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イチャイチャなんてしないです

遅くなってすいません!

「ただいまー。」


「ただいまですー」


「ただいまっすー」


「ただいま……戻りました?」


直矢が疑問形で言う。まあ人んちに帰ってただいまって言いにくいよね。


あの後特にやることもなかったから解散して皆で帰って来た。まあ解散とは言っても直矢、エディ、澄也は皆帰る場所は同じだから実際分かれたのは雛ちゃんだけなんだけども。


「お帰りー、遅かったわね。」


玄関を開けてお袋が言う。


「今日入学式だけでしょ?」


「外で飯食ってきた。」


「あらあら。直矢君達と?」


「んー、他の子も一人。兄貴と姉貴は?」


リビングにはいないようだ。2、3年も今日は授業無いって言ってたけど……


「部活と生徒会だって言ってたわ。それはそうと、新しいお友達は男の子? 女の子?」


お袋が目を輝かせて聞いてくる。そんなに興味津々で聞かれても困る……


「え、女の子だけど……」


「そう、よかったわー。もうお母さん、楓が女の子のグループに馴染めるのか心配で心配で。」


そう言う割には残念そうな顔のお袋。


「……何、男が良かったの?」


「い、いや、そんなことは無いわよ! 別に楓ちゃんがイチャイチャしてたり恋してる姿が見たいとかそういうのじゃないわよ!」


「……俺男だよ?」


男とイチャつくとかそういうのホント勘弁してください。


「えーだって可愛いし……可愛い子がこう恋して恥ずかしさとか色々アレで悶えてる姿って……最高に良くない?」


「良いかもしれないけど俺がそういう風になるのは勘弁。」


「あ、直矢君が相手でもいいのよ? ほら、丁度一つ屋根の下だし、あれやこれやしてくれても……」


隣にいた直矢に振るお袋。やめてくれ……


「いや、俺はそういうのいいんで……」


「まあまあそう言わずに。私は見て見ぬふりしてガッツリ見てるから。」


そこは見ないでいてくれよ……


「お母様!」


突然澄也が手を挙げて言う。今度はどうした。


「その役、僕がやりましょう!」


そんなこったろうと思ったけどさ……


「駄目よー澄也君はー。前の楓ちゃんよりも弱そうだもの。自分より弱い男には頼れないと思うわー。」


敢え無く撃沈である。


「……体鍛えよ。」


フラーっと自分の部屋へ向かう澄也。まあ確かに頼りがいないね。


「お、やるか? 手伝うぞ?」


鍛えるという言葉に反応する直矢。


「お前とやると死んじゃうから遠慮しとくよ……」


ははは、どうせ俺は貧弱さ……と呟きながら去っていく澄也。


「澄也さんにもいいとこはありますよ! その……メガネなとことか、色々!」


澄也を追って走っていくエディ。メガネなとことは……


「メガネって……長所?」


直矢に聞くが


「さあな……」


「じゃあ、丁度お二人さんで残ったし、頑張ってねー。」


手をヒラヒラー、と振ってキッチンに戻るお袋。


……何も頑張らないけどな。


「……じゃあ、とりあえず部屋戻るわ。着替えたい。」


二階へ上がる。


ズボンに履き替えたい。スカートは嫌だ。


「そ、そうか。俺もそうするかな。制服は動きにくくてな。」


「ブレザーきつそうだったよね。」


なんていうか肩幅広いから腕周りがすごい動かしにくそうだった。今は脇に抱えている。


「ああ。登下校の時は着てろって言われたけど、勘弁してくれよ。あんなもん着てられるか。」


「正直俺も嫌かなー、アレ。デザインが。」


うちの制服のデザインは評判がいい。特に女子の評判が。つまるところは、可愛い感じのデザインってことだ。スカートだけでも勘弁してほしいのに上も可愛らしいなんて……


「あー……まあ言いたいことは分かる。」


「まあじゃ、そういうことで。」


部屋に入ってブラウスを脱ぐ。


「ちょ、楓! 扉閉めろ!」


後ろから直矢の焦った声


「あっ、うん。閉める!」


下にキャミソール着ててよかった。


うーん……やっぱり慣れないなぁ。今日だけで何回失敗したことやら。


まあいいや、着替えてゲームでもしよっと。

更新は遅いけどエタることはしないので長い目で見てください……

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