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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
35/73

024-2 回り灯籠 弐(完成)

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第24弾その2です。

礼子「回り灯籠の続きですね」

仁「そう。今回で完成まで持っていきたいな」夏も終わったし




挿絵(By みてみん)


仁「まずは外枠の補強を行う」大きさは外枠の中にちょうど収まる大きさです

礼子「これは上ですね」

仁「そうだ。ボール紙だから折り曲げて強度を出す」

礼子「内側の切り欠きみたいなのはなんですか?」

仁「あとでわかるが、内筒をぶら下げる桁を置くための場所だ」




挿絵(By みてみん)


仁「その補強の完成型だ」これで結構丈夫です

礼子「折り曲げると紙って丈夫になりますからね」

仁「そうだな」新聞紙を42回折ると(折れれば)月に届くというし

礼子「さすがにわたくしにも無理ですね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、下側のフレームだ」

礼子「大きな穴を空けてますが」

仁「内筒を回す空気の流れが必要だからな」仮にロウソクだとしても必要になる

礼子「ここにさらに補強を入れるんですね」

仁「うん。モーターやら電池やらを組み込むからな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、補強を入れて完成だ」

礼子「これは接着剤ですね」

仁「うん」両面テープでも大丈夫だと思う




挿絵(By みてみん)


仁「で、補強を外枠に貼っていく」これは両面テープを使ったけど接着剤でも大丈夫です

礼子「補強材は扉になっている部分から見て左右に伸びる形です」




挿絵(By みてみん)


仁「で、内筒を支える桁を作る」

礼子「形状は単純ですね」

仁「うん。ただ、中心に小さな穴を空けておく必要があるので対角線を引いてみた」

礼子「長方形の対角線は中心で交わりますからね」

仁「そういうことだな」




挿絵(By みてみん)


仁「補強は両面テープで貼った」

礼子「お手軽ですね」

仁「で、外枠の様子だ」扉部分は取り付けていないから中がよく見えます

礼子「しっかりしましたね」補強の効果ですね




挿絵(By みてみん)


仁「次はいよいよ回転機構ということで素材だ」

礼子「針金ですね」100均で買ったアルミの針金だそうです

仁「曲げやすいし切りやすい」でも手に刺したりしないよう気を付けてください




挿絵(By みてみん)


仁「もう1つ、モーターベースを作る」これもボール紙です

礼子「力が掛かるわけではないですしね」

仁「そうそう」これは接着剤で貼りました

礼子「ちなみに使用するのはFA130系モーターです」

仁「ミ◎四駆のノーマルモーターで十分だな」




挿絵(By みてみん)


仁「作者もいい名称が思いつかなかったようだが……『支えやぐら』と呼ぶ部材を作る」

礼子「ボール紙を長方形に切った部材に針金をエポキシ系接着剤で固定ですね」

仁「うん。2本の針金はクロス『X』じゃなく、くの字に曲げた部分を真ん中で突き合わせている」こんな『><』感じ




挿絵(By みてみん)


仁「次はファンを作る」

礼子「これもボール紙ですか」

仁「ここまできたらとことん……らしい」でもこれで十分実用的だし

礼子「円を8等分してハブになる中央部分を残してカットですね」

仁「できるだけ正確に加工するのがコツだ」

礼子「ポツポツ空いた穴はなんですか?」

仁「カットした際にそれ以上切り込みが入り込まないよう、また破れないようにしている」千枚通しのようなもので穴を空けておきます

礼子「中心部はモーター軸に通すので130モーターなら2ミリより少しだけ小さめに、ですね」

仁「で、ちょっとひねってファンらしくして、ラッカーを染み込ませて補強する」プラモ用塗料のクリヤーでもいいです

礼子「水性より溶剤系がいいようです」換気にはご注意くださいね




挿絵(By みてみん)


仁「で、明かりのユニットだ」ソケットと電球はホームセンターです

礼子「LEDでもいいですよね?」

仁「いいけど、ロウソクの代わりとするには色が今ひとつ人工的なんだよなあ」

礼子「白熱電球の柔らかさが足りないんですね」

仁「うん……そのへんはお好みで」

礼子「で、先程の『支えやぐら』と一緒にコの字に折ったボール紙の部材に接着します」

仁「ボール紙の部材は三角補強(トラス構造といいます)をして丈夫にするんだ」

礼子「確かにぐらつきませんね」




挿絵(By みてみん)


仁「で、配線だ」写真は電池ボックスが1本用ですが実際には2本用になりました

礼子「電池は単4です」

仁「スイッチも付けておきます」単純にモーターと電球を並列に電池につなぐだけですので配線図は割愛します




挿絵(By みてみん)


仁「中身が完成した」

礼子「こうなるんですね」

仁「ファンが風を送るので一番上だな。電球の光をできるだけ遮らないよう、やぐらは針金で作ったわけだ」

礼子「ちゃんと理由があるんですね」

仁「で、こっちはちゃんと電池は2本使っているわけだ」1本だと電球が暗すぎたのです




挿絵(By みてみん)


仁「で、組み付けるとこうなる」

礼子「メカメカしいですね」

仁「ほんとにな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、内筒をどうやって支持するかの図だ」

礼子「ビーズは丸釘の太さに合うものをお使いください」なければワッシャ(座金)とか◎ニ4駆のスペーサーでもいいです

仁「要は摩擦抵抗を減らせればいいんだよな」

礼子「釘を横桁から落ちないようにするのはゴム管です」自転車の虫ゴムとか、釣りの浮き留め用のゴムがいいと思います




挿絵(By みてみん)


仁「で、実際に組み付けるとこうなる」

礼子「作者さんが使ったゴム管は以前ボートを作った際にモーターとギヤボックスの軸を繋いだものと同じです」釣り用です

仁「あ、あと、色を合わせるため、外から見えるボール紙の部材には柿渋を塗っているな」水性なので若干反ったりしてしまいました。溶剤系で着色するのがおすすめ




挿絵(By みてみん)


仁「で、組み付けて扉も差し込んだ完成形がこうなる」

礼子「回り灯籠ですね〜」




挿絵(By みてみん)


仁「で、GIF画像だ」

礼子「回ってますね」

仁「ちょっと回転が速い気もするな」そういう場合はファンの外形を小さくするかひねり角を小さくするといいです


礼子「お盆の提灯や灯籠も回転するものがありますね」

仁「そうだな。あれは白熱灯の熱による上昇気流を利用しているから構造が簡単だけど熱くなるから危ないんだよな」自作で火災を起こすというのは笑えない

礼子「ですね……」




仁「というわけで、今回は『回り灯籠 弐』でした」

礼子「くれぐれも工具で怪我などなさらないようお気をつけくださいね」


仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 電球の方がほのかな灯りで良いですね。 ロウソクとか大きめの白熱球の熱で回転するタイプは危ないので、安全な設計なのですね。 仁「作り方を解説して責任問題になったらたまらん。」 礼「そう言う時…
[一言] >>折り曲げて強度を出す 鋼材でもパイプやL/H型とか >>モーターやら電池やら だよね~ >>アルミの針金 ペンチもセットで買えたりする >>クロス『X』じゃなく 重ねると長さの微調…
[良い点] ろうそくとか白熱電球の上昇気流じゃないのね ひのよーじ
感想一覧
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