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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
56/73

041-2 CTX−5 その2

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第41弾その2です」

礼子「今回も模型自動車ですね」

仁「前回の続きだな」

礼子「前回はユニットを仮配置するところまででしたね」

仁「うん。今回は完成させたいな」




挿絵(By みてみん)


仁「まずはシャーシの素材だ」

礼子「おなじみ、MDFですね」

仁「ダイ◯ーで手に入った2.5ミリ厚だ」6ミリだと厚すぎる

礼子「写真に写っているように、190ミリの95ミリですね」

仁「微妙に24分の1にならないんだよな……」




挿絵(By みてみん)


仁「切り取る部分を鉛筆でけがく」0.5ミリのシャーペンです

礼子「やっぱり糸ノコですか?」

仁「うん、カッターだと厳しいな」作者はバンドソーです




挿絵(By みてみん)


仁「切り抜いたシャーシにネジ穴を空け、皿ネジ用の座繰りもした」

礼子「フロント部分の大きめの穴3つはなんですか?」

仁「フロントユニットのネジを回すときにドライバービットを通すための穴だな」これがないと後々面倒です




挿絵(By みてみん)


仁「で、部品やらユニットやらを乗っけてみた」受信機はまだだが

礼子「ちゃんと乗りそうですね」

仁「パワーユニットとステアリングユニットはもうネジ止めできるので固定している」形になってくるとテンション上がるし




挿絵(By みてみん)


仁「では、シャーシの追加工になる。まずは虫ピン」

礼子「は?」

仁「これは、ボディを止めるためのものなんだよ」昔のスロットレーシングカーは虫ピンでボディを止めていたんです

礼子「なるほど……」

仁「外径ミリ、内径1ミリの真鍮パイプだな。虫ピン径は0.8ミリくらいだからこれでいい」

礼子「ゆるいんじゃないですか?」

仁「虫ピンを少し曲げるんだよ」くの字とかジグザグに

礼子「ああ、それでパイプとの摩擦を増やして抜けにくくするんですか」

仁「そうそう」




挿絵(By みてみん)


仁「虫ピンで止める位置を決める」

礼子「ただ接着するのではなく、補助の板も付けるんですね」

仁「うん。だから一緒に印をつける」できるだけ精度を上げるためだな




挿絵(By みてみん)


仁「で、パイプがはまる溝を彫る」

礼子「細い丸棒ヤスリでいいですね」

仁「十分だな」左右同じにしたいので2枚一緒に加工します




挿絵(By みてみん)


仁「そして補強用の板も用意」

礼子「ああ、パイプとパイプの間に貼り付けて、パイプが前後にずれないようにするんですね」

仁「そのとおりだ」




挿絵(By みてみん)


仁「準備は整った」

礼子「なんとなくどうなるかが見えてきました」




挿絵(By みてみん)


仁「接着した」

礼子「車の形になってきましたね」

仁「接着剤は2液性、2分型のエポキシだ」5分型でもいいです




挿絵(By みてみん)


仁「ではステアリング用のサーボの準備だ」

礼子「秋葉原の秋の月的なお店で買ったデジタルサーボですね」SG◯92

仁「まあまあ安かったんだよ」◯の中はハイフンです

礼子「固定用のベースを作るため寸法を測ってます」ピンボケですが




挿絵(By みてみん)


仁「ちょうどはまるようにMDFの板をくり抜く」糸ノコが便利です

礼子「結構細かい加工が残ってますね」

仁「ハンドメイドだからな」4つ角近くにドリルで穴を空けておくと楽です




挿絵(By みてみん)


仁「で、こういう形にサーボホルダーができる」一部過程は飛ばしました

礼子「これも2液性のエポキシですね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、サーボユニットが、こうなる」

礼子「アルミで作ってもいいですね」

仁「もちろんだ。作者もどっちがいいか悩んだようだが、シャーシと材質を合わせて統一感を優先したようだな」




挿絵(By みてみん)


仁「サーボの位置決めだ」

礼子「ハンドメイドなので現場合わせですね」

仁「そういうことだ」

礼子「前後はタイロッドがほぼ真っすぐになるように、左右はステアリングが中立になるように、ですね」

仁「そうなる。まああとから微調整はするんだが」




挿絵(By みてみん)


仁「シャーシに穴追加だ」なのでステアリングユニットを外した

礼子「あらら」せっかく取り付けたのに

仁「こんなことはしょっちゅうだ」ハンドメイドで現物合わせをやっているからな




挿絵(By みてみん)


仁「で、サーボホルダーの方は少しだけ左右に調整できるよう、長穴にする」

礼子「ドリルで2.2ミリに穴を空けたあと、細い丸棒ヤスリで横に穴を広げるんですね」

仁「そのとおり」



挿絵(By みてみん)


仁「で、今度は電源スイッチを取り付けるためのリヤバンパーだ」

礼子「あ、またパワーユニットを取り外すはめに」

仁「言うな」

礼子「スイッチの頭がなるべく出っ張らないようにしているんですね」

仁「うん。たとえばバックして何かにぶつかった時、スイッチの頭というかレバーというか、それが出っ張っていたら壊れるかもしれないしな」

礼子「そういう理由でしたか」




挿絵(By みてみん)


仁「フロントバンパーも取り付ける」というか補強しているわけですね

礼子「これも2液型のエポキシです」




挿絵(By みてみん)


仁「今度こそ組み立てだ」長かった

礼子「受信機はフロントバンパーのすぐ後ろですね」

仁「うん。できるだけノイズ源……ここではモーターとサーボ……から離したかったんだ」

礼子「固定はスポンジ的な両面テープですね」衝撃を緩和してくれます




挿絵(By みてみん)


仁「別角度からだな」あまり変わってないけど

礼子「ようやく完成ですね」あとはボディだけ

仁「うん。とはいえ、ボディはなくても走るからな」




挿絵(By みてみん)


仁「一応走らせた様子だ」

礼子「暗いし小さいし……」

仁「みてみんは3MByteまでしかアップできないのでしかたない」ご容赦ください

礼子「練習用なので速度は出ませんね」

仁「そういうこと。これはこれで楽しいけどな」小回りがきくから




*   *   *


仁「2回にわたった『CTX−5』も終わり」

礼子「あれ?ボディは?」

仁「ぜんぜんやってない」このままで走るから

礼子「…………」

仁「ごほん。……くれぐれも刃物、工具、金属板、切粉きりこなどによる怪我にはご注意ください」


仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。


 20240701 修正

(誤)仁「みてみんは3Gまでしかアップできないのでしかたない」

(正)仁「みてみんは3MByteまでしかアップできないのでしかたない」

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― 新着の感想 ―
[一言] 走ってる! 中身丸見えのままなのに(笑) スゴいです♪ 今回も素敵な工作物魅せていただきありがとうございます!
[良い点] 竹の物差しがかわいい
[一言] >>微妙に24分の1にならない 模型あるある 同じスケールで出されたキットが、メーカー違うとサイズが違うってね >>止める位置を決める とんでもないほど懐かしい定規が・・・・・・ 実家には…
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