045 革製キーホルダー
仁「こんにちは、魔法工学師の二堂仁です」
礼子「お父さまに作っていただいた自動人形でアシスタントの礼子です」
仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第45弾です」
礼子「今回はキーホルダーですか」
仁「うん。自動車のキーや家の鍵なんかを束ねておけるものだな」
仁「まずはイメージスケッチだ」
礼子「たまに見ますが、どうして長くしてスナップで止めるんですか?」
仁「この長い部分を、腰のベルトに通してスナップで止めておくんだ」基本持ち出し用のキーホルダーです
礼子「ああ、なるほど」
仁「ポケットに入れておかずに済むからな」もちろんポケットにしまってもいいけど
礼子「納得です」
仁「で、素材だ」
礼子「黒い牛革、Dカン、スナップオスメス、型紙、それに工具ですね」牛革は厚さ2ミリくらい
仁「うん。どれもハ◯ズで手に入るな」もちろん通販でも
礼子「革はお好きな色のものを選んでくださいね」ヌメ革というやつです
仁「ただし、染めによっては汗で色落ちするものがあるかもしれないので要注意」
礼子「あ、もしかすると、靴屋さん(工房を持っているような)の店先に、半端なハギレ革を安く売っていることがあるかもです」
仁「作者は10年以上前、アキバの中央通り、上野側にあった靴屋さんの店先でちょくちょくそうしたハギレ革を買ってたな」100円で詰め放題
礼子「今はもう閉店してしまったようですね」
仁「うん。残念だ」
仁「カットした」
礼子「革を切る工具は何がいいですか?」
仁「カッターがいいな。金属製の定規を当てて切ればまっすぐ切れる」ハサミだと曲がりやすいです
礼子「あとはポンチで所定の場所に穴あけですね」
仁「そうなる。ポンチで穴を空ける際にはカマボコ板のような当て板を敷くといい」カッティングマットだけだとちょっと心配
礼子「力余って作業台まで穴を空けそうですね」うずうず
仁「……ほどほどにな?」
仁「スナップボタン用のカシメ具だ」
礼子「ボタンの中にあるバネを引っ掛けて壊さないような形になっているんですね」
仁「そうそう」
仁「で、こっちはカシメ用の台だな」
礼子「ボタンが傷つかないよう、合わせた凹みが付いているんですね」
仁「そういうことだな」
仁「で、カシメる」ボタンとしての体裁のある方を使います
礼子「力加減は?」
仁「慣れ……と言ってしまうと身も蓋もないが、強めだな」おっかなびっくりだとカシメ部分が曲がったりします
礼子「思い切りよく、ですね」
仁「そうなるな」かと言って作業台を壊すなよ
礼子「……はい」
仁「何だ今の間は」
仁「今度は反対側のカシメだな。Dカンを通すのを忘れないように」こちらは裏側が平らな方です
礼子「忘れたら取り返しがつきませんものね」
仁「カシメ部分をドリルでさらわないとバラせないからな」
仁「カシメ終了」叩く部分は写真に撮りませんでした
礼子「見栄えがしませんからね」
仁「ただ、こちらは革が2枚重ねになる分、強くカシメる必要があるかもです」力が弱いとカシメが抜けます
仁「で、完成だ」
礼子「使う予定はあるんでんすか?」
仁「作者さんはこの冬に車を乗り換える予定らしいから」
礼子「ああ、なるほど」
仁「車のナンバーを革に刻印するのもいいかもな」
礼子「革に圧力を加えると凹んだままになるので、専用の数字のスタンプで軽く叩くと跡が残ります」
仁「真鍮や銅版をエッチングしてもいいな」廃液の処理には要注意です
礼子「いろいろ工夫できますね」
仁「比較的お手軽なので、幾つか作ってみるのもいいかもです」気分によって使い分け
* * *
仁「今回は『革製キーホルダー』でした」
礼子「お疲れ様でした」
仁「そうそう、革なので水濡れにはご注意ください」
礼子「ゴワゴワになりますね」
仁「それと、加工時の怪我にはご注意ください」
礼子「刃物による怪我や、金槌で手を叩いたりしないようお気をつけくださいね」
仁「趣味は安全に、楽しくやりましょう」
仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」
ごらんいただきありがとうございました。




