018 パン切り治具
仁「こんにちは、魔法工学師の二堂仁です」
礼子「お父さまに作っていただいた自動人形でアシスタントの礼子です」
仁「作者が実際に作ったあれやこれやを、俺の解説で紹介するっていう企画の第18弾です」
礼子「今回は……なんですか?」
仁「パン切り治具だな」
礼子「ああ、やわらかいパンを真っ直ぐ切るためのものですね」
仁「そう。作者が実家に帰った時に相談されたそうだ」
礼子「買ってくるんじゃなくて作ってしまうあたりが作者さんらしいですね」
仁「まあな」今どき100均でも売っているらしいからな
仁「まずは素材だ」
礼子「桐の集成材とホオノキの加工材ですね」キリは厚さ12から15ミリくらい
仁「うん。どちらもホームセンターで手に入る」ハ○ズでも
礼子「ホオノキは45ミリ幅ですね?」厚みは8ミリくらいがいいです
仁「そう。あとでわかるが、平行移動させるためにできるだけ正確な方がいいからな」自分で加工する必要がない方が楽だ
仁「カットした。キリは幅180ミリ、高さ200ミリ。ホオノキは幅はそのままで長さ150から180ミリ」パンに合わせてください
礼子「ホオノキの方は上でもうカットされてましたよね?」
仁「言うな」写真を取るタイミングを外したらしい
礼子「ちゃんと角も丸めてますね」
仁「使う人のこと考えましょう」
仁「接着の準備だ」ホオノキの角には軽くサンドペーパーを掛けてからがいいです
礼子「ああ、パンの幅に合わせてスライドできるようにするんですね?」
仁「そう。だから、ズレないようマスキングテープのような接着力弱めのテープで仮止めしておく」
礼子「直角も大事ですね」
仁「うん。だからスコヤ(直角定規)を当てて慎重にな」
仁「接着だ」エポキシを使った
礼子「これも、ホオノキの部材とキリの部材が垂直に固定されるようにするんですね」
仁「うん。キリの板をカットする際、切り口が垂直になるようにしておけばかなり楽だ」
礼子「難しいと思いますが……」
仁「テーブルソー(据え置き型の丸のこ)や鉋掛け治具を使えば可能だ」
礼子「テーブルソーはともかく治具ですか?」
仁「いつか紹介したいな」番外編みたいなところで
礼子「買ってきたときには、切り口はかなり正確に直角が出ていますから、そこを接着面に利用すればいいと思いますよ」
仁「ちょっとしたコツだな」というかそれ、俺のセリフ
礼子「なかなか趣のある当て木ですね……」
仁「片っぽは廃材っぽいな」
仁「接着剤が固まれば組み立て完了だ」
礼子「もう使えますね」
仁「うん。でももう一手間ほしいな」
礼子「塗装ですね」
仁「汚れが付きにくくなるし、軽い水拭きくらいならできるようになるしな」
仁「塗装だ」
礼子「作者さんお得意の一液性ウレタン塗料ですね」
仁「食品衛生法に適合しているからな」要するに食器に使える塗料だということだ
礼子「木固めエ○スでしたっけ」
仁「そう。今はネオとかエコとかになっているらしい」ただシンナー臭がするので塗る際は換気に気を付けてください
礼子「それから使う際は完全に臭いが抜けてからにしてくださいね」
仁「臭いが気になる人は水性の一液性ウレタン塗料もある」こっちも食器に使える
礼子「ただし塗膜が(塗料の膜)が木固めより厚いのでスライド部分に塗るときは要注意です」仕上げによーくサンドペーパーを掛けてください
仁「それな。で、サンドペーパーを掛けたら、よく粉を払って、軽く水拭きしてから使ってほしい」
仁「で、使ってもらいました」
礼子「こう使うんですね」
仁「製品として売っているものは包丁を通す溝があって、そこに包丁を入れると真っ直ぐ切れる、というものが多いな」
礼子「パンの厚さも調整できるみたいですしね」
仁「これは治具の側面に沿って包丁を下ろさなければならないからちょっとだけコツがいるかも」
礼子「でも厚みを自由に設定できるのはいいですね」
仁「それからパンの大きさを問わないしな」
* * *
仁「というわけで、今回は『パン切り治具』でした
仁・礼子「「それでは皆様、ごきげんよう」」
ごらんいただきありがとうございました。
20210928 修正
(誤)俺の解説で紹介するっていう企画の第*弾です」
(正)俺の解説で紹介するっていう企画の第18弾です」




