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蓬莱島の工作箱  作者: 秋ぎつね
25/73

020-1 箱 その1

仁「こんにちは、魔法工学師マギクラフト・マイスターの二堂仁です」

礼子「お父さまに作っていただいた自動人形(オートマタ)でアシスタントの礼子です」


仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第20弾です」

礼子「だいぶ続きましたね」

仁「だな。これも見てくださっている方々のおかげだな」


礼子「今回は箱ですか」

仁「うん。大きさは名刺入れとした。別に名刺じゃなくても、小物入れに使ってかまわない」

礼子「全2回ですね」

仁「思ったより長くなったからな。今回は本体の組み立てまでだ」

礼子「ではお願いします」





挿絵(By みてみん)


仁「まずは材料だな」

礼子「いつものMDFですね」ミドル デンシティ ファイバーボード の略です

仁「安いし、そこそこ平面が出ているからな。それに塗料や接着剤の喰い付きがいいんだ」剥がれにくいわけだな




挿絵(By みてみん)


仁「で、カットした。幅は30ミリだな」尺寸でいうと1寸

礼子「一緒に写っているのは治具ですか?」

仁「そう。大きさを揃えるためのものだな」これは厚さ6ミリのMDF用だ

礼子「そんなにたくさん作る予定なんですか?」

仁「作者はもう10個以上作っているらしいぞ」人にあげたりな




挿絵(By みてみん)


仁「で、治具に合わせて大きさを揃える」

礼子「小さいカンナですね」

仁「作者の愛用品だな」浅草の水平なお店で昔買った30ミリ(1寸)の小鉋だ

礼子「直角に削る治具を使っていますね」

仁「うん」そのうちに治具特集なんてのもいいかもな




挿絵(By みてみん)


仁「で、接着するんだが、それにもこうした治具を使う」

礼子「直角に接着できないと箱が歪みますからね」

仁「そういうことだな。これは100ミリ角のMDF(出来合い)を使ったから、外側の角はそこそこ直角が出ているんだ」

礼子「なるほど」

仁「洗濯ばさみも100均だな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、接着だ」書いてないけどよく使っている2分型のエポキシです

礼子「硬化時間がちょうどいいですね」

仁「3分だともっといいんだがな」

礼子「で、治具で直角に固定しておくんですね」

仁「そう。2分型だが5分はおきたいな」




挿絵(By みてみん)


仁「で、こうなる」

礼子「これで、残りを接着すれば長方形というか直方体になるんですか?」

仁「なる。対辺の長さが同じで、対角が直角だからな」そんな定理があったと思う

礼子「中学くらいの数学ですね」幾何学でしたっけ




挿絵(By みてみん)


仁「で、接着だ」

礼子「輪ゴムで押さえているんですね」

仁「そう。結構重宝するぞ」何本も重ねると締め付け力も馬鹿にできない




挿絵(By みてみん)


仁「接着剤が固まったら、底板の準備だ」115ミリの76ミリ

礼子「箱の大きさよりほんの少し大きいですね?」

仁「うん。ぴったりにしようとすると、微妙に小さくなったりするんだよな」そうなると段差を消すのに苦労する

礼子「それで大きめに作っておき、後で削るんですね」

仁「そういうこと」




挿絵(By みてみん)


仁「底を付けた」

礼子「これもエポキシですね」

仁「基本的に全部な」

礼子「確かに、ほんの少し底が大きいみたいです」




挿絵(By みてみん)


仁「さて、蓋の準備だ」

礼子「実際には、底を接着して硬化させている間に準備すればいいですね」時間は有効に

仁「そうだな。これは『乗せ蓋段付き』という形式だな」部品点数が比較的少ないので作りやすい

礼子「きっちり被せる形式ですと、大きさの管理が大変ですものね」

仁「そうだな。緩いとガタガタするし、きついと被せられないし」

礼子「大きさはどうなっていますか?」

仁「大きさは底板より一回り大きい116ミリの78ミリ」乗せ蓋なので少し大きほうが掴みやすいんだ

礼子「厚みは2.5ミリですね」ハ○ズで買ったものですか

仁「で、段差部分は箱の内寸より少し小さくしておく」あとで布を貼るからな

礼子「99ミリと62ミリくらいですね」気持ち小さめに削っておくといいようです

仁「あ、この時点では貼っていないから注意な」乗せているだけです




挿絵(By みてみん)


仁「で、接着剤が固まったら、本体のはみ出しチェックだ」

礼子「確かに少しだけはみ出てますね」




挿絵(By みてみん)


仁「はみ出した分を削る」

礼子「作者はベルトサンダーでやってますね」マスクをしないと粉を吸い込みますから注意です

仁「それと機械でやる時には削り過ぎに注意だな」削り過ぎたらもうたいへん

礼子「機械がない場合はどうすれば?」

仁「うん。サンドペーパーを平らな板の上に置いて、箱本体の方を動かして削るといい」

礼子「サンドペーパーを動かしては駄目ですか?」

仁「多分平面が出ないぞ」




挿絵(By みてみん)


仁「研削後だ」

礼子「平らになっているようですね」

仁「同面どうつらって言ったりもするな」

礼子「アップで見ると表面が荒れていますね」

仁「うん。だから塗装をするわけだ」




挿絵(By みてみん)


仁「で、ちょっと追加工」

礼子「指掛け、っていうんでしたっけ」

仁「いろいろ言い方はあるようだが俺は指掛けって言ってるな」

礼子「最初にやらない理由は?」

仁「やっぱり真ん中に付けたいからな」だから型紙まで用意してある

礼子「細い小刀ですね」

仁「り小刀って言ってな」小さな曲面を削るのに使うんだ




挿絵(By みてみん)


仁「で、本体の完成だ」

礼子「渋いですね」




挿絵(By みてみん)


仁「蓋も載せてみた」蓋は45度で面取りしてある

礼子「完成が楽しみですね」

仁「それは次回な」




*   *   *


仁「というわけで、箱作りの1回目でした」

礼子「刃物の取り扱いには十分注意してくださいね」


仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」

 ごらんいただきありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 平面出すのにベルトサンダーあると便利ですね。 削れすぎることがよくありますがw 仁「蛇の人は集塵機のスイッチを入れ忘れて削った粉まみれになっていたw懐かしの運動会の飴食い競争みたいだw」 …
[一言] >>箱 56「・・・・×?」 明「そんなの作るくらいならゲーミングPC発注だろう」 仁「向こうじゃプレイ出来ないんだが・・・」 >>1寸 寸「1%強は誤差にして良いのだろうか」 56「F1…
[一言] こう、慣れた人の見るとお手軽なのかそうじゃないのか分からなくなってくる……治具とか丁度よい硬化具合とか、持ってそうでいやご家庭に無いっすな道具とか……やってみたいけど意外にハードルがある!
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