エディのメガネに対する一定の評価はなんなんだろう
「―――ってことがあってさー。」
朝、電車に揺られながら直矢に昨日の出来事を話す。
「……なるほど」
「どうしようかなーって思ってて。正直勝てる自信もないし……」
姉貴はああ言ってはいたけど、現生徒会長だしなー。普段の感じを見ると生徒会長としての能力も充分過ぎるくらいあると思うし……
「……そういうことか。」
直矢が一人で納得したような様子で呟く。
「何のこと?」
さっぱり分からない。
「いや、昨日の夜に最高神から連絡があったんだよ。」
「うん。」
「そこに絶対に楓を生徒会選挙に立候補させて当選させるよつに、って書いてあってな……やらないと罰ゲームだとか。なんのことやらって感じだったんだが今の話を聞いて納得したよ。」
「……ちなみに罰ゲームって?」
「……分からん。前回はこことは違う別の世界から持ち寄った珍味やらなんやらを食べる、って内容だった……」
「……味は?」
「美味いものも無くは無かったがとにかく見た目が悪い。食べられないほど酷くはないにしろ大抵はお世辞にも美味いとは言えない味だったしな……大体、この世界だけ見ても世界中から集めると変なものが沢山あるのに、異世界からも集めたらそりゃ変なものばかりになるに決まってる。」
「確かに……」
よくテレビとかでやってたりするけど変なの多いもんね。シュールストレミングとかは有名だけど、ホントに臭いらしいし。
「アレは辛かったねー。なんか異常に酸っぱいのなかった?」
と澄也。
「確か、ウシクイコウモリの頭をウズシオガエルの胃袋に漬け込んだ奴ですよね。蓋開けただけでもう目が痛くて……見た目も怖いし……アレ以来コウモリはちょっと苦手です……」
両腕で自分の体を抱いてブルブルと体を震わせるエディ。
確かに想像するだけで寒気が……ていうかウシクイコウモリとかネーミングがワケ分からないしどんだけでかいんだって感じ。名前の通り牛を食べるとしたらそれが入る胃袋を持つカエルってどれだけの大きさなんだ……
「まあ一つ確かに言えるのは、あいつのやることだからな、ロクなもんじゃない。」
「あー……」
昨日の姿を思い浮かべて納得。ていうか、今の俺の状況自体元凶はあいつなワケで。
「まあそういうワケだ。あまり気乗りはしないかもしれんが、頑張ろう。当然、俺達も手伝うしな。」
「そそ。まあ大船に乗ったつもりでいてよ楓ちゃん。超絶美少女が二人に天才的な頭脳を持つこの僕と、ゴリラの如き強さの直矢がいるんだ、負けるワケ無い無い。いざとなったらゴリラパワーで脅して票を入れさせれば……」
「誰がゴリラだ。それに、ルールはちゃんと守るぞ。カツアゲしてもぎとった票で受かってもその先が辛いし何より人として駄目だろう。」
澄也の頭を小突きながらいう直矢。
ゴリラ……ちょっと笑っちゃいそうになった。危ない危ない。
「あだっ。えー、じゃあどうすんのさ。あんな風には言ったけど、実際問題前任の会長が相手って、かなり分が悪いと思うよ。見た限りあのお姉さん、性癖以外は人間として100点満点だと思うし。美人だし。どのくらい実績があるのかは知らないけど、少なくともポッと出の一年生よりは信頼されそうだよねぇ。というか、二年生を差し置いて一年が生徒会長って時点で……ねぇ? 僕らじゃなかったら勝ち目ゼロだよ、ゼロ。」
「まあ、それはな。だがそこはお前の力の見せ所だろ。たまには働け。認めるのは癪だがお前は実際賢いからな。まあ場合によっちゃ頭に『ズル』がつくわけだが。」
「まあまあそんなに褒めないでよ照れるじゃないか。そんな1000年に一度の大天才だなんて。まあ確かに? あのお姉さんが100点なら僕は500点くらいは行くとは思うけどさー。」
いやいやーと大げさな素振りで言う澄也。
何言ってんだこいつ……
「誰もそんな事言ってないし俺の中のお前の点数は5点だからな。」
「僕も500点は無いと思います……」
「予想以上に低いっ!? しかもエディちゃんまで!?」
ガーンと後ろに文字が出てきそうなモーションで頭を抱える澄也。
いちいち動きがうるさいなこいつ。
「いやだってお前頭はよくても運動はからきしじゃねえか。加えてサボり癖とかフラッといなくなるところとか女に向けての態度が一々キショいとかマイナス要素が多すぎる。」
「そんな酷い!? じゃ、じゃあエディちゃんはどうかな? 500点は無くても400点くらいはあるよ! とかそんな感じだったりしない? それとも500点どころじゃ収まらなくてむしろ1000点出も足りない! とか!?」
「うーん、1000点じゃないです……だって1000点ってことはあのお姉さん10人分ってことですよね? 確かに澄也さんはとっても頭がいいし、メガネかけてますけど、10人分は流石にないと思います……同じくらいにすごいとは思うんですけどね! 僕の中では澄也さんも100点満点の人ですよ!」
「ああ、天使だ、天使がここにいる……直矢にボロクソ言われた心が癒される……」
まるでエディが眩しすぎて見えないとでもいうかのような動作をする澄也。
エディ……優しすぎじゃない?
どうもお久しぶりです! 毎月投稿は結局三ヶ月しか続きませんでしたイガイガ栗です! 申し訳ない!
ちょっと色々忙しかったんですが、最近は時間があるのでまた書き始めた次第です。
というのも、ちょっと言いにくいことなんですけど実は6月頃から病気にかかってしまいまして……
最近少し良くなってきて家で暇な時間も増えてきたのでもうちょっとペースアップ出来たらなって感じです。
実は病気で気分が落ち込んでいて執筆どころでは無かったのですが、ふとなろうにログインしたら感想を頂いていまして……今回の話を執筆する活力になりました、感想を下さった方、本当にありがとうございます! 正直、こんなダラダラノロノロの不定期更新の小説を読んでる人なんて対していないだろうなんて思っていたりもして時間があっても執筆意欲が湧かなかったりしていた部分もあったのですが、読んでくれている人がいる、楽しみにしていてくれる人がいる、と認識できたら頑張れました。
なので、もしよければこれからも積極的に感想など書いていただけたら幸いです。感想をもらえばもらうほど更新は早くなると思うので。よろしくお願いします!




