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エディは何を調べたんだ……?

「おはよー楓ちゃん!」


登校し、教室に入るといきなり雛ちゃんが半ばタックルのような抱き着いてきた。


「んー! 楓ちゃんいい匂いするー!」


しかも俺の胸に顔をすりすりしてきた。


いくら自分の体も女だからってここまでのスキンシップは流石にドキドキする……


「お、おはよう、雛ちゃん……朝から元気だね。」


「そうかなー? 普通だよー。それよりもさ、高校の教科書ってどんな感じなのかなー? やっぱり文字ばっかなのかなー? 文字ばっかは嫌だなー……」


「教科書?」


なんのことだ?


「え? 昨日、教科書配るからおっきな鞄持ってきてね、って先生言ってたじゃん。」


「……あー」


記憶を探ること1秒ちょっと。思い出した。


「そういえば、そんなこと言ってたね……」


すっかり忘れてた……


鞄なんて持ってきてない……学校指定の鞄はあるけどわざわざ大きな鞄持ってこいっていうからにはこれじゃ入りきらないんだろうなー……どうしよ。


「もしかして、鞄忘れちゃったの?」


「うん……どうしようかなー……」


一回家帰って出直さなきゃかなー……面倒くさいなぁ……


「うーん……ちょっと待っててね。」


そう言うと、とてとて、と効果音の付きそうな走り方で教室を出ていく雛ちゃん。


「え、ちょっとどこ行くの?」


もうホームルーム始まりそうな時間なのに。


「ちょっとねー。すぐ戻るから大丈夫だよー。」


「……」


行っちゃった。


そういえば直矢たちはちゃんと持ってきてたのかな?


「ねえねえ直矢ー。鞄、持ってきた?」


澄也と話してる直矢に声をかける。


「ん? ああ。折りたたんで持ってきたぞ。」


ほら、と指定鞄の中から折り畳まれた風呂敷らしきものを取り出す直矢。


……風呂敷?


「あれ、もしかして楓ちゃん忘れちゃったの?」


澄也が言ってくる。


「うん、実はね……そういえば、澄也はそもそも指定の鞄すら持ってなさそうだけど。」


よく見ると机の横にも鞄は無いし手に持ってるわけでもない。思い出すと、そもそも電車の中でも持ってなかったような気もする。


「うん、そうだよ。教科書はどうせロッカーとかあるだろうしそれに入れればいいかなって思ってね。昼は購買で買うつもりだし。だから今日は財布と携帯しか持ってきてないよ。」


「ええ……筆箱とかは……?」


何か書くかもしれないし、必要でしょ。


「一応ペンが一本だけ。これで足りるかなって。」


うーんこのなんというか適当さというか……


「エディは?」


「もちろん持ってきましたよ! ほら!」


と見せられたのは小さなエコバッグ。指定鞄の方が量入りそうだし何より教科書の重さに耐えられるのか怪しい。


「花柄で可愛いですよね! お義母さんが貸してくれたんです!」


フン!と胸を張るエディ。可愛い。


「うーん……なんて言って貸してもらったの?」


流石に教科書を入れると言われたらもっとちゃんとしたものを貸してもらえると思うんだけど……


「え? 本をちょっと入れるための鞄を貸して欲しいって……」


「うーん……多分、教科書はちょっと・・・・って量じゃないと思うんだけど……」


軽く二十数冊はあると思う。


「え、教科書って2冊だけですよね? 学校で勉強することって、国語と算数とー……あと体育?って。僕、ちゃんと調べたんですよ!」


エッヘン!とまたも胸を張るエディ。可愛い。


……じゃなくて。どう調べたらそんなことになるんだろう……


「……あー、エディ、ちょっと来い。」


直矢が教室の隅へとエディを連れていき何やら耳元で言う。


「……えー! そんなに色々勉強するんですか!? コーコーセーって大変……」


うう……と頭を抱えるエディ。可愛い。


「……どうするかな。」


困ったように頭を掻きながら直矢が言う。


……と


「おーっす楓ちゃん! はいこれ! 貸してあげる!」


雛ちゃんが戻ってきて何かを俺に押し付けてくる。


「えーっとこれって……?」


折り畳まれたそれを広げるとどうやらそれは大きなボストンバッグのようだった。


「おっきな鞄! これで持って帰れるでしょ?」


「え、でもそれじゃ雛ちゃんの分は……?」


俺はよくてもこれじゃ雛ちゃんが困ることになるんじゃ……


「私は大丈夫なの! まあいいからいいから!」


はいはい!とバッグを押し付けてくる雛ちゃん。


「えー……本当に大丈夫なの?」


普通二つもこんな鞄持ってこないでしょ。


「大丈夫だって! まあいいから! ほら、先生も来たし持って! 席ついて ね!」


押し付けられるような形でバッグを渡されてしまった……まああそこまで言うなら大丈夫なのかな……

どうもイガイガ栗です。


宣言通りペースアップ!という感じです。(続けばいいな……)


前の更新の前に頂いた感想パワーで今回の話は書ききった感じですね。感想を貰ったという事実を考えるだけで気力がモリモリと! 実はこの次の話も半分くらい書けていたり。


この先の目標としてはとりあえず週一更新が目標かなーと思っています。更新のタイミングは要望が無ければ今日と同じ土曜の夜にしようかなと。金曜の夜に読みたいから金曜更新にして!なんて要望がもしあれば感想かメッセージで送っていただければなるべく要望に添うようにします。


現状病気の関係で時間だけは有り余ってる状態ですので更新ペースは僕の気力次第ではもっと早めることができると思います。そのためには皆さんの感想が……(いつもの)


とりあえず次の更新は8日を予定しています。


今回の定期更新宣言は長く続くようなるべく頑張りますのでよろしくお願いします!

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