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ぬいぐるみを可愛いと思ってしまう今日この頃

「いやー……感動したよ。」


兄貴がどっか行ってからしばらくして、映画が終わって映画館から出てきた人ごみの中から剛が声をかけてきた。


「え、ホント!? やっぱ見とくべきだったかなぁ……」


残念だ……


「やー、でもあの後、それまで以上に怖かったし、あのままだったら怖すぎて見れないとかなってたかもだよ?」


「そっかぁ……じゃあ、早く聞かせて!」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「死んじゃったのかぁ……」


どうやら俺の好きなキャラが死んだらしい。悲しい……


「でも、あの働きは大事だったよ。あそこであいつがああ動かなかったら人類は全滅してたし。」


「だよねぇ……ま、いいや! とりあえずどこか行こ?」


切り替えて言う。


「そーしようか。」


ずっと暗い顔しても仕方ないしなー。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「あ、あれいいねー。」


ゲームコーナーを歩いていると、クレーンキャッチャーの景品が目についた。


結構大きめのハリネズミのぬいぐるみ。大きさはスイカくらいかな? なんか気に入った。


「あれ? とってあげるよ」


「え、いいの?」


「別にいいよ。」


確かに剛結構こういうの得意で学校帰りに皆でよくやってたな。


「ありがと。」


「うん。欲しいのはあれ?」


ハリネズミを指差す剛。


「うん。」


「分かった。」


よし、とクレーンマシンの方を向き、五百円玉を入れる剛。その目は目標を真っ直ぐと見据えている―――こいつは前から何に対してもやると決めたら真剣なんだよな。


アームが右に移動する。止まって、次は奥へ。少し移動して、アームは降り始めた。


「んー……ダメかな。」


まだアームが上がってもいないのに剛は言う。


前に言ってたなー……「ある程度やってると、上がる前になんとなく分かるんだよ。」って。


「取れる?」


前から、必ず五百円(6回)以内で取ってたし、取れるとは思うけど、一応聞いてみる。


「うん、大丈夫。任しといて。」


なんとも頼もしいお言葉である。


「うん。頑張って。」


応援しておく。俺の頼んだのとってもらってるワケだしねー。


「頑張る。」


またマシンに向かう剛。アームを操作して……


「よし、これは行ける!」


言葉通り、ハリネズミが持ち上げられる。


「おぉー、すごいね!」


「いや、それ程でもないよ。はい。」


照れたように笑いながらハリネズミを渡してくる。普段俺に褒められてる時はそんな照れないのにどうしたんだろ……

おぉ、このハリネズミ、肌触りがいい。これは……寝るときに隣において抱き枕みたいなかんじにしよう。


「ありがと!」


「あ、うん。」


またもはにかむ剛。なんだかこいつが女子にモテる理由が少し分かった気がする。


「でもさ、余った回数どうするの?」


まだ4回残ってる。


「んー……他に欲しいのある?」


「他に? んー、そうだなぁ……どれも可愛いけど……うん。同じくらい、かなぁ。特にコレ! ってのはないなー。」


このハリネズミはなんかビビッと来た。……別に電波は受信してないけどね。


「分かった。じゃ、取りやすそうなのから取ろっかな。」


まず、穴に落ちかけてる丸っこいひよこのぬいぐるみを狙う。あれなら俺もとれそうだなー


「お、取れた取れた。」


アームでひよこを穴に押し込む形で取った。


……やっぱすげーな。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「……調子に乗ってこんなに取っちゃったけど……どうしようか。」


あの後も二つ取って、合計、四個取った。


ちなみに言うと、あとの二つはペンギンと犬のぬいぐるみ。可愛い。


「んー……私、妹いるし、もらってもいい?」


幸、こういうの結構好きだし。エディにもあげようかな。


「いる? なら全然あげる。俺、こういうの結構やっるから、もう家にいっぱいあんだよねー。もらってくれんなら助かる。」


「うん、大丈夫だよ。」


そういや、前にこいつん家行ったら、部屋にめっちゃぬいぐるみとかがいっぱいあったなぁ……

あんなにあったら確かにいらないな……


「でも、こんな持てないかなぁ……」


スイカサイズのぬいぐるみ四つは持てん……


「俺が持とうか?」


「いい? じゃ、お願い。」


「うん。」


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


「なんだかんだでもうこんな時間かー。」


時間は六時。あの後もあちこちぶらぶらして、なんだかあっと言う間に過ぎた。なんだかんだ言って、楽しかった。


「だねー。」


俺は最初のハリネズミを抱えて、剛は他の三つを持って、デパートの屋上のベンチに座っている。二つずつ持とうと言っても剛が譲らないからこんなことになっている。

なんで屋上にいるかというと、自販機がある場所で近かったのがここだからだ。


「夕日、綺麗だね。」


ちょうどここからよく見える。いい感じにオレンジに染まっていて綺麗だ。


「そうだねー……」


「今日は楽しかったねー。」


「そっか、良かった。君が楽しんでくれてなかったらどうしようかと思っててさ。」


また、はにかむ剛。こーゆーのが多分、モテる要因なんだろうなぁ……普通にカッコいいし。


「んーと……あの、さ。」


このタイミングを逃すと、伝えるタイミングが無くなっちゃう気がするから今言う。実は楓だと。やっぱ、こういう風に接してもらうのも楽しいけど、やっぱ前のほうがいいし、なんだか騙してるっていう罪悪感も気持ちいいものではないし。


「ちょぉっと待ったァァァ!」

はいどうも~。これが出される頃には多分僕は塾にカンヅメですw


次の次の日、つまり明後日からテストなんです。そこから三日、毎日テストです。

何が言いたいかと言いますと……


テストが終われば執筆時間を増やせる!!


ってワケでございます。てなワケで、ここから、毎週日、火、木、の12時に投稿しますね!


この先3話くらいは多少短いですが、勉強の間を縫ってチョビチョビ書いたものなので、勘弁してくださいw

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