表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/92

女子は大変だぜ……

「幸、試着するぞ!」


「う、うん!」


とりあえず、その場を誤魔化すために着ることにした。


ブラウスを着て、スカートをはく。


……スカートをはくのにも少し慣れてきたな。悲しい。


「うー……いいなー……」


「ん? どした?」


「お姉ちゃん、スタイルいいなー、って。ズルいよー。」


「んな事言われてもなぁ……」


俺も好きでこの体になったワケじゃないし……


「それに、別に幸もスタイル悪いワケじゃないだろ。俺は好きだけどな。」


だがロリコンではない。シスコンではないとは断言できないかもしれないが……


「ふぇっ!? ほ、ホント……?」


「……別に嘘言っても仕方ないだろ?」


「まあ、そう……だね。でも、そのー……胸とか、無いし……あった方がいいんでしょ? 男の人は……」


「……胸ありゃいいってもんでもないだろ。逆に無い方がいいって人もいるらしいしよ。人それぞれだよ。気にしなくてもいいんじゃねえの? 別に。」


「そう、かぁ……お姉ちゃんは、どっちかな?」


「え? ……どっちでも、いい。てか、どっちも、イケる。うん。」


なんか知らないけど滅茶苦茶恥ずかしいなこれ……


「……そっかぁ。へへへ、じゃあ、幸にもチャンスはあるね!」


照れたような笑顔で言う幸。ヤバい、可愛い。……シスコンではない、と信じたい……


「そ、そうかもな……」


性別の問題は気にしないのだろうか……いや、まあ、兄妹(姉妹では無いと思いたい)って時点で問題ありまくりではあるが。


「で、どう? 制服。」


ちょっと気まずくなった空気を戻すことも兼ねて聞いてみる。俺の部屋に姿見なんて物はない。


「んー、いいんじゃないかな。幸の部屋来なよ。姿見あるし。」


「ん、じゃあそうするか。」


幸の部屋へと向かう。あ、昨日のぬいぐるみが飾ってある。俺も後で飾ろう。


なんて、考えながら姿見を見ると……


「ちょっ、これ透けてんじゃん!」


ブラウスから下着が透けていた。……え、何これ恥ずかし。


「うん。だから、キャミソール着たらいいよ。」


「きゃみ……そーる?」


とは、なんぞや?


「あー……んーとね……まあ、ブラとか、透けないようにするためのヤツだよ。」


「へぇー……」


まあ、よく分からんがとりあえずそれ切れば透けないならいいか。


「それも、予測して今日買っといたんだよー。」


そういえば、なんか下着売り場にも行ってたなぁ……流石に居にくいから違うとこに行ってたけど。


「へぇー、準備いいのな。」


「ちょっと待ってて、今持ってくるね。」


「おう。」


タッタッター、と幸が廊下を走る音が聞こえる。


にしても……なんも着ないとここまで透けるもんなんだなー……女子って大変だ……


「持ってきたよー。」


言いながら幸が持って来たのは、タンクトップの胸元にレースをあしらって、肩の部分を紐にしたような服。


「これがキャミソール……ねぇ……」


よく分からん。ホント、こういうのには疎いからなぁ、俺……


「うん。まあ、とりあえず着てみなよ。」


「そーするか。」


ブラウスを脱いでキャミソールとやらを着る。


「これでいい?」


ブラウスを着なおして聞く。


「そだね。」


鏡を見ると、あまり透けなくなっている。……キャミソールの肩紐がちょっと透けるのは仕方ないのかな……?


「……これがちょっと透けるのは仕方ないのか?」


「そだねー。それも嫌なら違うのにするとか。」


「違うのって?」


「んー……紐が何本かあるのならお洒落に見えていいんじゃないかな? 他には、紐の無いヤツにするとか。」


「そんなのもあるんだ。」


「うん。今回は買ってないけど、光花お姉ちゃんなら持ってるんじゃないかな?」


「へぇー。まあいいや。じゃ、そろそろ脱ぐ。」


「えー、お兄ちゃんとかにも見せようよー。喜ぶよー?」


「えー……」


「いいじゃんいいじゃーん。」


「んー……まあいいけどさー。」


どうせ明日には嫌でも見せなきゃならんワケだし。


「やった! じゃ、行こ!」


「はーい……」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「お兄ちゃんお兄ちゃーん!」


幸が大きな声で言う。


恥ずかしいしやめて欲しい……


「ん? どしたー?」


兄貴が漫画から顔を上げて答える。


「見て見てー!」


「ん? おお、楓、可愛いじゃんか!」


「あ、ありがとな……」


なんか、こう普通に真正面から褒められると流石に照れるな……


「で、その肩のはもしや……」


「見んなバカ!」


「おお、てことは……」


「別に下着じゃねぇから!」


「マジでか! 残念!」


「残念がるな変態!」


やっぱり兄貴は兄貴だ。ったく……


「何!? 下着!?」


姉貴が反応して来やがったよ……


「あら、楓制服可愛いじゃない。ミニ可愛いわ、似合ってるわよ。食べちゃいたいくらいだわ。」


「本気で引くからやめてくれ。」


鳥肌がヤバいぞ……


「あら……それは困るわ。あ、中にはちゃんと着たのね。」


「幸に教えてもらってな。」


「へぇ。流石ね幸。可愛いわ。あ、そうだ、今から一緒にお風呂入らない?」


「うん、そうしよ! お姉ちゃんも一緒に入ーろ。」


「んー……またかよー……」


当たり前だが、気が進まない……正直さ、結構気まずいんだよ……


「えー、いいじゃーん、入ろうよー。」


「まあ、いいけどよ……」


妹に頼まれては断れん。

次の更新は24日。


あ、クリスマスイブだ。もしかしたら何か書くかもしれません、今から←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ