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第5話 じゃあ、ダンジョンに行こうか

「いてっ。しかしですね……」

「わかったよ。じゃあ、アオヤ。一つだけ試験だ。もし、俺が命令したら、戻って来るまで何があってもこの場から一歩も動かないって約束できるか?」

「いえ、出来ません。もし魔物がこの町を襲ったら、立ち上がって戦います」



 なんて、やはり気の抜けたような顔で答える彼。しかし、何故かそれが、嘘には聞こえなかった。



「だってよ、キータ。俺、アオヤの事を仲間にしたいと思ってるぜ」



 ……その時、思い出した。

 これだ。俺は、彼のこの言葉を聞いたから、こんな辛い職場でも働けているんだ。どんな辛い日でも、その夜には笑って励ましてくれるから、こうして働いているんだ。



「お前らの事は、俺が死なせねえよ。だから、世界、俺らで救おうぜ」

「……分かりました。ようこそ、アオヤ君。一緒に、乾杯の酒飲もう」

「いいんすか?僕、まだ18ですけど」



 なんで、こういうところは常識的なんだろうか。



「いいんだよ。勇者パーティは16から成人扱いだ」

「それは嘘だけど、まぁキミの分は俺が奢るよ」

「マジっすか?やったね。じゃあこれ貰っちゃいますよ」



 言って、彼は何故かシロウさんの隣に座ると、ふんぞり返って今しがた届いたビアに口を付けたのだった。

 ……まぁ、いくらシロウさんに憧れたからと言って、そんなとこまで真似しなくていいんだけどね。



 × × ×



 アオヤ君が仲間になってから一週間後、俺たちは資金集めを目的にギルドで仕事を受けて、近くにあった魔物の住むダンジョンへと来ていた。デビルカチョーを倒したからと言って、ここら一体の魔物が全ていなくなるわけではないようだ。



「アオヤ、お前は槍でいいんだな?」

「はい。なんか、ランサーってかっこいいじゃないすか。これ、なんか必殺技とか出せないんですか?」

「いやいや、創作の世界じゃないんだから、そんなことは……」

「あるぞ」



 えっ。初耳なんですけど。



「俺はそこまでの才能が無くて使えねえんだけどな。どうやら、宝具には真の力を引き出すと使えるようになる、スキルとは別枠の力『奥義』が3つ備わっているみたいなんだ。王様から聞いてなかったのか?」

「すいません、ちょっと聞いてなかったです」

「そうか。因みに、クロウがカチョー滅ぼしたのはその奥義だったぞ」

「……あんた、間違いなく俺とシャイン食い止めてましたよね?何で知ってるんですか?」



 と言うか、なんであいつは当たり前のようにそれ使いこなしてんの?



「振り返ったら、たまたまな。そう言う事だから、ひょっとするとアオヤも奥義使えるようになるかもな」



 そして、どうしてそれをシロウさんに報告していないの?



「へ~。なんか、楽しみだな~」

「……アオヤ君、結構いい性格してるね」

「そうっすか?ありがとうございます~」



 そんな会話をしながら、俺たちはダンジョンの最深部へとたどり着いていた。仕事の依頼は、「最深部にある月光草を入手せよ」というモノだったからだ。



「じゃあ、僕ちょうどよかったっすね。冒険者の最初の仕事って、薬草採取なんですよね」



 それは、森に生えてるヤツとかね。



「しかし、アオヤは結構筋がいいな。お前、タンクとアタッカーどっちがいいよ」

「う~ん。アタッカーってキル取れなかった全部僕のせいになって荷が重いし、タンクにしようかな~」

「なら、お前はタンクだ。動きは帰ったらきっちり教えるから、次に魔物湧いてきたらちょっと前衛やってみ」

「了解です。なんか、楽し~」



 間の抜けたやる気のない子なのかと思ってたけど、どうやらそれは的外れな見解だったようだ。アオヤ君は、大物なのだ。



「俺がバックアップするから、頑張って行こう……ん?」



 話しながら、奥の暗闇の中で一瞬炎が散ったのが見えた。



「どうした、キータ。何か見えたか?」

「えぇ。何やら、この奥で冒険者が魔物と戦闘を行っているようです。小さな女の子のようですが……」



 目を凝らして、よく見てみる。すると、そこには巨大な悪魔とタイマンで戦う、一人の少女の姿が見えた。



「ま、マズいですよ、シロウさん!あの女の子、一人です!」

「マジかよ、助けてやんねえとな」



 言って、シロウさんは素早く俺に後衛を任せて、アオヤ君の手を掴むと戦いの現場へと駆けて行った。



「気を付けてください!あれ、恐らくカカリチョーですよ!」

「あいよ」



 ダンジョンには、基本的にはシュニンというフロアマスターがいるのだが、稀にあのカカリチョーと呼ばれるクラスの上級の悪魔が居る事がある。



「キェエェェェェェエエ!!」

「マズイ、カカリチョーが咆哮を……えっ?」



 妙だ。吼えた後見えたのは、スキル『ウェルフレア』の炎だ。つまり、今の声はカカリチョーじゃなくて。



「死ね!このドグサレ悪魔がぁぁぁぁぁああ!!」

「……なんだ、あの子」



 追いついた俺の目に映ったのは、カカリチョーの口の中に魔法の杖を突っ込み、体内に向けてスキルを詠唱する、白い魔術装束を見にまとった、ピンク色の髪をした小柄な悪魔だった。

「面白かった!」


「この後どうなるんだ?」


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