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無崎くんは恐すぎる ~~見た目だけヤクザな無能男子高校生の無自覚な無双神話~~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
『【破】 運命論のカフカ』

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21話 すべてをのみこむ鬼の輝き。


 21話 すべてをのみこむ鬼の輝き。


 縦横無尽の最奥で駆け抜ける、その威容たるや綺羅星のごとし。

 異星人であるイス人に相応しい、

 宇宙を擬人化したような、

 混沌と静寂を体現した独特のスタイル。


 パッと見は、雷神。

 流線形の頭部と脚部、両腕は細く長い。

 何よりも特徴的なのは、発光する羽衣。

 背中から生えている六本の剣は翼であり後光。

 フレームは、『星の輝き』をした聖銀で、接続部分は脈動する漆黒。


 その様は、まさしく、全てを飲み込む宇宙そらの雷鬼神。

 紙装甲だが、出力は他の追随ついずいを許さない、超火力特化型の強襲機。


 ――イス無崎のアストロは、ブーストを吹かせる。

 勢いよく、『距離を取ろうとしているジャイアント』の懐に潜り込むと、右手でGの右腕を強く握りしめ、腹部に左足を押しつけて、思いっきり引き千切った。

 ギリギリギリブチィッ!!

 という、金属がねじりきれる重厚な爆切音が空間に響き渡る。


 ――イス無崎は止まらない。


 損傷部に向けて、『高速スクリューショットガン』をつきつける。

 パァンっと弾ける散弾の恫喝どうかつ

 『ゼロ距離で受けた無数の弾丸』が心臓部まで届き、

 ジャイアントの量子回路を破壊する。


 続けて、ドジャーの牽制ドロップバルカンのバラまきを最小の動きで回避しつつ、ほぼ一瞬で密接距離を確保。

 後光の一本、ハイスピンジャイロブレードを抜き、出力を上げる事でプレッシャーをかける。

 ――ドジャーは死を想う。

 絶望の高速演算。

 どうやら、キュビットも悲鳴をあげるらしい。


 必死で回避しようとするドジャーの可愛い事。

 すべてが遅すぎた。

 きらめいたと感じた時には終わっている。


 『夜明け前』よりも瑠璃るり色な一閃。

 ズバァっと、腹部を一刀。


 真っ二つに裂かれたドジャーは、光を失い、力なく、ズズゥンと地に落ちる。

 イス無崎は、そんなドジャーに一瞥いちべつも投げず、静かに両目を閉じて、ただ悠然ゆうぜんと瞑想していた。


 優艶ゆうえんな残心。

 勝利後に見られる『心身の構え』だけでも、『格の違い』がうかがえる。


 驚くほど呆気ない結末。

 イス無崎が登場した途端、

 ほぼ一瞬で、全てが終わってしまった。


「ふむ……流石はクローザー型のソッキュウ機。装甲は紙だが、火力は飛びぬけている。悪くはない。私にふさわしいとは思わないがね」


 ボソっと呟くイス無崎の背中を見ながら、

 佐々波はニッっと、ほほ笑み、


(……無崎のくせに……なに、マジで格好いい所見せてんだよ。……生意気)


 イーグルを野究カードに戻して、

 生身に戻ると、その場にペタンと座り込んだ。


 天をあおぎ、反射でこぼす、柔らかなタメ息。

 それは、滅多に見られない、とても爽やかな顔。


 ――そんな佐々波の背後で、上品はほうけていた。


(な、なんやねん……凄すぎるやろ。操縦が極端に難しいM機のソッキュウ型をあそこまで華麗にるやなんて……あれが無崎朽矢……あかん、超絶カッッコええぇ……)


 彼女が熱い視線を送っている相手――イス無崎は、


(ん……そろそろ無崎が起きるな。私の時間もここまでか)




 ★




 ――目を覚ました『無崎』は、

 当然、パニック状態に陥った。


(ん? なに、この状況……なんだ、このメカメカしい感じ……ぇ、うそ……まさか、俺、コックピットの中にいる? はぁ?)


 無様にオロオロしながらも、なんとか情報を得ようと、拡張モニターに目を向ける。


(ジャイアントが死んでる……あ、ドジャーもいる。なんで、真っ二つ……ってか、なんで俺はMマシンに乗っているの? ぉいおい、勘弁してくれよ。一から十まで訳わからん……ぇ、ちょっ、マジでどういう状況? なんか、怖いんだけど)


 と、そこで無崎は、

 背後に、佐々波と上品がいるのに気づく。


 アストロを野究カード状態にして、

 己の両目で佐々波に視線を送り、


 ((佐々波。助けて。訳わからん。どういう状況? なんで、ジャイアントとドジャーが死んでんの? そもそも、なんで、俺はアストロに乗ってたの?


 そのド直球な困惑を受けて、

 佐々波は、


(……自分がやったくせに記憶がない? ――『実は今まで正体を隠していただけで、さっきまでの姿が本来の無崎』という可能性も考えていたんだが、どうやら、そうではなさそう……まさか、マジの解離性障害か?)


 頭を回して状況を整理しようとしてみたが、

 少々時間がかかりそうなので、


(とにかく、今はもう、ボクが知っている無崎に戻っているっぽい……なら……)


 ニタァっと笑って、


「いやいやいやぁ、さっすが、ボクのセンセー」


 いつも以上に黒くほほ笑みながら、

 無崎に近づき、


「相変わらず、本気になると、超スタリッシュっすねぇ」


 ((? 何言ってんの、お前。ていうか、説明してくんない? 状況が、マジで全く理解でき――


 表情だけで助けを求めていた無崎の口を、

 佐々波は、『唇』で、ズキュゥンとふさぐ。


「――っっっ?!」


「んーんーんー♪」


 『このくらいは、いつもの事ですよ』とでも言いたげな軽いノリで無崎に抱きついてキスをする佐々波。

 快楽を貪り、愛欲の意味を確かめる。

 そんな、ゼロ距離のディープ。


(な、な、な、何やってんのぉ?! いやいや……マジで……はぁああ?!)


 困惑が止まらない無崎。

 そんな彼の顔を見るのが楽しくて仕方がない佐々波。


 あまりの衝撃に固まっている無崎から離れ、

 彼の目を見つめながら、


(多重人格か何か知らんけど、このボクに、ナメた口をきいて、偉そうに命令し、あまつさえ初チューまで奪ったんだ。その罪、万死に値する。お前の人間関係、しっちゃかめっちゃかにしてやるからな。覚悟しておけ、無崎)



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― 新着の感想 ―
[良い点] ゴスペルゲートの伏線回収力が高すぎるので、これからも定期的に感想を投下すると思います。 やっぱり小説、感想、考察すべてがウルトラ楽しい。 こんだけ解析しても真理は一つも解けてないのがやばす…
[一言] 輝き……混沌……漆黒……なんだろう、トラぺゾヘドロンからのニャル様生成されそうな既視感を覚えるワードたちが
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