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俺たちYOEEEEEE?のに異世界の迷宮に居るっぽい  作者: くまの香


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65/72

65話 時間差

 -----(大島視点)-----


 電車の車両が置いてある避難所へと戻った。



 そこでは自衛官達の間で、俺たちが迷宮に閉じ込められたと騒ぎになっていた。

 『ニッポン』へと自衛官数名が知らせに走ったそうだ。

 危険な森を数名で。



「追いかけるべきか」


「いえ、ここを出てもう6時間は経ちます。追いつくのは難しいかと」



 そう、俺らが迷宮の地下2階に閉じ込められてほぼ一日近く経っているのだ。

 朝に迷宮を探しに出た一行から、昼過ぎに隊長(3佐)らが戻れなくなった事を避難所の自衛官達に伝えに戻ったそうだ。


 自分達の手に余るかもしれないという事でニッポンの指示を仰ぐべく、少数で森を抜けるために即出発してしまった。


 俺らは何とか日が暮れかけた時には戻ってこれたのだが、スマホや無線機などがない現状、人が足を使って移動して口で伝えるしかない。行き違いも起こるというものだ。



「現在、何がどう動いている状態ですか?」


「まず、長谷川さんはコアラ2体と共に、重症者3名乗せてニッポンへと移動中です。同乗者は物理攻撃スキル持ちの隊員です」



 そうだな、確か、昨日ここを立ったから、まだ森の途中か。



「今日の昼に自衛官5名が徒歩でニッポンへ向かい出立したそうです、中の一人はコアラ持ちです」


「パンパン、一体のコアラ持ちのかたですか?」


「そうです。イチローからゴローまでの5体持ちの隊員は、この避難所の護衛のために残っております」


「重症者はまだ居るんですよね」


「はい。長谷川さんには戻り次第、もうひと往復していただく予定です。その間に我らは迷宮の地上部の確認とこの付近の安全確保、それから清見君の仏間での避難民の移動計画を進める予定でした」


「そっか。なら、俺らが今日一日、迷宮でぐずぐずしてたけど計画はそれほど狂いはしなかったのか」


「ええ、まあ。ですが、ニッポンへ徒歩で向かった隊員の救助に向かうべきか。それと、迷宮内の避難民の移動は完全に不可能なのがわかりました」


「そうですね。とてもじゃないが、あの中を避難民でゾロゾロと移動するのは難しい。デスエ近郊の弱い魔物しか出ない迷宮を考えていました。だから地上より地下を移動した方が安全で早いのではと」


「自分も同じように考えました。ですので迷宮の様子を確認にまいりました。が、舐めていたのがわかりました。想像を超える難しさですね。迷宮を舐めてはいけない」



 本当にそうだ。

 俺も何とか地下を行けるのではと思ってた部分がある。



「やはり、清みんに頑張って仏間で往復してもらうしかないか」


「そうですね。それが一番安全かつ遠回りのようで近道なのかと思います」



 車もバスも電車もあるのに動かないもどかしさ。人が自分の足で移動しなきゃならんとは。

 当たり前のようで、令和の日本では忘れさられていた常識。



「仏間をイチロー達に引かせるとしても、清みんが仏間に座って指示を出せないかな。いや、座るだけならガラス障子を開け放ってそこに座って貰えばいい」


「問題はコアラへの指示出し、ですね。イチロー達の飼い主の自衛官も清見君と並んで座らせて、移動の指示出しをうまく伝えられるかの確認をしましょうか」


「そうだな。それがうまくいけば避難民を乗せての往復も、清みんの負担にはならないな」


「では、明日はその訓練で」


「託児所の移動も、コアラ何体で運べるか確認したほうがいい。託児所や車両は持ち帰りたいですから」




-----


 翌日の訓練。


 清みんと自衛官が並んで座り、コアラへの指示出し。

 これが難しかったのだ。空間スキルの謎といえばそうなのだが。そりゃあ他人のスキルで誰でも動かせたら『スキル持ち』は必要ない。


 直線コースは勢いで行けた。だが、少しでもカーブが必要だと、車がエンストを起こしたように仏間がガコンガコンと止まってしまったのだ。


 それと託児所も仏間もコアラ5体でギリギリ引けるといったところで、両方同時に持ち帰るのは難しそうだ。

 人を乗せるなら、大勢の自衛官による引っ張りが必要だ。


 コアラ5体も長時間は引けない。途中で疲れるのか力尽きる。

長谷川さんのミニバンは車体にタイヤが付いているので、『持ち上げて運んでいる』のではなく、『引いている』だけなのだ。

 ある程度勢いがつくと車は進んでくれるからコアラも同スピードで走行すればいいだけで楽なのだった。



「仏間や託児所にはタイヤは付いていませんからね」



 確かに。


 その日は一日検証に終わった。早ければ夕方頃に戻るかもと言われていた長谷川さんは戻らなかった。



「コアラも走りっぱなしで疲れるでしょうし、明日の昼までには戻るでしょう」



 しかし、長谷川さんは翌日にも戻らなかった。

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