#ロクでなし配信少女と禁忌教典
「たでぇまー」
仕事が終わり、家に帰る俺。
「あ、おかえりなさい、兄者くん」
エプロン姿で出迎えたのは吹雪菫。
同棲を始めて、かれこれもう二年になる。
「おう。愚妹は?」
「配信中、だったかな?ご飯は後で食べるって」
「そうか。あれ、ご飯か風呂か聞かないのか?」
「あの時のことは忘れてくれないかな!?」
「まぁ、酒入ってたしな」
「はぅ……」
シャワーの後、部屋着に着替えてキッチンに立つ。
カレーの鍋を見ている菫の横で、俺は軽いサラダを作る。
彼女はいつも断ろうとするのだが、収入格差的に手伝わせて欲しい。
一般会社員より稼ぐんだもんこの人。
愚妹を待たずに夕食を頂く。
手作りの品と正面の彼女。
こうしてテーブルを囲むのにもだいぶ慣れた。
料理もたまにやらかすが、ちゃんと美味い。
一緒に作ることが多くなったからそもそも減ったしな。
食後はゲームよりリビングでくつろぐ時間が増えた。
キッチンで皿を洗っている彼女の背中を見た後、ソファにうなだれる。
皿洗いもするとは言ったんだがな。断られた。
内容が入ってこないテレビに視線を向けながら、ぼーっとしていた。
「なぁ」
「なに?」
「そろそろ結婚するか」
「うん。……え?……え!?へっ!?」
皿の割れる音が鳴り響いた────。
「──っていうのはどうッスかね?」
「頭沸いてんのか」
社会人に夏休みは存在しない。
悲しいけど、現実なのよねこれ。
とはいえ、有給休暇は存在するためトータル5日の短い夏休み(仮)を手に入れた。
我らがホワイト企業に栄光あれ。
ただ、まぁ、そこまでは良かったのだが……。
暦上のド平日にスタジオにいるのは何故だろう。
いつも通り愚妹のせい。
だけでなく、イカれた自称後輩のせいでもある。
【ドッキリ】もしも兄者に彼女ができたら【春風桜、甘鳥椿、兄者】
コメント:これは期待できる
コメント:生で大丈夫なのか?
コメント:ターゲットが気になる。
コメント:恒例の姫謎企画
コメント:かなりまともな部類
コメント:つばきちいるの怖ぇなw
「おはる〜、P.S二期生の春風桜だよ〜」
「ウィッス!同じく三期生、甘鳥椿ッスよ〜。そんでもって、兄者ど〜ん!」
「何でこうなった」
「いいじゃん〜、休みだし〜」
「休みなんだから休ませろよおい」
「まぁまぁ、でもほら、今回はちゃんと企画説明してるッスよ」
「すりゃいいってもんでもねぇだろ」
今回の企画は、タイトル通りのドッキリらしい。
何故か俺が、何故か彼女ができた想定で、何故かP.Sメンバーに通話をかけることになった。
なんでだよ。
というか大丈夫なのか?
素のテンションで電話したら、あっちはVのことを考えずに出るんじゃねぇの。
生放送だから編集もできんし、運営はよくこれOK出したな。
その辺、対策とかは考え……てなさそうなんだよなこいつら。
「つーか、そもそもこの配信見られてたら終わりじゃねぇか」
「多分そこは大丈夫ッスよ。皆さん、今日の10時からコラボの枠とってたんで」
「それ何も大丈夫じゃないだろ」
「いえいえ、配信の準備があるんで多分どうにかなるッスよ」
「邪魔すんなよ準備の」
「ちょっと電話するだけだしいいじゃん〜」
「お前らな……」
コメント:見られてたら詰み
コメント:ドッキリの内容えぐい
コメント:彼女できた報告するの不自然過ぎて草
コメント:ドッキリの手順かなりアバウトw
コメント:これ素のメンバー見られるのでは?
コメント:実名が出かねない
「問題が山積みなんだがこの企画」
「まぁまぁ。じゃあ早速いきましょう!最初は、ヤトっち先輩とかどうッスかね」
「どうって、なに、やんの?マジで?」
「まじで〜やるよ〜」
だから、いつも思うが何故こうなった。
企画立案:愚妹、プロデュース:甘鳥とかいう放送事故の確約。
バカとサイコを合わせてどうすんだよ。
方々に迷惑かける以外の選択肢ないじゃん。
まぁしかし、これに関しては俺の責任もなくはない気がしなくもないと思えなくもない感じがあったりなかったり。
頭のネジが飛びかけてる後輩(仮)に、そのネジ外してけよと言ったのは一応俺だ。
好き放題してもいいんじゃねと言った手前、否定もしにくい。
「はぁ……今回だけだからな」
「いえ〜い!」
「イエーイ!」
LIME
俺『今から通話できるか?』
夜斗『おう!』
コメント:ドッキリ開始
コメント:これは期待できる
コメント:夜斗キレたり
コメント:どうなるか想像つかんな
「よう」
『おう兄者!なんかゲームするか?』
「いや、別件だな」
『別件?なんだよ』
「というか、まぁ、重大発表みたいなのがあってよ」
『どうした。ついにデビューか?』
「死ね」
『なぜに!?』
「まぁ、発表ってのはだな。……彼女できた」
『……まじ?』
「おう」
『兄者に?』
「おう」
『……えっと、それは、良かったことだよな』
「まぁな」
『じゃあ、よかったな兄者!』
「おう。いや、なんかねぇの」
『何かって。まぁ?重大発表って言われてたから身構えたとこはあるけど、そんなにって感じじゃねぇか』
「あー、そうか。ああ、それでな、今後俺配信に出れんわ」
『へ?……あれか、彼女がやめろって言ったってことか?』
「ああ」
『マジかよ。なんか、束縛厳しい子なのか』
「そんなにだと思うぞ。常識の範疇というか、スケジュール的にというか」
『あー、なるほどなー。なんだよー、もうオレとゲームしねぇってか?』
「プライベートで暇な時ならできるだろ」
『そうか。いやしかし、兄者に彼女か……。まぁ?兄者モテそうだもんな!』
「お前よりはな」
『いきなりマウントとってくんな!?』
コメント:夜斗やさしい
コメント:魔王?
コメント:ただの良い奴
コメント:ドッキリの内容変わってね?
コメント:彼女できたより兄者引退の方が大事な件w
コメント:そりゃ重大だわ
「だからまぁ、引退じゃねぇけど見納め配信みたいなのをしてるんだわ」
『なるほどな。これ、スミレ達にも言うのか?』
「後でな。ああ、それともう一個あるんだけどな」
『おう、何だ?』
「これ嘘」
『ふむ?』
「待て、代わる」
『へ?』
「「ドッキリ大成功〜!!!」」
『耳がぁっ!!!』
コメント:夜斗の耳が死んだ
コメント:この人でなし!
コメント:草
コメント:なんの報復だよw
コメント:ドッキリよりダメージくらってるやん
コメント:夜斗が何したってんだよ
「はいはい、ヤトっち先輩、甘鳥ッスよ〜」
『……お、おう……鼓膜イカれるとこだったわ』
「夜斗くん夜斗くん、ビックリした〜?」
『あー、お前らの声にもな』
「何かしょっぱいリアクションッスね〜」
『何で責められてんだオレ!?』
「あ、じゃあ、はい。お疲れ様ッしたー」
……切りやがったぞこのアマ。
夜斗だし別にいいけど、先輩に対する基本姿勢が失礼通り越してねぇか。
これも俺のせいとかじゃないよな。
いや、まぁ、あれだ。
遅かれ早かれこうなってたんだろう。多分。
「ってことで、ヤトっち先輩でした」
「次はね〜、パイセンとかかな〜」
「もう少しなんかリアクションしてやれよ」
「あ〜、ん〜、なんか信じちゃってるのウケる〜」
「それは俺に彼女ができること自体がおかしいって言いたいわけだよし表に出ろ」
「だって兄者、モテないじゃん」
「そうッスか?結構女たらしみたいなとこあるッスよ〜」
「なんで普通って評価がねぇんだよ。0と100以外の数字を覚えろ」
コメント:嫁にいくのか
コメント:パイセンの反応期待大
コメント:配信引退の方が肝
コメント:デビュー前から引退ドッキリするの草
コメント:趣旨変わっとるw
その辺はあれだ、通話の理由付けみたいなとこだし。
普通に考えて、彼女できましたの報告するのがまず意味わからんからな。
しかも配信環境で。
まぁ普段からこっちの名前で呼び合ってるところあるし大丈夫だろ。
流石にやばい時は俺が止める必要はあるが。
……なんで頭のおかしい奴らの尻拭いを俺がしてんの。
運営さん働いてよ。
ボツだろ常考。
同じように、今度はスミレさんに通話をかける。
『兄者くん!?』
「え、なに、なんで叫ぶ」
『何かあったの!?』
「なんでそんな緊迫してるんですか」
『だって、兄者くんから通話なんて初めてだから』
「まぁそうですね。ちょっと報告みたいなのがありまして」
『報告?』
「彼女ができました」
『え……?あ、うん、おめでとう……』
「あぁ、はい、ありがとうございます」
『えっと、そっか、うん、兄者くん、いい人、だもんね』
「なんで急にコミュ障発動してんのこの人」
『その、こういう時、なんて言ったらいいかわからなくて……』
「笑えばいいと思うよ」
『誰っ!?』
「ああ、スルーしてくれていいです」
コメント:シンジくん出て来たw
コメント:声真似うま
コメント:女性声優までできんのやばいw
コメント:パイセンの綾〇ムーブ最高かよ
コメント:これは夫婦
コメント:浮気告白で草
コメント:浮気だぞパイセン
コメント:嫁に彼女紹介
コメント:修羅場過ぎるw
愚妹と甘鳥は口押さえながら笑いを堪えてる。
何がおもしれぇんだこれ。
つかおもしれぇのかこれ。
「それでですね」
『うん』
「これから配信出れなくなります」
『あ……うん、そっか。あれかな、彼女さんが嫉妬しちゃうからとか?』
「そんな感じなんですかね。知らんけど」
『そうなんだ。あ、それだと、これからはお話しにくくなるね』
「まぁ、そうですね」
『今日は、配信するのかな?』
「するというか、してますね。現時点で」
『あ、え、これ配信入ってるの!?』
「はい」
『はいって……』
「で、なんかあります?」
『あ、ううん、いいよ。多分、さよなら配信とかなんだよね?』
「一応、そんな感じです」
『今日、この後ね、夜斗くんと甘鳥ちゃんと八重ちゃんとねコラボしよって話があって、兄者くんもどうかなって思っただけだから』
「なるほど。まぁ、遠慮しときます」
『うん。……やっぱり、ちょっと寂しいね』
「配信に出ないだけで、通話とかメッセはできますよ」
『ううん。やっぱりね、そういうのはやめた方がいいと思うの。彼女さんも、嫌がると思うし』
「そういうもんですかね」
『そうだよ。私も、ヤキモチ妬いちゃうと思うから』
「そうですか」
『うん。じゃあ、そろそろいいかな?』
「分かりました。じゃ最後に一つ」
『なに?』
「ほれ」
「「ドッキリ大成功〜!!!」」
『……え?』
「パイセン〜、おはる〜、桜だよ〜」
「ツバキッスよ〜」
『え?春ちゃん!?甘鳥ちゃん!?』
「びっくりした〜?これね、ドッキリ〜」
『え、え?嘘、ウソってこと!?どこから!?』
「全部ッスよ〜」
『あ……ごめんね、待ってね、頭が追いついてこないから……』
コメント:これは効く
コメント:兄スミてぇてぇ
コメント:ヤキモチ妬いちゃうパイセンかわええ
コメント:妬いてくれ
コメント:これは雪精も溶ける
コメント:彼女さんにヤキモチ妬いてるな(名推理)
コメント:このドッキリだいぶ悪質だなw
コメント:甘鳥だから
コメント:つばキチガイだから
コメント:サイコ鳥だから
「騙してすみません。全部ウソなんで忘れて下さい」
『はぁ……心臓に悪いよ……』
「本当にすみません。首謀者はあとでシバいとくんで」
「やめろ〜シバくな〜。悪いのつばきちだから〜」
「売った!桜先輩、後輩を売りやがったッスよ!」
『あははは……でも、よかったかな。また兄者くんと配信できるんだよね』
「そうなりますね。今度埋め合わせします」
『じゃあ、晩しゃ──』
「……切ったんッスか!?」
「ああ、つい」
「兄者〜、パイセンに謝りなよ〜」
「どの口が言ってんだああん?」
やべ、無意識にやっちまった。
あっち側にも落ち度あるからいいか。
ドッキリかけた側の対応として明らかにライン超えだけど。
ここまで来ると、残るは八重咲だな。
アイツの場合、嗅ぎつけてこの配信見てる可能性あるんだが。
まぁそこはプロだし、ちゃんと初見リアクションしてくれるだろ。
多分。
「……よう」
『兄者さん!?何かあったんですか!?』
「なぜ叫ぶ」
『だって、兄者さんが通話かけてくるとか、それ自体が異常事態ですし』
「まぁ、確かに初だが」
『あとメッセージの返信も短いですし』
「それは事実だが別にいいだろ」
『それで、何かあったんですか?』
「あー、彼女ができた」
『…………』
「……八重咲?おーい、八重咲ー?」
『……兄者さん、何かあったんですか!?』
「タイムリープしてんだけど」
コメント:草
コメント:受け入れられない現実
コメント:現実逃避w
コメント:時をかける少女
コメント:俺、彼女できたって言ったら笑う?
「まぁ聞け、落ち着いて聞け」
『……兄者さん、わたしはすこぶる冷静ですよ』
「そうは聞こえんが」
『それで、何かあったんですか?』
「彼女ができた」
『あ、すみません、ちょっと音声が。もう一回言ってもらっていいですか?』
「彼女ができ──」
『ああごめんなさい!もう一回お願いします!』
「彼女がで──」
『聞こえないですね!もう一回!!!』
「彼女が──」
『もういい!!!』
「聞こえてんじゃねぇか」
『聞こえてますよ!何回言えば気が済むんですか!』
「いや言わせたのお前」
『え!それで何ですか!彼女ですか!はー、ついに裏切りましたねこのドS大魔王は!』
「何この裏切りよう。流石に想定してなかったわ」
『こっちのセリフですよ!まったく、これだから鈍感系主人公は』
「人を俺TUEEEE系ラノベなろう主人公のテンプレみたいに言うな」
『もういいですよ。分かりましたよ。はいはい、おめでとうございますー』
「えー。このテンションのやつと話したくねぇんだけど」
『いえいえ、話して下さいよ。分かってますよ、彼女自慢がしたいんですよね。どーぞ話して下さいって』
「絡みがうぜぇ」
『それで?どんな彼女さんなんですか?ほら、話振ってあげますから』
「ねぇ、ダルいんだけど。もう既にこっちが切りたいんだけど」
『きっと清楚でポンコツでコミュ障で巨乳で声と顔がいい酒豪なんでしょうねー』
「最後のでほぼ個人特定してんじゃねぇか」
コメント:パイセンか
コメント:その通り
コメント:正式に付き合いました
コメント:もう付き合え
コメント:うざ咲で草
コメント:だる咲w
コメント:うざ咲の絡みマジでだるいw
『違うんですか?じゃあどんな人ですか?』
「どんなってな……」
なんか甘鳥がめっちゃ自分のこと指さしてんだけど。
設定に使えってか。
「まぁ、年下だな」
『へぇ、年下ですか。ロリコンですか』
「犯罪は犯してねぇ。あと、なんだ、好きなことに一生懸命な奴だ」
『はあ。オタクみたいな?』
「まぁ、そんな感じだな。あとは、何を言えばいいんだ?」
『出会いとか』
「人伝というか、愚妹が最初のきっかけか?一応」
『へぇ、まぁ、桜ちゃん交友関係広いですもんね』
「まぁ、な」
『どっちから告ったんですか?』
「あー、向こうからか」
『その子の、どんなところが好きなんですか?』
「んー、なんだろうな、そいつが楽しそうにしてんのは見てて気持ちがいいというか、か」
『へ、へぇ……あの、ちょっと聞きたいんですけど』
「なんだ」
『これわたしもチャンス──』
「まて、なんで甘鳥悶えてんのお前」
『──ほへ?』
「いや、だって、兄者先輩がツバキのことそんな風に……」
「思ってねぇな。これウソだし」
『んん?』
「ツバキのことベタ褒めだったじゃないッスか!」
「ドッキリのネタだろ普通に考えて」
『んんんん!?あの、兄者さん?』
「ああ、八重咲、これドッキリだから」
『……はあああああああああ!?』
コメント:草
コメント:絶叫たすかる
コメント:八重虐たすかる
コメント:八重咲放ったらかしで草
コメント:ネタばらしが雑すぎるw
『はぁ!?どっからですか!?というか何が起きてるんですか!?』
「俺に彼女ができたドッキリとかいう、謎にダメージを負う企画だ」
『明らかに与ダメの方が多いんですよ!』
「ツバキもダメージ食らったんッスよ!」
『なんで逆ギレ!?』
「紅葉ちゃん〜びっくりした〜?」
『桜ちゃん……びっくりというか、何の嫌がらせかと思ったんですけど』
「まぁ、だろうな」
『なんでわたしリア充アピールされてんのか全く分からない……というかこれ配信乗ってます!?』
「おう」
『もう……鬼ですよ悪魔ですよ……わたしが何したって言うんですか……』
「何もしてねぇな。これに限ってはちゃんとこっちが悪い」
『兄者さんが、謝ってます?』
「俺をなんだと思ってんだか」
『鬼畜超ドSサイコDV大魔王です』
「どっかの鳥成分まで取り込んだ覚えはねぇ。俺は魔人か人造人間か」
『ラスボスって意味ではブウですね!』
「主人公の息子でも吸収して最強になってやろうかっての」
『兄者さん、ちゃんと埋め合わせしてもらいますよ』
「わーってる。んじゃそろそろ切るわ」
『絶対ですよー!』
コメント:八重咲ェ
コメント:最後まで八重咲だったな
コメント:つばきちは自業自得
コメント:この企画兄者やるの違和感
コメント:兄者っぽくないのはある
ほんと、やりたくはない。
これでスミレさんと八重咲に借りができたのきちぃ。
つかなんで俺が埋め合わせしなきゃならんのか。
元はと言えばこいつらのせいだってのに。
まぁ、参加してる時点で共犯ではあるが。
「さてと、これで終了でいいか」
「OKッス!兄者先輩、ありがとうございました!」
「ああ。甘鳥は、この後コラボもすんのか」
「コラボというか、感想戦みたいな感じッスね!」
「お前、オフだったらぶん殴られても文句言えねぇぞ」
「先輩方は大抵のことなら許してくれるッスよ〜」
「愚妹、お前はどうすんだ?」
「アタシも出たい〜。出ていいかな〜?」
「マネちゃんに確認取ってみるッス」
「よろしく〜。兄者どうする〜?」
「俺も出るかね」
「お、珍し〜。なんかやる気じゃん〜」
「まぁな。あと甘鳥」
「はいはい、なんッスか?」
「さっき話してた内容、お前のことに関しては本気だぞ」
「え?」
「愛してる」
「ふェあ?」
「実は初めて会った時から、お前に惚れていた」
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
「じゃあな」
「みんなまたね〜」
コメント:!?
コメント:ふぁ!?
コメント:Σ( ˙꒳˙ )!?
コメント:声真似じゃない!?
コメント:ロクでなし!
コメント:兄者ボイス出せ
コメント:兄者の告白ボイスきたこれ
コメント:切り抜け〜
コメント:甘鳥椿の貴重な赤面シーン
スタッフさんがちゃんといいタイミングで切ってくれた。
まぁもちろん、ドッキリ大成功ってやつだ。
あとの枠でちゃんとネタばらしする。
というか配信終了と同時に本人にはした。
少しはやられる側の気持ちが分かったか。
10時、配信開始。
「はいじゃあ、愚妹の黒歴史晒してきまーす」
「兄者!?」
この番組は、実母の提供でお送りします。




