

「やってみるー」


 サラは詠唱を開始し――。


『――【烽火連天ほうかれんてん】』


 部屋全体が火の海となる。

 その炎はクモ糸に燃え移り、またたく間に燃え広がっていく。

 アラネア・ポリュプスにも多少のダメージを与えたようだ。


「燃えやすい糸で助かったな。サラ、グッジョブだっ!」


 サラはにへへと自慢顔だ。


 蛸墨、足の攻撃、クモ糸。

 今のところ全部対処可能だ。

 後はどんな隠し玉があるか……。


 ただ、これまでの手応えから十分イケる手応えを感じた。

 油断はできないが、恐れる敵ではない。


「ウィリリィィィィ」


 アラネア・ポリュプスが甲高いを声を発すると、無数の子蜘蛛が出現する。


 体長は20センチほど。

 その数は100体くらいか。


「ステフは引きつけ。シンシアはぶっ放せっ!」


 俺の指示に二人は魔導壁から躍り出る。


 ステフはシンシアを守るように前に立ち――。


『――【挑発タウント】』


 挑発スキルで敵の関心を一身に集める。

 そのステフに子蜘蛛たちが一斉に殺到する。


 ステフは子蜘蛛たちを十分に引きつけてから――後ろに下がる。

 それと入れ替わりにシンシアが飛び出す。

 飛びかかってきた子蜘蛛たちに向かって――。


『――【天誅ディヴァイン・ジャッジメント】』


 メイスを突き出し、水平に一回転。

 シンシアに迫っていた二十体ほどをまとめてなぎ払う。


 だが、それだけではない。

 【天誅ディヴァイン・ジャッジメント】の本領はこの後だ。

 このスキルの一番の強みは、直接攻撃した相手のみならず、その相手の周囲にいるモンスターにも衝撃波でダメージを与えること。


 そして、衝撃波は連鎖する。

 衝撃波を受けた子蜘蛛の周囲に向かって、さらに衝撃波が飛ぶ。


 その連鎖の結果――百体近くいたすべてが灰になった。


「よしっ、このまま押すぞッ! タコグモの足を潰せッ!」


『――【魔導盾マギカ・シールド】』


 俺の意図を一番に察したメンザが魔法を唱える。

 俺たち四人の前に魔力の盾が現れる。


 固定型の【魔導障壁マギカ・ヘミスフィア】と異なり、【魔導盾マギカ・シールド】は追尾型だ。

 俺たちが動きまわっても、自動的について来る。


 これがあれば、墨や糸を吐かれても、それなりに防げるだろう。

 ここは一気に畳み掛けるしかないッ!


 シンシアのメイスが。

 ステフの短剣スティレットが。

 サラの火弾が。

 俺の風刃が。


 アラネア・ポリュプスの足関節を――。


 砕き。

 貫き。

 燃やし。

 切り刻む。


 5本の足を失ったアラネア・ポリュプスはバランスを崩し、ドシンと腹部を地面につける。


 ――これで弱点の頭部に攻撃が届く。


「行けええええええッ!」

 次回――『風流洞攻略11日目4:討伐後』

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「サラの一撃は関節を叩き潰し、」 文脈や各自の行動から判断すると、「サラ」ではなくて 「シンシア」ですよね?
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