62話 次の危機
-----(清見視点)-----
広場で魔物達が混戦している間に、大島氏が壁を凹ましていく。
ポヨン君やふるふるさん達は、大きなマンモ豚をどんどん吸収しているようだ。
マンモ豚さん、死んでいたよね? 生きたまま尻焼かれて、焼かれた尻から食べられていくとか、もし生きたままだったら地獄だからな。成仏してください。
広場から聞こえるデスバトルの音を横目に、大島氏が一生懸命ふんふんと力んでいる。
「難しいな。そもそも穴掘りスキルじゃないからな」
けど、4人が何とか壁にめり込むくらいのスペースは出来た。果たしてこれでやつらをやり過ごせるか。
ポヨン君達はマンモ豚のお腹の方へと食べ進めているようだ。
「清見君、スライムを2体、こちらへ呼び戻せますか?中から魔物が出てきた時のために」
「あ、はい。パミュンちゃん、プルン君、ちょっとこっちで一緒に居てもらっていい?」
そんなに大きな声ではなかったけど、マンモ豚の中からパミュンちゃん達が出てきてこっちに飛んできた。
広場の中ではまだ大乱闘が続いていた。大きさとか関係ないのかな。
洞窟内にかなりの地響きが続いている。
「ね、洞窟、大丈夫かな。崩れない? 天井からバラバラ何か落ちてきてない?」
3佐が上を見てから通路に詰まっているマンモ豚を見た。
「まずい気がします。まだ食べ終わらないのか! あそこが開通しないと我々がここから脱出できない」
「先に進むにしてもおそらくあの広場の中を突っ切らないといけない気がしますね。全員、俺にしっかりくっついていてください。万が一崩落して地下3階に落ちた場合、ボックス内に入れば怪我は少ない」
時々広場から通路へと小振りマンモ豚が飛ばされてくるが、直ぐに立ち上がり突っ込んでいく。
何が彼らをあそこまで駆り立てているのだろうか。
壁にめり込んだ俺たちに気がつかないでくれるのはありがたい。
広場から通路への振動がいよいよ怪しくなってくる。これ、絶対崩落するやつだ。
「ポヨンくぅん……向こう側まで食べ終わった? まだかなまだかな、3佐、やっぱりパミュンちゃん達も食べるの手伝ったほうが……」
そこまで言った時、洞窟の揺れが激しくなる。これ震度4超えたよね!
「ポヨン氏がっ!」
「ポヨンさんが出てきたぞ」
3佐と大島氏が同時に叫んだ。
大島氏の背後から顔を出すとポヨンさんが縦に伸びてビヨンビヨンしていた。
「食べ終わった! 逃げましょう!!!」
「行くぞ!」
壁から出て4人で固まった状態で走り出した。マンモ豚の尻があったあたり。そこから中へと突っ込んだ。
うわぁ、ぐちゃぐちゃのぬっちゃぬちゃ。
「滑るから気をつけて」
誰かが叫ぶ。
臭い、生臭い。上からぶら下がったニュルっとした何かが顔にぶつかる。
ズルっと滑りかけた途端、誰かに担がれた。多分3佐だ。
肉トンネルを抜ける前に通路は震度6くらいに激しく揺れたが、3佐は俺を抱えたままでも転ばずに進む。後ろから俺達を追い抜いていく魔物もいた。担がれているので見えた。二本足ゴリラが四つん這いで走り去る。
「マンモスを抜けても走り続けろ! 通路が崩れるかもしれん! 固まれ! 大島氏に固まって走れ!」
俺を担いだ3佐から伝わる振動がしっかりしたものになった。肉トンネルを抜けたんだ。
そのまま通路を走る。振動が後ろから追いかけてくる。
ガガガガンっ!
大音量と大きな振動のあと、揺れがおさまった。
俺達の移動も止まる。
「落ちたな」
「落ちましたね」
壁沿いに止まり様子を見た。俺達の後ろから通路を通れるサイズの魔物達が走り去る。その直後に天井が落ちた。
もちろん、ここは無事だし大島氏のボックスに居たので安全だ。
去った魔物達も俺達はスルーだった。
「今戻れば、リポップを待たなくても階段を出すのに十分な魔物が居ますね」
「そうだな。リポップしていたら逆に多すぎるけどな」
俺達は通路を戻り始めた。




