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雛ちゃんは秘密が多い

遅くなりました! 更新です!

「今は無い?」


「えっと、その……今取ってくるから先に教室行ってて!」


ピューッと効果音が付きそうな勢いでどこかへ走っていく雛ちゃん。


……どういうことだ?


「……まあとりあえず食べるか。」


直矢が弁当を開きながら言った。


◇◆◇◆◇◆◇◆


「お待たせー!」


しばらくして、雛ちゃんが戻ってきた。


「お帰り。どこ行ってたの?」


「秘密……えへへ。」


頭に手を当ててはにかむ雛ちゃん。


そんな可愛い仕草されたら秘密でいいと思っちゃうじゃないか!


「えーと……で、お弁当は?」


「はい、これ!」


と取り出したのはなんだか高級そうなお重だった。


「なんか……すごいね。」


作り手の気合いが感じられる。


「そ、そうかな……私一人じゃ多いから皆も食べていいよ!」


はい!と弁当を差出す雛ちゃん。


「じゃあ、いただきます……」


実際雛ちゃん一人じゃ食べきれなさそうなので真ん中の大きな海老を一口。


まだ三匹いるからいいよね。


「……美味しい。」


別に料理の事に格別詳しいわけでもないし舌が肥えているわけでもないがそれでも分かる。これはその辺の主婦が作るレベルを遥かに超えている。プロの味というやつだ。


「俺もいいか?」


と直矢。


「もちろん! 食べて食べて!」


「じゃあ一口……むっ!」


卵焼きを口に入れた瞬間直矢の表情が変わる。


「これは……うまいな。何が違うんだ? 出汁か? 卵か? 調理法か? うーむ……」


そしてそのまま腕を組み考え込む直矢。


「でしょ、美味しいでしょ! みんなが喜んでくれてよかったー。」


と雛ちゃん。


「これ誰が作ったの?」


量と言い素材といい味といいとても主婦が作ったとは思えない。


「え? これはうちのシェ……うーんと……ひ、秘密……」


えへへと誤魔化す雛ちゃん。


うーん。作り主は気になるが別に雛ちゃんが秘密にしておきたいならそれでいいかと思わされてしまう。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「さてと、行きますか。」


弁当を食べ終えて一息ついた後、直矢が言った。


ちなみに自分の分と雛ちゃんの分をと食べてかなりお腹いっぱい。正直これからお菓子とか入る気がしない。


「さあ行きましょう! 何を作るんですかね!? クッキー? チョコレート? それともお菓子の家!?」


「お菓子の家ではないことは確かだな。」


と直矢。


「そうですか……残念です。それはともかく行きましょう皆さん! 調理室はどっちでしたっけ?」


「えーと確か三階だったな。降りるか。」


ちなみに俺達の教室は五階。毎朝上ると思うと少し憂鬱な場所だ。


「しかし、エディはお菓子作りなんてできるのか? 料理はあまり得意じゃないだろ?」


と直矢。


「た、多分できます! 好きこそ物の上手なれって言葉もありますし!」


「それは好きなものは上達が早いって意味で別にお菓子が好きだからお菓子を作るのも上手いっていうわけじゃないが……というか、俺とかは別に料理研究部に入る気さらさら無いわけだが、体験なんて行ってもいいのか? ただの冷やかしになってしまうが……」


腕を組んで考え込む直矢。相変わらず真面目だ。


「まあいいんじゃない? 人数がいた方が盛り上がるし。それに万に一つも入らない、ってワケじゃないんだし、部活側からすれば来てくれれば来てくれるだけ嬉しいでしょ。まあ僕の場合その確率はほぼ0だし行くのは可愛い女の子の手作りお菓子が食べたいってだけなんだけどね。というか、僕お菓子作りとか面倒だし見学じゃダメかな?」


対して澄也。相変わらず不真面目だ。


「そんなこと言わないでやりましょうよ澄也さん! きっと楽しいですよ! 一緒にやりましょう!」


「一緒に……なるほど、美少女との共同作業。悪くない響きだ。燃えてきたぞう!」


エディの一声で打って変わってやる気を出す澄也。


現金なやつだ。


「さてと、時間ピッタシ。到着だな。」


直矢が腕時計を見ながら言う。


調理室は準備している部員の人で賑わっていた。体験に来た新入部員らしき人もちらほらと見える。


「こんにちはー、いらっしゃいー。体験で来てくれた子でいいのかなー?」


先ほど壇上で話していた料理研部長が話しかけてくる。


「はい! お菓子作り体験で来ました!」


とエディ。


「あらあら元気な子ねー。中へどうぞー。エプロンと三角巾は貸してあげるからサイズの合うのを使ってねー。あら……あなたに合うエプロンはあるかしら……」


直矢のことを見て言う部長さん。


確かに並べてある女子が来る想定で用意していたであろうエプロンたちの中には大柄な直矢には合うものはなさそうだ。


「部長、これはどうですか?」


部員らしき人が部長に手渡したのは大きなエプロン。


確かにこれなら直矢でも大丈夫そうだ。


「これは?」


「忘れ物です。そこに入ってました。同じクラスの男子のものです。今、連絡して貸してもいいか聞いてみています。」


「うーん、忘れ物を勝手に貸すのはよくないけどー……許可がもらえたら貸してもいいかなー? 連絡帰ってきたー?」


「帰ってきました、大丈夫だそうです。」


「じゃあ君はこれでー。あなたはこれが合うと思うわ。」


直矢と俺にエプロンを渡す部長さん。


俺に渡されたのはフリフリのフリルがついた可愛らしいエプロン。


確かにサイズは合いそうだが気が進まない……まあ仕方ないか……

改めて遅くなりました、すいませんでした。


ここで皆さんにお知らせがあります。


お知らせの内容とは、一言で言うと休載宣言になります。


今まで実際にやったかどうかはともかく更新した時点では次を書き続けると宣言していた僕が何故休載かといいますと、私事で申し訳ないのですが、病気がよくなり、普通の生活にも戻れたので大学受験に向けて浪人生活することになりまして、その関係で定期的に書くのは難しい(今までも書いてないけど)と感じ、休載することにしました。休載期間は来年の三月頃までとします。


そこで、皆さんにお願いしたいことがあります


休載すると言っていて難なのですが、僕も毎日勉強しても体を壊すので多少の休みを作ることもあると思います。そのときに続きを書ければ書こうかなと思うのですが、そのときのモチベーションの源として、感想を頂けたらなと思います。感想が多ければ休載期間でも更新するかもしれません。逆に感想がなければ更新はしないと思います。こんな風に言うと所謂感想乞食のようになりますが、それでも言わせてください。


あなたの感想が僕の糧になります。もしも更新を待ち望むのであれば、是非、なんでもいいので感想をお願いします!


よろしくお願いします。

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