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無崎くんは恐すぎる ~~見た目だけヤクザな無能男子高校生の無自覚な無双神話~~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『【破】 運命論のカフカ』

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42話 不自由な勝負。


 42話 不自由な勝負。


「さて、ここからは、ボクたちも参加させてもらうっす。いいっすよね? こちらにおわす、偉大なる無崎センセーは超特待ではないっすけど、超特別待遇生徒・序列3位のボクの紹介・推薦があれば、この交流室を使う権利を得られるって聞いたんすけど?」


「ぁ、ああ……その通りだ。君が正式に推薦するなら、彼はゲストだ。歓迎しよう。僕は沢村だ。よろしく、無崎……くん」


 ((この人が沢村さん? おぉ、有名人に会っちゃったよ。流石の俺でも、沢村さんは知ってる。佐々波、『無崎です、よろしくお願いします』って伝えて。あ、それと、『今度の甲子園、頑張ってください、五連覇期待してます』っていうのも言っておいて。


「沢村センパイ。センセーの御言葉を伝えるっす――『私は無崎です。よろしくお願いします。甲子園五連覇、期待しています。応援しています』との事っす」


(早速、おちょくってきたか。こっちの情報は完全に掴んでいるという牽制に、度を越した慇懃無礼いんぎんぶれい。そして、『貴様らと直接喋るつもりはない』という明確な態度。見事な挑発だ。気を引き締めないと。……し、しかし……本当に怖い顔だな……どういう人生を歩んだら、あんな顔になるんだ? 悪魔の皮でも剥いで被っているのか?)


 呼吸を静かに整え、ポーカーフェイスを貫く沢村。


 震えそうになる体を精神力で押さえつける。


「ディーラーの彼女が赤羽。そっちのガムを噛んでいる茶髪が幸田。この背が低くてマスクをつけているのがミリア。彼女の隣にいる七三分けの丸メガネが二年の工藤だ」


 ((あ、御丁寧にどうも。ただ、申し訳ないんですけど、沢村さん以外は、どの分野の超特か知らないんですよねぇ。無知でごめんなさい。


「センセーの御言葉を伝えるっす。『沢村センパイ以外は名前も知りません。無知で申し訳ありません』との事っす」


(沢村以外は眼中にないってか? はしゃぎやがって。確かに、この中で闘手として一番強いのは沢村だが、俺らだって、そこまで劣るわけじゃねぇぞ)


(ここまで露骨に挑発してくるなんて……まさか、望んでいるのは大義名分でしょうか? こちら側から攻撃させて、正当防衛を主張するつもり……ぃや、もしかして、ただ遊んでいるだけ? 何にせよ、下手に乗ってしまわないように気をつけないと、向こうのペースに巻き込まれたら、ズルズルと悪い方に向かってしまうだけです)


(やっぱ。無崎。恐い。嫌い。殺したい)


 それぞれが、心の中で思いを吐いている間に、

 ディーラーの赤羽が、


「わたしたちの知名度は確かに、沢村には負けるわね。これから、もっと頑張らないと。……さて、それじゃあ、そろそろ、はじめましょうか。レートは?」


「こっちはMマシンを賭けるんで、そっちは、それぞれが持っているPマシンを一機ずつ賭けてほしいっす。確か、そっちには全部で五枚あるはずっすから、それをまとめて賭けて欲しい感じっすね。それで、タイマン勝負といきましょう。代表は誰でも結構っすよ」


「はぁ?! ざっけんなぁ!」


「一切ふざけてないんすけど? Mマシンの性能と希少性は、Pマシン五機よりも遥かに価値がある……そんな事くらい、みなさん、知っているはずっすよね? なのに、不満っすか?」


「当たり前だ! 何を賭けるかは各自の自由。ハッタリでプロ級を出すのは自由だが、強要はしねぇ。それがここのルールだ! わかったかぁ、一年坊主、ぼけ、ごらぁ!」


「そうっすか。じゃあ、五対一でいいっすよ」


「……あ?」


「代表とのタイマンではなく……『センセー』VS『そちら五人』という図式での勝負で構わないっす」


「……本気で言ってんのか?」


「センセーの御言葉を伝えるっす。――そちらの五人の中に、私の手よりも強い手を持つ者が一人でもいたら、Mマシンをくれてやる」


「なっ、ナメくさりやがってぇ……特待ですらねぇ、ただのゴロツキ風情がぁ……」


「幸田、落ちつけ……無崎くん、少し相談がしたい、待っていてくれ。すぐに済む」


 そう言って、沢村は席を立ち、

 無崎達から離れた場所に幸田達を呼んで相談をはじめた。


「どうする?」


「いい条件だわ。誰か一人が勝てばいいんでしょう? こっちの方が遙かに勝率は高いし、Mマシンは、事実、Pマシン五機よりも価値がある」


「つか、赤羽、イカサマしろ。お前なら、俺ら側にフルハウスを仕込むくらい余裕だろ」


「バレたらその瞬間に負けになるのよ?」


「待て……もしかしたら、それが彼の狙いかもしれない」


「ありえますね。マジシャンの赤羽さんがディーラーをしているのを見て、イカサマさせてしまえばいいと考え、あのような大胆な事を……」


「ヤツならば、赤羽のイカサマを見抜く事も不可能ではないかもしれない。そう思わせる風格がある」


「で、でも、ガチ勝負でPマシンを賭けるのはなぁ……ポーカーは何があるかわからねぇ。向こうにフラッシュかフルハウスがいった場合……ん? ミリア、なんて?」


「ポーカーとか。しなくていい。こっちの方が。数は上。全員で。タコ殴りすれば。それで終了」



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