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ニケツはやっぱ、怖い。

ども~。早速更新です。これが出てる頃にはきっと必死に数式と睨めっこしてると思いますw


更新ペース、意見があれば言ってくださいw

兄貴が来やがった。


全く……大事な話をしてる所に……


「……兄貴、何しに来たんだよ?」


「楓、外では違うだろ! まあ、それはいいんだけどよ、そこのお前、言っておくが、楓は俺のだからな! お前なんかにゃやらんぞ!」


「え、今楓って……」


「はぁ!? 兄貴、何言ってんの!?」


「何って……お前、妹は兄貴のもんだろ?」


違うの?って顔でこっちを見るな!


「んなワケあるかぁ!」


「嘘だぁ!? お前、兄貴の許可なしに妹は彼氏つくっちゃいかん、って親父言ってたぞ!?」


……色々と突っ込みどころが多すぎる! 親父何兄貴に教えてんの!?


「別に兄貴の許可が無くても妹は彼氏作っていいし、俺は別に彼氏作ろうとしてねぇ!」


「マジでか! じゃあ今の告白する感じのは何だったんだ!?」


「それは……うん。俺が……その、楓だ、ってことだよ。」


「え、何、どゆこと!?」


剛が聞いてくる。まあ、そうなるわな。


「んーと……詳しく話すと長くなるんだけど……ま、一言で言うなら、神様が来て俺を女にした、ってコトだな。」


「……神様?」


「神様。天使も来た。まあ、とりあえずうち来いよ。実物の神様見たら納得いくだろ?」


「あ、ああ……」


「じゃ、行こっかー。剛はチャリで来たの?」


「おう、チャリ。」


「兄貴は?」


「俺か? チャリだぞ。」


「兄貴、剛とチャリ交換して。剛のチャリ、確かニケツできたよな?」


ちなみに兄貴のはマウンテンバイク。


「え、一応できるけど……」


「じゃあ、悪いけど兄貴のに乗って。俺は兄貴の後ろに乗せてもらう。」


「なるほどなー。了解。うーん、楓だって聞いた途端、仕草とかの共通点がどんどん見つかっていく……」


まあ、今はホントに自然に振舞ってるしねー。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「キャッ!」


急カーブで大きく体が揺れる。思わず兄貴にギュッと抱きつく。


ニケツはやっぱ怖いです……ちなみにぬいぐるみはママチャリのかごに二つ、兄貴が片手に二つ持っている。こういう時(肉体のみだけど)高スペックな兄貴は役に立つ。


「兄貴、もうちょい安全運転しろよ!」


「外じゃお兄ちゃん、だろ?」


「うー……お兄ちゃん、安全運転して!」


「りょーかいりょーかい。」


速度を緩めながら言う兄貴。はぁ、助かった……


「……羨ましいもんだ。」


剛が呟く。


「え、何が?」


「いや、その……まあ……妹って、いいもんだなぁ、と思ってよ……」


「楓はやらんぞ!?」


「あに……お兄ちゃんは黙ってろ。妹……ねぇ。それって、俺のことだよな?」


「そうだな。」


「……同い年だぞ? 大体、元々男友達なワケで……」


「いや、そりゃ分かってるけどよ。単に、あの光景だけを見た率直な感想ってだけだよ。」


「大体、何を天然タラシが言ってるんだか。羨ましいのはこっちだよ。」


こいつはいつもモテモテでしたよ、ええ。


「何!? 天然タラシだと!?」


あ、兄貴が反応した。


「……別に俺は惚れたりしてねえよ?」


ちょっといいかな、って思ったりしたのは秘密。


「てか、天然タラシってなんだよ……初めて聞いたぜ?」


「え、マジで!? 皆羨望と嫉妬の意を込めてそう呼んでたのに。……そういや直接言ったことはなかったっけか。」


「羨望と嫉妬って……」


話していたら、家が見えてきた。

キキッ、と急ブレーキする兄貴。


「ふわっ!」


兄貴の背中に思いっきりくっつく。


「お兄ちゃん、安全運転!」


「おー、わりわり。」


「ったく……じゃ、剛、入るぞー」


「ふぇ? あ、ああ……」


ポケーッと呆けた顔でこっちを見ていた剛に声をかける。


「どした?」


「あ、いや、なんでもない。」


どうしたんだろうか……


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


ピンポーン。


インターフォンを鳴らしてからしばらくしてお袋が出てくる。


「お帰り。それは?」


「これ? これは剛が取ってくれたぬいぐるみ。どうせ置くとこないから、ってくれた。」


「へぇ。……あら? 隣にいるのは剛君じゃない? どうしたの?」


「いやさー、やっぱ騙してんのは悪いかなーって思って。事情の説明するために連れて来た。」


「なるほどねー。まあ、上がって上がって。」


「あ、お邪魔します。」


玄関で靴を脱ぎながら言う。


「そういえば、なんで兄貴、あの時飛び込んできたの?」


「それは……だな……」


「勇牙はたまたま自販で何か買おうとしてたんでしょ? そしたらたまたま屋上で二人に会った、でしょ?」


リビングで座ってた姉貴が言う。


「そ、そう! それだ姉貴! 多分それだ!」


多分ってどういうことだよ……嘘だってバレバレだよ……


「ふーん……まあいいけどさ……あ、そうだ、直矢達今いる?」


「今は……澄也君とエディちゃんがフラッと出て行ったわ。今いるのは直矢君だけね。」


「ふーん。まあいいや。呼んできてくれる?」


「いいわよ。」


快諾してくれる姉貴。なんだかんだで結構色々頼みごと聞いてくれるんだよなー。ホント、あの属性さえ無ければいい姉なのに……

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