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冬士さんは変態。

更新遅くてすいません! 中々書く時間がなくて……合間合間で書いてたらこんなに時間空いちゃいました……


夏休みだから次はもう少し早く更新できるとは思います……

「じゃ、行こ。」


顔を洗ってリビングに戻る。


「おう。どうやって行くんだ?」


「それなんだけどねー……」


本来は自転車で行くつもりだったけど、この体になったから、電車を使うことにした。急遽決まったことなので定期は買ってないから今日のところは普通に切符を買って行く。


「って感じ。」


「なるほど。じゃ、俺も電車で行くか。別にニケツで行ってもいいんだが……嫌だろ?」


「うん……怖いかな。」


早いからねー……


「だろうな。じゃ、電車で行くか。駅はどっちだ?」


「あっち。結構近いよ。」


「了解。」


「あ、そうだ、電車賃は? 持った?」


「大丈夫だ。そういうのはこっちでなんとかしてる。」


「そっか。なら行こう。」


「ん。」


◇◆◇◆◇◆◇◆


電車に揺られること20分、学校についた。


「新条高校……楓の名字と同じだな。」


校門に書いてる文字を読んで直矢が言う。


「あー、まあね。叔父さんが校長の学校だし。」


「……自分の名字を学校の名前にしたのか。」


「目立ちたがり屋だからねー……」


「……なるほど。」


「てか、着いたけど、どうしたらいいんだろう? 冬士サンは待ってればいいって言ってたけど……」


誰か迎えに来るのかな……? あ、誰か校舎から出てきた。


「新条 楓か?」


校舎から出てきたクールな感じの頭の良さそうな人が声をかけて来た。


「え? は、はい。」


「そうか、ならついてきてくれ。」


直矢も当然のようについていくが何も言われなかった。


本校舎と別棟の二つあるうち、別棟の方に入っていく。


「ここだ。」


案内されたのは普通の部室のような扉の前。


「えーと……校長先生がここに?」


校長室ってこんな質素な感じの扉か……? しかも、あの人がこんな扉にするかな……?


「そうだ。入れ。」


「ええっと……お邪魔しまーす。」


扉を開くとそこは、滅茶苦茶豪華だった。


足をつけば埋まってしまいそうな赤色の毛足の長い絨毯に、洒落たソファ、ガラスのテーブル。挙げ句の果てには小さめのシャンデリアのようなものまである。


なんというか……


「成金趣味……」


この一言に尽きた。


「ようこそ僕の私室へ。それと、入学おめでとう、楓ちゃん。あ、どうぞそこの椅子にでも座って。」


部屋の奥で王様のように座っていた男が立ち上がる。


そう、この人が俺の叔父であり、この学校の校長の、新条 冬士である。


「……ありがとうございます。それはともかく、どうなんですかこのインテリアは。」


「ん? 何を言うんだ楓ちゃんは。全く酷いなぁ。滅茶苦茶いい趣味じゃないか。いぶき君もそう思うだろう?」


「……ノーコメントで。」


クールな人に話を振るが、同意してくれない。


やっぱりあまりいい趣味じゃないと思われている。


当たり前か。


「なんだよもー……」


「でー……なんで呼んだんですか?」


「あー、それなんだけどね。今年からさ、ちょいと制服変わるのさ。なのに間違って前のやつ送っちゃってさー、それ渡すためにさ。」


「なるほど……どんな感じに変わったんですか?」


「んっとねー、スカートの柄とかかなー。今年の生徒から変えることにしてさ。なんかもっと可愛いのがいいって女の子が言ってきて、しょうがないからそうしたんだ。在校生は前のでも今のでもどっちでもありで、新入生は新しいので統一、って感じだねー。はい、これ。」


新しい制服の入っているであろう紙袋を渡される。


「ありがとうございます。そうなんですか……でも、それってこんな早い時間に来る意味あります……?」


入学式の二時間前だぞ……


「そう、いいところに気が付いたね。やっぱり楓ちゃんまだスカートとか慣れてないでしょ? そこで、だよ。ちょいと練習しようか、って話さ。気を付けてはいるんだろうけど、まだ足りないね。見てて動きに男っぽさがまだ残ってるし。」


「……そうですか?」


「うん。だって、今、めくれてるよ? スカート。」


「え、嘘!?」


慌てて確認すると、確かに派手にめくれていた。


……恥ずかしすぎでしょ。


「……気付いてた?」


直矢に聞くと、


「……まあな。」


そっぽを向きながら答えた。


「ちょ、言ってよ!」


めっちゃ恥ずかしいんですけど。


「言おうと思ったんだが冬士さんに目で止められてな……」


気まずそうに直矢が言う。


「どうせならこういう風に指摘した方が直りやすいかなって思ってね。まあ、こういうのは無くしたいでしょ?」


「もちろんですよ。」


「んじゃ、特訓しましょーか。まあ、とりあえず向こうで着替えてきてよ。」


冬士さんが奥の扉を指さしながら言う。


「分かりましたー。」


言われた通り、奥の部屋に入る。


「はぁ……」


溜息をついてから紙袋の中身を取り出す。


「……?」


ブラウスはそんなに大きく変わっているわけじゃないしいいとして。……スカートが短い。とても短い。


「ちょっとなんですかこれ!」


さっきの部屋にスカートを持って行って抗議する。


短すぎだろ! 膝出すだけでも結構恥ずかしいんだぞ!


「んー? いいでしょ、それ。どうせなら短い方がいいじゃん。見る側としても、ね。」


変態め……


「目の保養だよ、ほ・よ・う。」


俺と何歳差だよ……このロリコンめ……


「まあまあ、いいじゃんいいじゃん。どうせ新制服だから着なきゃなんだしさ。あ、それとも着せてあげようか?」


整った顔で爽やかに言ってくる冬士さん。


「すいません自分で着ます。」


言ってすぐに扉を閉める。


鳥肌が立った……


「はぁ……」


仕方ない、着よう。

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