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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
66/73

049-2 6分の1模造刀 その2

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第49弾その2です」

礼子「前回の続きですね」

仁「うん。残念ながら細かい作業が多くて、まだ完成しない」

礼子「次回は完成しますか?」

仁「そ、それは大丈夫」





挿絵(By みてみん)


仁「こほん、まずは材料だ」

礼子「画用紙……で何を?」

仁「柄だな。『え』じゃなく『つか』と読んでほしい」

礼子「画用紙はなんでもいいんですか?」

仁「うん。標準的なものならな」極端に薄かったり厚かったりしなければ

礼子「作者さんはA5サイズの画用紙を使いました」使う量が少しなので




挿絵(By みてみん)


仁「で、カットする」

礼子「つかの長さは、刀のなかごより少し長めですね」

仁「うん。このあたりはこしらえにもよるな」居合用は少しつかが長いと聞いたことがある

礼子「その辺は好みですね」

仁「見た目のバランスはそれこそ人それぞれだろうしな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、巻いていく」

礼子「紙だから作業性はいいですね」

仁「まあ、3回くらい巻けばいいと思う」その辺は好みです




挿絵(By みてみん)


仁「巻き終えたらカットする」写真はどのくらい重ね巻きしたか見ていただくためにクリップで押さえています

礼子「おおよその太さがわかりますね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、接着だ」

礼子「セメ◯インCですね」

仁「白か透明系なら何でもいいと思う」水性はやめたほうがいいかも

礼子「で、乾くまで輪ゴムでぐるぐる巻きに」

仁「画用紙も結構余ったな」この先の加工で失敗したときのためにもう1つくらい作っておくといいかもです




挿絵(By みてみん)


仁「接着剤が乾いたら、瞬間接着剤(低粘度)を染み込ませる」

礼子「FRP化するんですね」

仁「そうそう」これをやるとヤスリで削れるようになります




挿絵(By みてみん)


仁「断面からもよーく染み込ませる」

礼子「乾燥(硬化)はこうしておかないと机やカッティングマットに貼り付きますので注意です」

仁「これでも竹串に貼り付いたからな」

礼子「ですので、竹串を差し込むのは、刀のなかごを差し込むのとは逆の側にしましょう」

仁「貼り付いた竹串を剥がすと穴の大きさや形が変わるからな……」




挿絵(By みてみん)


仁「十分硬化したなら、試しに差し込んでみる」

礼子「それらしくなりましたね」日本刀っぽいです




挿絵(By みてみん)


仁「で、いよいよ細かい金工作業だ」

礼子「金具作りですね」

仁「うん。つばの側に付く金具が『ふち』、つかの端が『かしら』。その2つを作る」ちょうど外径5ミリの真鍮パイプが使えそうです




挿絵(By みてみん)


仁「まずはカット」

礼子「作者さんはバンドソーですが、糸鋸でもいいですね」あとパイプカッターとか

仁「うん。端面はこの後整えるから、少々曲がって切れても大丈夫」その分、少し長めに切っておくのがコツです

礼子「あ、『かしら』も『ふち』も3ミリくらいにしてます」




挿絵(By みてみん)


仁「端面をサンディングする」

礼子「なるほど、板にちょうどパイプが入る穴を空けて、そこに差し込むんですね」

仁「そうすれば直角が出るからな」

礼子「あ、パイプの中のバリもヤスリで取ってくださいね」怪我には要注意です

仁「使ったのは2.5ミリ厚のMDFなので、金具の長さは2.5ミリになるな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、つかの断面に合わせて楕円形に歪める」

礼子「ラジオペンチでそっと、ですね」力を入れすぎるとぺちゃんこに(ぐちゃ)

仁「パイプの中に竹串とか木の棒なんかを入れておくと万が一にも対応できる」まあそんなに力を入れずとも歪むけどな……




挿絵(By みてみん)


仁「太さ調整だな」ちょっとつかの方が太いので、ヤスリで削る」

礼子「この辺まで、という目安をマスキングテープで記してます」

仁「つかが白いから赤いマスキングテープだな」ダ◯ソーなどでカラフルなマスキングテープを売ってます




挿絵(By みてみん)


仁「で、めてみる」

礼子「ちょうどいいですね」

仁「うん、まあ、なんども試行錯誤したその結果だからな……」削り過ぎには注意です




挿絵(By みてみん)


仁「ここで、目釘穴を空ける」1ミリの金工用ドリルです

礼子「早くないですか?」

仁「つかに紐を巻いてしまうと、空けにくくなるんだよ」

礼子「なるほど」

仁「空ける位置は鍔から柄の長さの3分の1から5分の2くらい」これもお好みで

礼子「ネットで日本刀画像を検索するといろいろ出てきますから、そちらも参考に」




挿絵(By みてみん)


仁「途中経過だ」

礼子「それらしいですね」




挿絵(By みてみん)


仁「では、いよいよかしらの加工だ」

礼子「さっきのパイプと1ミリ厚の真鍮板ですね」0.8ミリでもいいかも

仁「厚めなのは、仕上げに丸くするからだ」

礼子「ああ、なるほど」




挿絵(By みてみん)


仁「銀ロウ付けにする」低温銀ロウなのではんだごてでロウ付けできます

礼子「はんだじゃ駄目なんですか?」

仁「かまわない。ただはんだにはめっきがノリにくいから、作者は銀ロウにしたようだ」この時点では真鍮のままにするかめっきするか決めていなかったらしい

礼子「やけどにはご注意くださいね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、かしらを加工する」

礼子「ヤスリで削っていくんですね」

仁「うん。パイプの外径と同じにしたら、端面を丸めていくわけだ」

礼子「小さいから大変ですね……」

仁「そうだな……せめて4分の1スケールならもう少し楽だったかも」




挿絵(By みてみん)


仁「途中経過その2だな」

礼子「大分らしくなりましたね」




挿絵(By みてみん)


仁「いよいよ紐を巻くぞ」

礼子「実際は平打紐みたいなものですが……」

仁「幅2ミリのリボンだな」セ◯アにありました

礼子「色は黒ですね」

仁「紫なんかもいいかもな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、準備だ」

礼子「両面テープですか?」

仁「うん、そうだ。これをつかの一部に貼ることで、巻いた紐が緩んでこない」

礼子「ああ、緩んでくると面倒ですからね」

仁「イラッと来るよな」

礼子「このあたりは『日本刀』『柄巻き』で検索しますといろいろ画像付きで出てきます」




挿絵(By みてみん)


仁「というわけで両面テープをカット」

礼子「2ミリ幅くらいですね」




挿絵(By みてみん)


仁「テープを貼る」

礼子「金具がはまる部分には貼らないんですね」

仁「差し込めなくなるからな」




挿絵(By みてみん)


仁「巻き始めは裏からだ」

礼子「刀にも表と裏があるんですか?」

仁「あるぞ。次のラフ絵を見てくれ」




挿絵(By みてみん)


仁「刀を腰に差した時、外(左)に向くのが表だ」

礼子「ああ、なるほど」




挿絵(By みてみん)


仁「で、巻いていく」両面テープがあるので緩まなくてやりやすいはず

礼子「いかにも細かい作業ですね」

仁「そうなんだよな……正確なスケールで言うなら1ミリ幅くらいの紐でないといけないんだがとても無理だ」

礼子「3分の1ならなんとかなりそうですね」

仁「これの倍だからな……」

礼子「これも 日本刀 柄巻き で検索すると、図解付きで出てきますね」作者さんも参考にされてます




挿絵(By みてみん)


仁「巻き終わったら端を固定する」

礼子「初期接着力の高い接着剤がいいですね」

仁「作者はボンドGPク◯ヤーを使ったようだ」




挿絵(By みてみん)


仁「で、柄巻きが完成した」

礼子「やっぱりリボンの幅が広いですね」

仁「うん。6段くらいしか巻けなかったからな」8段から10段は巻きたかった




挿絵(By みてみん)


仁「で、ここまでの出来具合だ」

礼子「こうして組むとなかなかそれらしいですね」

仁「鞘や仕上げはまた次回」

礼子「どうぞお楽しみに」





*   *   *


仁「ということで今回は『6分の1模造刀 その2』でした」

礼子「お疲れ様でした」

仁「作業時の怪我、やけど、薬品による中毒にはご注意ください」

礼子「薬品が目に入った場合は流水で洗い流し、眼科へ」




仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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