表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ターク様が心配です!~不死身の大剣士は寝不足でした~  作者: 花車
第2章 退屈なゴイムとお疲れのターク

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/247

03 ターク様、強がりですか?~魔力残量にご注意を~

 場所:タークの屋敷

 語り:小鳥遊(たかなし)宮子

 *************



 夜になって、ようやく帰ってきたターク様は、今朝出かけたときと変わらない、キラキラオーラに包まれていた。


 王子様のようなファッションは、やっぱり鎧のときより眩しく見える。


 だけどよく見ると、朝はしゃんと伸びていた背筋が、少し丸くなっているようだ。


 朝はやさしくなっていた表情も、また昨晩のようにかたくなって、なんだかぼんやりしているように見える。


 どうやら、貴族の社交パーティー(たぶん)はかなり疲れるようだ。



「ターク様、なんだかお疲れみたいですけど、大丈夫ですか?」



 私にそう聞かれたターク様は、ピクッと眉をあげたかと思うと、丸まっていた背中をしゃんと伸ばした。



「なにを言う。私は不死身の大剣士ターク・メルローズだぞ?」


「はい?」


「不死身の大剣士は疲れたりしないんだ」


「そ、そうなんですか?」


「そうだ」



 明らかに強がっているターク様を見て、私は日中、疑問に思っていたことの、答えを見つけた気がした。


 この部屋に入ってくるまで、ターク様はシャンとしていたのだろう。メイドさんたちが、彼が疲れてることに気付かないのは、きっと、彼の強がりが原因なのだ。


 いままでは部屋に居れば寛くつろげたターク様が、私がいるせいでのんびりできないんだとしたら、それはかなり申しわけない。


 私が少し困った顔をすると、私が泣くと思ったのか、ターク様はギョッとしたように一歩後ずさった。



「なんだ? 傷が痛むのか?」


「おかげさまでよくなってます」


「そうか。見せてみろ……うーん。今朝とあまり変わりがないな」


「そ、そうですね」



 この世界は魔力のみならず、医療品の類もかなり不足している。この大きな屋敷にも、薬の類はほとんどないらしかった。


 ケガ人ということで一日中じっとしていた私だけど、治療といえるようなことは、なにもしていない。


 治りきらない傷口は、一日中ずっとズキズキしていた。



 ――もしあの大ケガをした状態のまま、ターク様が助けてくれていなかったら……。



 そう思うと、あらためて背筋が寒くなる。



「傷むのは顔か?」



 彼はそう言うと、まだかなり()れている私の顔に手をかざした。


 どうやらヒールを唱えようとしているようだ。


 そのとき、私の脳裏に、牢屋で見たふらふらのターク様の姿がよぎった。


 ターク様は強がっているだけで、実は魔力がつきてしまうと、結構辛いんじゃないだろうか。そう思った私は、慌ててターク様の手を押し戻した。



「ダメですよターク様、魔力って貴重なんですよね?」


「あ、あぁ……」


「だったら、私の治療はもう、大丈夫です! これ以上ご恩を受けても、お返しができませんから」



 ターク様はまたピクリと眉だけ動かすと、詠唱をやめて言った。



「なんだ……お前まで。魔力が減ったからと、私はどうということもないぞ」


「だけど、ターク様、地下の牢屋でふらふらされてましたよね?」


「……あれは、別の理由だ。魔力不足のせいではない。気にするな」



 地下牢での話をすると、ターク様は嫌なことを思い出したように渋い顔をした。あのときふらついていた理由については、あまり触れて欲しくなさそうだ。



「剣士さんは魔力が回復しにくいって、サーラさんも言ってましたし」


「それは、確かにそうだが……。お前、そんな傷だらけなのに、治療を拒否するのか?」


「だって、魔力に余裕はあるんですか?」


「まぁ……一応な。気になるならゲージを見てみろ」


「ゲージ……ってなんですか?」



 私がキョトンとして聞き返すと、ターク様は少し呆れた顔をした。



「そんな日常的なことまで忘れているとはな……。心で()()()()()と念じながら私の顔に集中してみろ」



 なんのことだろうと思いつつも、言われたとおりにターク様の顔を眺めてみる。すると、いろいろな情報が書かれた半透明の画面が、目の前に浮かびあがった。



 ――こ、これは……!? ゲームのステータス画面的な!?



 私は驚きながらも、ターク様の魔力残量を読みあげた。



「最大魔力、千三百、魔力残量、二十五……? これ、ほとんど尽きてるんじゃないですか……?」


「残ってるほうだ」


「えぇ……?」



 私が顔をしかめると、彼はため息をついて言った。



「まぁ……確かに、少しは残しておかないと、またマリルがうるさいな」


「マリルってどなたですか……?」


「いや、まぁいい。なら私のあとに風呂に入れ。湯に加護が残っているからな」


「あ、はい、ありがとうございます」



 私の質問を軽くはぐらかして、ターク様はバスルームに消えていった。



 疲れているように見えるのに、何故か強がっているターク様。なんだか余計に心配になりますね。


 ターク様がふらふらになってしまうんじゃないかと心配し、()()()を断る宮子。そんな彼女に、ターク様はステータスの確認方法を教えました。


 次回、またお風呂を覗きに来たターク様は、宮子をベッドに誘い楽しそうに笑います。


(いや、ほんと心配ですよね。大丈夫なんですか?)


 挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


こちらもぜひお読みください!



三頭犬と魔物使い~幼なじみにテイムされてました~





カタレア一年生相談窓口!~恋の果実はラブベリー~

― 新着の感想 ―
[良い点] ターク様は身体的には不明ですが、精神的疲労はあるみたいですね。 実際に超人ではありますが、気を張っているところもあるのでしょう。 ここら辺はマリルなど、周囲の人間が気遣ってくれているのかが…
[一言] 花車様こんばんは! なるほど…ターク様も回復しきれないで毎日力を使っているのでしょうか…。 戦争など戦いが続けばそうなる事も有り得ますもんね。 続き楽しませていただきますね(o^-^o)
[良い点] どっちなのどっちなのどっちなのー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 宮子なのマリルなの〜(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ターク様確実に揺らいでるでしょうこの時点でッ! (´・Д・)」浮…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ