力なさすぎだろ俺!
はいはいどうもー! これが投稿される頃にはどれくらい書けているのか……(これを予約投稿したのは10月26日です)
んーまあ……頑張りますか!
「あ、あった。」
携帯は何故かベッドの下にあった。薄いから落ちたのかな……まあ、よくあることだし、いつも通りベッドを動か……せない。どうしよう、筋力落ちたんだった。でも、ベッドと壁の間に落ちたから下から取るのはベッドの下の色々なもの(本とか。いかがわしいものじゃないよ?)が邪魔で取れないし……やっぱ上から取るか……腕細くなったしいけるかも……
「う゛ー……もう……ちょい……」
細くなってたから肘までは入ったけど、そっからが入らない……あと1,2センチくらいなのに……あーもう、手が男の頃より短い……ここまで入れば余裕で取れたのに……
仕方ないのでなるべくベッドに体を密着させて腕を伸ばす。
「持って来たよー。春休みで仕舞ってたから探すのに時間かかっちゃった、って……お姉ちゃん、パンツ、丸見えだよ……?」
「……え?」
頬が真っ赤に染まった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「もう、お姉ちゃんは仕方ないなー。幸がとってあげるよー。」
事情を話して、協力してもらうことに。
「ぬ……ぬぬ……届かない……」
「やっぱりー?」
幸も手が届かないらしい。こりゃもう動かすしか無いか……
「じゃあ、二人で動かそうよ! 二人なら動かせるって!」
幸が提案するが、正直あまり気は乗らない。
「えー……結構重いよ? このベッド。」
恐らく、この部屋の物の中でベッドが一番重い。ベッドの他にもタンスとかあるけど、寝るのが半分趣味みたいな俺はベッドだけは結構高級なのを使ってるんだよ……
「そうなの? でも、前は結構軽そうに動かしてたじゃん。」
確かに、そこまで重い、ってワケでもなく、体重を乗せながら引けば簡単に動いた、けど、それは男の頃の話。
「男の力って、結構すごいモンなんだよ。この体になって実感した。多分、俺ら二人じゃ動かせないんじゃないかな?」
「えー……やってみなきゃ分かんないじゃん!」
「まあ、いいけどさあ……」
「んじゃ、行くよ!」
幸の「せーの!」の声で引く。重い……少ししか動かないし……何なのこのベッド、太ったの? こんな重かったっけか……
「お、重いね……でも、少し動いたから何回もやれば動かせるよ!」
動いたのはほんの少し、だけどね……これはあと3回はやらなきゃ駄目だな。そんなに動かさなくても肘が通るスペースを確保できればそれでいいのに……
「はぁ……じゃあ、もう1回、いくか……」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「はぁ、はぁ……疲れた……」
予想通り、あの後3回やってやっと取れた。もうやだ、疲れた……こんなので息切れるってどうなってんだ……
「はぁ……ふぅ……やっと取れたね。」
「だな。……戻さなきゃならないのか……」
「うーん……もう、後でで良くない? 疲れた……」
「うーん……忘れそう……なんか、やなんだよね……寝るとこだし……」
「そうなんだ……あ、そうだ、そろそろ直矢さん達が帰ってきたと思うから、手伝ってもらおうよ!」
「だね……ちょっとゴメン、疲れて動く気がしない。直矢呼んで来て……」
てか動けん……ベッドに倒れこむ。
「はーい!」
幸が元気に部屋を出て行く。
今度……運動しよ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「直矢さん連れて来たー!」
幸が直矢を連れて来た。早いな……まだ俺、回復してないぞ……いや、これは俺の回復が遅いだけか……
「楓、どうした?」
「いやさー、ちょっとベッドと壁の間に物落としちゃって、拾うために二人で動かしたんだけど、重くて疲れちゃって……戻せないんだ。」
「なんだ、そんなことか。これを押せばいいんだよな?」
ベッドの柱をポンポン、と叩く直矢。
「うん、そうそう。こんなことで読んでゴメン。」
「別になんてことねえよ。じゃあ押すな。よ、っと。」
「うわぁっ!」
ベッドに乗ってたから、下が移動してビックリした。てか直矢、体重もかけずに片手の筋力だけで押したぞ……? ベッドも重いし、俺だって女の体になったとはいえもうすぐ高一、それなりの重さはあるはずだ。なのに片手ってどういうことだよ……
「悪い、大丈夫か?」
「大丈夫、ちょっとビックリしただけだから……あ、そだ、今度ちょっと運動したいから付き合ってよ。さすがに体力も筋力も無さ過ぎかな、って思うから、多少は鍛えたいんだよね。」
「別にいいぞ。……もう11時55分だけどいいのか?」
「え? あ、ホントだ! ……どうしよ、歩きじゃ間に合わないし……そうだ、自転車に乗ってこう!」
「……自転車って、お姉ちゃん、それで……?」
幸はスカートのことを言ってるんだろうけど、今はそんな事行ってる場合じゃないと思う。
「大丈夫、なんとかなると思う! 行って来る! うわっとっと……」
何も無いところで躓いた……
「……心配だから俺も少し着いて行く。」




