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超ショートショートはじめました  作者: あき伽耶


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隣席の富士山

出されたお題は「隣席の富士山」です。


挿絵(By みてみん)

富士山がうつる湖のそばのおじいちゃん家まで、二時間。

はじめて一人で行く、僕の夏休みの冒険。

だけど、お母さんに見送られて電車に乗ったときから、心配でしょうがない。

まちがえないでとちゃんと降りられるかな。

寝ちゃったりしないかな。

富士山が見えてきたら、半分過ぎたしるし。

いつもは心待ちにしてる富士山なのに。そんな気になれなくて、緊張してその姿を探す。


「よっこらしょ」


と、誰かが隣にどっかり座った。

目が合った。

富士山だった。


「君、一人旅? ボクもさ」 

話しかけられた。

「ボクもみんなみたいに旅がしてみたくってさ。もう楽しみで楽しみで」


うれしそうにしゃべる富士山の後ろの窓から、富士山が見えてきた。


富士山が二つ……!?


と見比べる僕に、


「ああ、あれはボクのそっくりさん、逆さ富士だよ。ボクの代わりに座ってくれてる。逆立ちしてて疲れるからって、逆さ富士たちが交代してるんだけどね」


じゃあ、あそこに見えてるのは、もしかしたらおじいちゃんちの……?

早く確かめてみたい!


気がつけば僕の心は、もう、わくわくが止まらなくなっていた。






(了) 

今回は、童話風。

そして久しぶりに企画推奨の400字代で書けました(#^^#)

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― 新着の感想 ―
良いお話でした。 発想が素敵です。 いいですね。
絵本にしたくなるようなお話でした。 ふと 絵本の最後のページで、あれほど言われてたのに寝ちゃってる男の子の絵を載せたらいいかも。。 って思いました。
まさかのお隣さんというだけではなく、そのお忍び方法にもユーモアがありますね。確かにあっちはどうなってしまっているのでしょう……?? 一人旅のドキドキがワクワクに変わってしまう様子が微笑ましいです!
感想一覧
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