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無崎くんは恐すぎる ~~見た目だけヤクザな無能男子高校生の無自覚な無双神話~~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『【破】 運命論のカフカ』

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34話 夜城院を抱き込もう。


34話 夜城院を抱き込もう。


「ロキちゃぁん、大丈夫ぅ?」


 早足で中庭へと向かうロキは、

 自身に追従している二階堂の問いに、


「何も、問題はありませんわ」


「本当ぉ? 顔面が凄い事になっているけどぉ? 鬼みたいになっているよぉ。まるで無崎みたぁい。ぁ、流石にそこまでじゃないかぁ。あはっ」


 そこで、ロキは立ち止まり、二階堂の胸倉を掴んで、


「二度と……『無崎みたい』などと言わないでくださいます?」


「ガキじゃないんだし、本気でキレるのやめてくれない? 亡くなった家族をイジられるのが超NGなのは知っているけど、あれが、そんなロキちゃんの事を調べ上げているという脅し・挑発であり、揺さぶりをかけている作戦だって、その程度、ロキちゃんなら分かっているよね?」


「……分かっていますわ。もちろん、わかっています。けれど……」


 胸倉から手を放し、目的地に向けて歩みを進める。


 その背中についていきながら、


「無崎だけは、敵に回さない方が良かったんじゃなぁい? 煽りなんか、大人の態度で、サラっと流してさぁ。今からでも下手に出るべきじゃないかなぁ」


「もう無理ですわ。あの男は殺す。確実に殺す。そのために、これから夜城院ごときに頭を下げに行くのです」


(あれだけ見下していた夜城院に頭を下げる事もさない、か。自ら『追い込まれている』と宣言しているようなもの……)


 二階堂は、心の中で溜息をつき、


(闇社会のフィクサーから『悪の真髄』を叩き込まれた魔女・蛇尾ロキ。幼い頃から、『闇の帝王と呼ばれた義父』と共に裏社会の深部で生きてきて、今では、そのスジの物騒な人達からも恐れられている魔女…………はっ。肩書が泣いてるよ、蛇尾ロキ。今のあんたは、ただの怯えている女子高生だ)


 ロキは十歳の時、とある事件で両親と妹を失い、天涯孤独になった。

 施設に送られた彼女を引き取ったのは、後継者を探していた悪魔。

 名前は『蛇尾竜蔵へびお りゅうぞう』。

 右翼運動家。CIAエージェント。暴力団顧問。

 『数多あまたの物騒な看板を背負う蛇尾』の『最も知られた通り名』は『闇社会の帝王』。

 裏社会に生きる者の中で、蛇尾竜蔵の名を恐れない者は一人もいない。


 日本の歴史を裏から支えた男とまで言われた伝説のフィクサー。

 そんな悪魔に見込まれ、悪の真髄を学び、ムラのない『黒』に染まったロキ。


 だが、そんな魔女が、今、

 『たった一人の男子高校生(一年坊主)』に飲み込まれそうになっている。


(それだけ、無崎朽矢という男の『歪んだ輝き』がまぶしし過ぎるってことかぁ。さて……)


 二階堂は、今後における『身の振り方』を考える。


(夜城院を味方につけることに失敗したら、ロキは負ける。……『最強じゃない女』の下についていても旨味はない。と言う訳で、交渉が決裂したあかつきには、無崎があたしの主になる訳だけれど……問題は、何を手土産にするか。ロキの首を持っていきたいところだけど、あたし単騎じゃあ、ロキには勝てないしなぁ……さぁて、さてさて……)


 しばらく歩くと、前方に一人の男が立っているのが見えた。


 警戒心全開でこちらを睨んでいるイケメン。

 ――トップランカーの一人『夜城院優聖』は、


「そこで止まれ!」


 M機の野究カードをスキャナーに通す寸前の構えでそう叫んだ。


 そのあからさまな態度を見て、ロキは、柔らかく微笑んだ。

 無崎朽矢という『巨大な魔王』と比べて、

 目の前にいる矮小な男の、なんと可愛い事か。


 もはや、心がホッコリするレベル。


 ちなみに、夜城院は、現在、『裸の上に、謎の形状のコート』という、パンクなのかロックなのかよくわからん恰好をしている。

 その服飾は、装備系の野究カード『バトルユニフォーム』。

 それほど性能が上がるわけでもなく、かつ、壊滅的なデザインのものが多いので、女性陣は利用していない系のハズレアイテム。


「敵意はありません。証明しましょう」


 ロキは、そう言いながら、夜城院に、Mマシンの野究カードを見せ付けてから、それをカードホルダーに収め、二階堂に手渡し、

 二階堂に対して、


「決して動いてはいけませんわ。分かりましたわね?」


 そう命令を出してから、

 両手をあげて、ゆっくりと、夜城院の元へと近づいていく。


 残された二階堂は、


(ロキのMマシンは、今、私の手中。これを使ってロキを……いや、無理。Mマシンは操作が難しすぎるから、練習しなきゃ使えない。そしてPマシン同士の戦闘でも、私じゃロキには勝てない。いまは、まだ動く時じゃない。まずは夜城院の反応を見てから――)


 夜城院とロキの話し合いは、静かに始まった。


「……どういうつもりだ。なぜ、オレを呼び出した?」


「無防備の女子高生一人に対し、フル武装の上、警戒心をむき出しにして、武器を構えるというのは、いかがなものかと思いませんか? 少なくとも、正義の味方がする事ではありませんわね」


「……」


 夜城院は、二秒だけ考えると、M機のカードをホルダーに収めた。


 その様子を見て、ロキは、ニコっと微笑み、

 もう数歩分、夜城院との距離をつめる。


「それ以上は近づくな。フィールド系汎用野究カードの発動範囲内まで近づく事は、敵対行為だとみなす」



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― 新着の感想 ―
[一言] 闇のフィクサーといえば裏助爺さんだけどこっちはゴリゴリの悪人っぽい。
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