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俺たちYOEEEEEE?のに異世界の迷宮に居るっぽい  作者: くまの香


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35話 ミニバンの中の再生物資

 -----(清見視点)-----


 揺り起こされた。


 地面に寝るとやはり身体が痛い。それといつもよりかなり歩いているので足がだるい。

 けど特に何も起こらず朝をむかえられたようだ。良かった。



「ポヨン君、おはよう」



 隣に寝たはずの大島氏が居ない。見るともう精力的に動いていた。自衛官達も慌ただしく動いている。



「日持ちしない物を消費しましょう」


「そうですね。ではこちらを配りますね」


 起きた者から簡易な朝食を済ませているみたいだ。

 俺も穴から(浅いが)這い出るとパンと牛乳パックを渡された。


 トイレは……とキョロキョロしていると自衛官が寄ってきた。



「トイレはあちらに。大便は穴へお願いします。出立前に埋めますので」



 あ、はい。え、数人で共有? え、ええええ、自分で埋めたいんですけど、仕方ないか。うん。

 仏間の裏だけど、少しだけ木々が繁っているのでポヨン君についてきてもらう。



「ごめんねぇ、ポヨン君。臭いかもだけど怖いから一緒に居て。うわっ、誰だこれ、デカっ!!!」



 朝メシが済み、仏間に怪我人と子供を乗せて出発になった。

 隣を歩くミニバンママさん。



「昨日お話しを聞いて、チャイルドシートに傷をつけておいたんです。そしたらね! そう、今朝もう一台、シートがあったんです」



 凄く嬉しそうにしていた。



「そうなんですね、良かったです」


「はい! ありがとうございます。それで、ものは試しと、車内から持ち出した荷物の中身にもそれぞれカリカリ引っ掻いてみたら、なんとそれも今朝車の中にあったの! トートバッグがふたつになったわぁ。びっくり。何ですかこの世界。夢? やっぱり私、死んだのかしら」


「あの……この数ヶ月で、車の中で再生している物ってなかったんですか? その、うちの仏間は防災食糧が食べた分増えたりしたんですけど……」



 今までの経験上、何かしらの再生は起こっていたと思うんだ。それに空間スキルが消えていなかったって事は定期的に車に居たって事だよな?



「それがねぇ、皆と一緒にバスの方に居たから全然気がつきませんでした。それに再生? 再生しそうな食糧もなかったし」


「お子さんのオヤツとかミルクとか持っていなかったんですか?」


「そうなのよー。遠出するなら絶対入れていくけど、今朝はちょっとコンビニまで行くだけだったから何も持ってこなかったの。あ、でもトートバッグには財布とスマホの他に息子のタオルくらいかな」


「じゃあ増えたのはバッグだけ? 中身は無しですか?」



 まさか、財布とスマホが増えたのか?



「あ、うん。なんと財布が増えた。中身もおんなじ。でもこの世界では不要よねぇ。紙幣の番号まで同じって、私、犯罪者になっちゃうわ。それと息子のタオルが入ってたわ。あと食べかけの飴」



 あ、スマホは再生しなかったんだ。


 仏間を引っ張りながら話を続けた。3佐や大島氏も口を挟まずに聞いているみたいで、俺らのすぐ後ろに居た。



「他に何か増えました? えと……チャイルドシート以外で」


「ん〜、車の中のシートやハンドルを傷つけても、特に何も変わってなかったわ。傷ついたまま」



 そうか。やはり、そこから別の場所へ移動させないと新しく再生はしないのか、もしくは空間自体に傷を付けてもダメなのか。

 俺は仏壇に傷つけるなんて怖くて出来なかった。だってバチがあたりそうじゃん。でも、まだ綺麗な今のうちに再生しておいた方がいいのかなぁ。悩む。



「車内にあった息子のおもちゃと、毛布が増えたわね。それとお出かけ用バッグが後部座席の下にあったのを思い出して取り出して中身だけ和室へ持っていったの。何で思い出さなかったんだって自分にあきれちゃった。この数ヶ月、息子のオムツに苦労したけどあそこに入れてたのを忘れるなんて!」


「お出かけバッグは増えました?」


「ええと、バッグは残すように言われたので中身だけ持っていったからバッグは増えなかったわ。でも、中身が満タンになってた。あんなに困った息子の紙おむつがたくさん」



 お母さんはワゴンを引きながら、ちょっと涙を滲ませた目で遠くを見つめていた。

 ああ、この数ヶ月は物が無くて苦労したんだろうな。特に子供関係。



「お出かけ用のバッグには何が入れてあったんです?」


「オムツと着替え、タオル、離乳食、オヤツかな。この世界へ来る前、翌日から出かける予定だから先に準備した荷物を入れたの。それで足りない物を思い出してコンビニへ行く途中に、ね?」



 ふむ。中身が再生って事は、そのバッグが0時再生の祝福魔法を受けたやつかな?



「何でもっと早く気がつかなかったかなぁ、私ダメママだわ。息子の食べられる物も入ってたのにぃ。あんなに息子をガリガリにさせちゃって……ぐすっ」



 うわ、うわっ、やばい。泣き出した、泣かせた? 俺? 俺が泣かせた。



「大丈夫です。我々の避難所には産科病院もありますから。落ち着いたら診てもらいましょ」



 背後から3佐がフォローをしてくれた。助かった。


 どうしよう、まだ聞きたいことがあるけど、もう聞くのやめた方がいいかな。ずっとバスに居たのにスキルが消えなかったのが謎なんだよな。


 うちらのグループではバスとフェリーが7〜10日くらい放置してたらスキルが無くなってたんだよな。

 でもそれ、スキルがあった確認もしてなかったし、元からなかった可能性もある。今あるスキルを消したくないから自衛隊も検証が出来ないんだよな。


 ミニバンママさんには3佐がスキルの表示方法を伝えて確認してもらったって。俺は勝手にミニバンママって呼んでいるけど、正確には『スキル:空間(自動車)』だって。自動車で一括りなんだ。うちが『仏間』だからもっとこまかい分類かと思ってた。



「ずっとバスに居たんですか?」



 後ろから大島氏がママさんに話しかけた。よかった、俺の聞きたかった事。大島氏も知りたかったんだ?



「ええ、あの日に他の皆さんと合流してからバスへ。バスの乗客もどこかへ行ってしまって減ってたから一緒に居た方がいいかなって思って」


「という事は車へは全然戻られなかったんですか?」


「いえ……、息子がぐずった時は車へ戻ってました。休んでいるかたにうるさくしたらいけないと思って。ほぼ毎日ですね。前は……こっちに来る前はそれほどぐずる子じゃなかったんですけど、ミルクが足りなくてお腹空かせていたりオムツが気持ち悪かったのかなぁ」



 なるほど、そのおかげでスキルが消えなかったのか。息子君グッジョブ。



 3佐からストップがかかった。

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