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無崎くんは恐すぎる ~~見た目だけヤクザな無能男子高校生の無自覚な無双神話~~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『【破】 運命論のカフカ』

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50話 みんな、戦意喪失。


 50話 みんな、戦意喪失。


「まっ、まさか! 天命だったとでも言う気じゃねぇだろうなぁ?! 万が一にも無崎が負けないように、『勝利の女神』が、あいつに、『絶対の勝利を与えた』とでも言うつもりか?! 『280万分の1の超低確率な幸運』が、あいつにとっては、『必然の運命』だったとでも?! ふ、ふざけんじゃねぇえ!」


「でも、それが事実なの!」


 赤羽はうなだれて、


「……素直に感嘆かんたんするわ。無崎朽矢は、天に選ばれた存在。桁違いの豪運と叡智。まさに神がかった運命力。そして、そのポーカー勝負でこちらを動揺させたあとの、あの本棚勝負。それも計算尽くだったのだと今なら分かる。……なら、佐々波や上品に言わせた言葉の一つ一つが、幸田に、あの本を手に取らせようとした超絶的な奇術だったのだと考える方が自然だわ」


「そんな事……本当に、できるのですか……?」


「凡人には無理。けれど『人知を超えた頭脳と天運があれば不可能ではない』とだけ言っておくわ。わたしに脅しをかける所から全てが誘導だったと考えれば、むしろ合点がいく。ポーカー勝負はあくまでも余興。事実、奴は、ポーカーで勝ち取った野究カードなどいらないと言った。本当に必要だったのは、幸田に言わせた絶対服従の誓い。あの発言さえも、きっと、無崎の計算通り」


「……ぁ、あの野郎……俺をハメやがったのか……」


「顔面以上の狂った事をしてくれる。……無崎朽矢……か」


 そこで、沢村も項垂れて、


「ロキに手を貸すな……それを言うためだけに、これほどまでの労力を注ぐなんて……」


「あるいは、『この程度は労力でもない』と言いたいのか、ですね。神業としか言えない智謀の冴え。まさに神算鬼謀。圧巻の全知全能っぷり。究極オーパーツの野究カードをも創造してみせた神様……でしたっけ? あながち単なる戯言ではないのかもしれませんね」


「……バカな事言ってんじゃねぇ……」


 否定の言葉に力がこもらない。幸田は完全に折れてしまった。


「皆には言っておく。最初から決めていた事だけれど、わたしは降りるわ。アレとは戦えない。ごめんなさい」


「僕も降ります。申し訳ありませんが、アレと敵対はできません」


「……ぁ? ミリア、何?」


「ごめん。おりる。ごめん……ごめんなさい」


「アホか、謝る必要ねぇだろ。アレとまともにやりあおうって方がイカれてる。お前の選択は正しいと、俺は思うぜ」


 そこで、幸田は、沢村に視線を向け、


「で、お前はどうする?」


 沢村は、数秒悩んだが、


「仕方がない」


 そう呟くと、スマホを手に取り、

 ロキの番号に電話をかけた。

 そして一言。


「……ロキ、すまない。君に手は貸せない。僕達は……折れてしまった」


 それだけ言って、電話を切った。



 ★



 ――ロキは呆然としていた。


「ひ、一人残らず……戦意喪失……こ、こんな……ヤツは、いったい何を……」


 クラっとした。

 膝が笑っている。


「何人かから話を聞いてみたけど……どうやら、無崎から脅しをかけられたみたいだねぇ。全員、クリティカルに心をえぐられたってぇ。流石、ハンパないねぇ、無崎朽矢」


「……くっ……」


「ロキちゃん、これから最後の忠告をするよぉ。聞いてくれないなら、私もロキちゃんから離れるからねぇ。生徒会長にしてくれて、色々と甘い汁を吸わせてくれて、楽しいショーをいっぱい見せてくれて、本当に、凄く感謝しているけど、このままだと一緒にはいられなぁい。だから、私の話を、ちゃんと聞いてねぇ」


「……なんですの?」


 そこで、二階堂はキっと目に力を込めて、


「和解した方がいい。ヤツがあなたをあおったのは作戦の一つでしかない。それはあなたも分かっているはず。今のあなたの状況は、あえて言うなら、ネタにマジレスしている痛い人」


「……」


「大人になって。あれを敵に回すなら、あたしは、あなたから離れる。正直に言うと……あなたを裏切って無崎サイドに寝返ろうかとも考えていたけれど、それすらイヤになるくらい、あいつは怖い。異常」


 そこで、スっと目に込めていた力を緩めて、ニコっと微笑み、


「決断の時だよぉ。ロキちゃん」


「……わかりましたわ。ヤツ……無崎さんに……連絡を……」


「すでに連絡しといたよぉ。『話がしたいから第五グラウンドに来てくれ』って言っておいた。もちろん、超低姿勢でねぇ」


「流石、わたくしが選んだ腹心。……優秀ですわ……」


 疲労困憊ひろうこんぱいを隠さないヨレた笑顔で、ロキはそうつぶやいた。



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