最高神は掴みどころが無い。
今回は短いです。スイマセン。
「今俺、神の力殆ど使えねえんだけど……」
直矢は事情をもう聞いてあるらしく、俺が何か言う前にこれを言ってきた。
「……マジで?」
「マジだ。」
「……てことらしくて、証明できない。」
「マジかよ。」
剛の顔に疑いの色が広がっていく。……これは不味い。
最高神、都合よく来ねぇかなー……
「はい、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン、っとねー。」
机の真ん中に派手に煙を上げながら最高神が登場。
「ホントに来た!」
ちょっと著作権とかそこら辺が気になる事言いながら!
「最高神お前……何しに来たんだ?」
「ん? 僕は気に入った子のお呼びならいつでも駆けつけるのさ!」
「あら、この前の神様じゃない?」
「あ、奥さんこんばんは! 今日もお綺麗で!」
「あらー、褒めたって何も出ないわよー?」
なんかこいつはお袋と仲がいい。
「てか、来てくれたんなら説明してくれよ。」
「……いや、ちょ、待……この人誰だよ? なんでいきなり現れたんだよ……」
剛はかなり驚いている様子。まあ、無理も無いか。
「こいつは……最高神つって、まあ、一番偉い神様らしい。」
「そそ。ご紹介預かりました最高神でーす! よろしくねー!」
芝居染みたお辞儀をして、握手を求める最高神。相変わらずこいつは変なやつだな……
「え、あ、よ、よろしくお願いします……って、一番偉い神様!?」
おお、すばらしいノリ突っ込み。
「そそ。証拠に……うーん、何か願いかなえてあげるよ。あ、でも、あんま目立つことはダメね。世界に影響が出ると調整しなきゃで、結構メンドいから。」
「え……ホントになんでも?」
「なんでもだよ~ん。ほら、今一番してみたい事言ってみな? あ、それとも僕が言ってあげよっか?」
「いや、それはちょ待っ!」
慌てる剛。……何かやましいことでもあるのか?
「あ、周りの記憶なら一時的に消してもいーよ? 周りの目が気になるなら、ね。」
「……マジでか。」
真面目に悩み始める剛。てか、周りの目が気になるって、何するつもりだ……?
「悩む事は無いんじゃな~い? 周りに目が無かったら……どう?」
「まあ、それは……」
「じゃ、言っちゃうよ~。」
「ちょ、待っ!」
剛が最高神の体を掴もうとするけど、手がすり抜ける。
「剛クンの願いは~―――」
ここで俺の記憶は途切れた。




