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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
46/73

033-2 BTXー003 その2

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第33弾その2です」

礼子「今回は前回の続きですね」

仁「そう。……で、まだ完成まで持っていけなかった」

礼子「次回、完成ですね」

仁「その予定だ」




挿絵(By みてみん)


仁「まずはモーターを取り付けるためのモーターマウントだ」

礼子「図面ですね」

仁「0.8から1ミリ厚のアルミで作る」純アルミでも5052でもOKです

礼子「小さいですからね」大きな力は掛からないと思います




挿絵(By みてみん)


仁「で、これがモーターと素材だな」

礼子「キャラメルモーター、でしたっけ」

仁「そうそう」四角いからな




挿絵(By みてみん)


仁「で、けがく」超硬チップの付いたけがき針です

礼子「アルミ板が動かないよう、マスキングテープで止めているんですね」

仁「そうそう」こうするとより安心してけがけます




挿絵(By みてみん)


仁「で、切り出して穴を空け、折り曲げてモーターを取り付けた」すみません、途中過程は写真に撮り忘れてました(作者が)

礼子「きっちり嵌ってますね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、モーターにノイズキラーコンデンサをはんだ付けする」0.1マイクロファラドの積層セラミックコンデンサです

礼子「ブラシモーターは動作時に電波ノイズを発生させるからですね」受信機が誤動作しないように

仁「そうそう。プラス極とマイナス極間に1つ、プラス極とモーターケースに1つ、マイナス極とモーターケースに1つ」計3つです

礼子「同時に、モーターにリード線とコネクタもはんだ付けしています」コネクタはミニコネクタ系です

仁「コネクタはESCモーターコントローラーと合わせてください」




挿絵(By みてみん)


仁「続いて船体のブラッシュアップだ」

礼子「船首をどうにかするんですね?」

仁「うん。今のままだと平らすぎるから、丸みをつけようと思う」

礼子「素材は20ミリ厚のバルサです」




挿絵(By みてみん)


仁「加工の様子だ」左上から右下へ見ていってください

礼子「また左右に分けてますね」

仁「バルサは80ミリ幅で、船は90ミリ幅ということもあるが、こうすると中心線がわかりやすいからな」左右対称に作る一助になる

礼子「削って削って……大変そうですね」

仁「かなり削り屑がでたなあ」サンドペーパーを掛ける時はマスク必須です

礼子「肉抜きもしてますね」

仁「バルサとはいえ重量が増えるからな」

礼子「最終的にはエポキシ系接着剤で接着ですね」

仁「硬化するまでマスキングテープ留めだな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、硬化したら全体にサンドペーパーを掛けて滑らかにする」

礼子「粉を吸いこまないよう注意です」




挿絵(By みてみん)


仁「で、スクリュー軸だ」

礼子「内径4ミリのアルミパイプに2ミリ穴、4ミリ外形フランジ付きの潤滑軸受をはめ込んでますね」中にはグリースを詰めて

仁「スタンチューブというやつだな」

礼子「前回のスクリュー軸は2ミリでしたからね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、スクリュー軸の位置を決める」

礼子「底から出すんですね」

仁「そういうことになる」




挿絵(By みてみん)


仁「キリで穴を空けてから丸棒ヤスリで穴を広げていく」

礼子「穴を広げすぎないよう注意です」

仁「それから底のバルサは2ミリと薄いので割らないよう気を付けることだな」

礼子「そしてちょっと並べてみています」




挿絵(By みてみん)


仁「で、スタンチューブの作り直しだ」

礼子「どうしたんですか?」

仁「キャラメルモーターはトルク(回転力)が弱いので、試しに回してみたらスタンチューブ内に充填したグリースの粘性で回りが悪かったんだとさ」

礼子「なるほど、それでグリースを詰める部分を短くしたんですね」

仁「その他に、グリースの粘性が低いやつに変えたらしい」涙ぐましい努力だな

礼子「で、全体を透明なABSパイプで覆ったんですね」




挿絵(By みてみん)


仁「気を取り直してラダー穴加工だ」

礼子「バルサですから穴を大きくしすぎないよう注意ですね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、スクリューとラダーの位置関係はこうなる」

礼子「スクリューが後ろに出っ張りすぎますとラダーにぶつかりますからね」

仁「そうそう」




挿絵(By みてみん)


仁「同様に、モーターの位置も確認だ」

礼子「問題なさそうですね」

仁「うん」




挿絵(By みてみん)


仁「電池ボックスも配置してみる」

礼子「結構ギリギリですね」

仁「だな。あと1センチ、船体幅を増やしてもよかったかもな」5ミリでもいい




挿絵(By みてみん)


仁「で、最終的なスクリュー軸だ」

礼子「随分変わりましたね」

仁「電池ボックスを入れようとしたら、ABSのパイプの径が大きくて入らなかったんだ」ほんの1ミリなんだがな

礼子「ああ、それで途中から細くなっているんですね」

仁「ちょうどいい太さのプラパイプがなかったのでカーボンパイプだ」明らかにオーバースペックですが

礼子「これを付けないと電池ボックスがスクリュー軸に触ってしまいますものね」




挿絵(By みてみん)


仁「次はサーボ受けだ」

礼子「サーボにも取り付け穴は空いていますが?」

仁「あの位置だとサーボを前後させるような調整ができないんだよな」

礼子「1ミリか0.8ミリ厚のアルミアングル10ミリ角ですね」

仁「穴を空けてから棒ヤスリで長穴にする」地味に面倒だな




挿絵(By みてみん)


仁「で、両面テープを使ってサーボ側面に貼り付ける」

礼子「テープでいいんですか?」

仁「十分な強度があるからな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、船内の配置だ」

礼子「その都度確認ですね」

仁「設計図が適当だから、こうしないと部品同士が干渉しあうことがあるからな」そうしたらもう組めなくなるし




挿絵(By みてみん)


仁「配置に問題はなさそうなので、サーボを取り付けるための台を作る」

礼子「10ミリ厚のバルサですね」




挿絵(By みてみん)


仁「ついでに船体を補強する」

礼子「補強ですか?」

仁「ああ。今のままだとねじれにちょっと弱そうなんでな」

礼子「それで側面に補強を?」

仁「あと胴体中程に隔壁をな」




挿絵(By みてみん)


仁「隔壁はこう」

礼子「穴が空いているので隔壁とはいえないのでは?」

仁「だな」穴はスクリュー軸を通したり、電池ボックスからのリード線、それにサーボの線を通すためです

礼子「上の切込みは側板への補強を避けるためです」




挿絵(By みてみん)


仁「まず隔壁、そのあと側板への補強を入れます」

礼子「接着剤はエポキシですね?」

仁「5分タイプの2液硬化型だったかな」




挿絵(By みてみん)


仁「モーターとスクリューなどの位置を確認だ」モーター台も入れてあります。モーター軸とスクリュー軸がほぼ一直線になるようにしました

礼子「ワンオフなのでその都度確認作業は不可欠ですね」

仁「そうなんだよな」

礼子「これで船体は完成ですか?」

仁「うん。いよいよ塗装だな」

礼子「次回ですね」



*   *   *


仁「というわけで、今回は『BTXー003』その2でした」

礼子「加工の際はくれぐれも怪我にはご注意くださいね」


仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。


 20230821 修正

(誤)受信機がご動作しないように

(正)受信機が誤動作しないように

(誤)礼子「粉を吸いこないよう注意です」

(正)礼子「粉を吸いこまないよう注意です」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 掲載されている写真の『キャラメルモーター』は内部機構がむき出しだから、内部にゴミが詰まって故障しそうで心配になりますね、普通のモーターのように外装を付けたら良いのに…… [一言] 船首…
[一言] >>まだ完成まで持っていけなかった 『また』ではないかな?かな? >>アルミで作る いっその事3Dプリンタを導入して・・・・ >>船首をどうにか ラムを取り付けるのか・・・ >>底から…
[良い点] スクリューシャフトはむづかしい グランドパッキンってわけも行かないし ユニット型の水中モーターって偉大だ
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