合戦バー
「今日こそ勝負をつけてやる!」
「望むところよ!」
「絶対俺が勝つからな!」
「何言ってんの、勝つのは私よ!」
「よし見てろよ? ほ〜ら……どうだ?」
「あはは、全然ダメじゃないの、反応なし!」
「む、久しぶりだから勘が鈍っているだけだ」
「負け惜しみ言って。こうやるのよ、ほ~ら……」
「わっはっは、お前だって全然ダメじゃないか」
「う、うるさいわね、私のほうがこういうの上手いんだから!」
「そんなこと言って、かすりもしなかったじゃないか。よく聞け、俺はこれ得意だったんだ。大事なのはタイミング。手の向こうからじわじわ見せるのがコツだ。ほらこれでどうだ!」
「残念ね、引かれちゃってるわ。大事なのは勢い、こうやってサッと出すのよ」
「オイオイあさっての方向を見ちゃってるぞ、もう俺に任せろ、ほら……」
「可哀想に眉がへの字よ、そんな強面見たから怖いのよ、貸して私がやってみせるから!」
「もう、お父さんもお母さんも孫の取り合いしないで! 愛ちゃんが泣きそうじゃないの! 見ててこうやるの、
ほ~ら、いないいないバー!」
キャハハ。
やはり、母は強し。
(了)
久しぶりのショートショート更新です。
今回はほっこり系(n*´ω`*n)
ちなみに、このお題で投稿された他作品(@note)は、「武将になって合戦するバー」や「アイスバー」をテーマにしたものが多くて、いないいないバーは異色中の異色(^_^;) 私らしいと言えばらしいけど、こんな作品で大丈夫か!?とおそるおそるの投稿ですw
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