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超ショートショートはじめました  作者: あき伽耶


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大嘘寺

出されたお題は「大嘘寺」です。


挿絵(By みてみん)

 昔々ある村に、大嘘寺ちゅう寺があったと。そこには厳しい和尚と馬鹿正直な小僧が暮らしとった。

 ある日、和尚が隣町さ行かねばならず、小僧が留守番することになったと。

 けんど和尚には気がかりがひとつ。それは本堂の釈迦像前に飾られた古い陶器の壺。村の衆はお釈迦様が使った貴重なもんだと信じちょるが、そりゃまっかな嘘。骨董に目がない和尚が寺の金を使ぁこみ手にした、それは高価な壺で、なにより和尚のお気に入りだったと。

 和尚は小僧に、

「儂の外出を口外せぬようにな。もしも盗っ人が壺を狙っても、釈迦像の中に隠しておいたから安心じゃ。壺は和尚が持って行ったと申せ」

と言い含め、隣町さ出かけた。

 けんど小僧は留守番役が誇らしく、「和尚様はお出かけです」と参拝者たちに喋ってもうた。

 夕刻。案の定、留守を聞きつけた盗っ人が、壺目当てに本堂さ忍び込んだ。けんど壺はどこにも見当たらん。盗っ人は本堂で鉢合わせした小僧をつかまえ、「壺はどこだ?」と(すご)んだと。

 小僧は、和尚の言いつけを守らねばと心したものの、お釈迦様の目前では嘘が吐けず、壺を取り出してもうた。

 盗っ人は小僧をひっつかみ壺を奪おうとし、小僧も必死に壺を抱えた。

 そんとき天の助けか本堂の戸を開けたのは、戻った和尚。和尚は訳が分からんかったが、男につかまれた小僧を見て、咄嗟(とっさ)にいつもの厳しい声を飛ばしたと。

「こらぁ、その手を離さんかい!」

 盗人はたいそう驚き、小僧は和尚の命に従って、二人ともパッと両手を離したと。


 どっぴんガッシャンばらばらりのぷー。




 了



今回は、民話風。

いかがでしたか?


いよいよ年末ですね。大掃除もうしちゃいました!

と大嘘です。(手つかずw)

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― 新着の感想 ―
頭の中で市原悦子さんと常田富士男さんの声に変換されてました!(≧∀≦) 小僧さん素直過ぎる(笑) 面白かったです!(*´∀`*)
お釈迦様の中に入ってしまった壺。 ある意味ではお釈迦になったわけで。そして、お釈迦様の思う壺になったかもしれず(笑) きっと入れた場所が悪かったのでしょうねw 民話風のかたりと「とっぴんぱらりのぷう」…
オチが見事です!なぜだか小僧さんに同情してしまう気持ちです。この後泥棒さんとどのような状況になったのか。いい教訓になったのでしょうか。
感想一覧
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