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第79話 「決着!グレートガイ、魂の一撃ッ!」

 前回までのあらすじ! グレートガイと巨大スライムの闘いは最終局面へと突入! じわじわと押されていくグレートガイのために、ラモンは“最後の手段”を発動した! 果たして、ワタルとグレートガイの運命や如何に!











「うおおぉぉッッッッッ!!!!!」


 全身全霊で巨大スライムにぶつかっていくグレートガイッ! 巨大スライムもそれに負けじと押し返してくるッ!


 両者のパワーは完全に拮抗状態ッ!


 このままでは埒が明かないッ!


「くっ、何か手はないのか……ッ!?」


 コックピット内で苦しそうに呻くワタルッ!


 するとその時、ラモンの声がスピーカーから響いたッ!


「おいワタル!」


「なんだッ!」


「ぶっつけ本番だ! “最後の手段”を使うぞ!」


「“最後の手段”……ッ??? 何か新しい武器があるのかッ!!!」


「ずばり、自爆だ!」


「な、何ィーーーッッッ!!!」


 ワタル、驚愕ッ! 圧倒的驚愕ッッ!!


「自爆して、スライムごと殺してしまえば万事解決する!」


 平然とやばいことを言うラモンッ! だがもう迷っている時間はないッッ!!


「よし、じゃあ自爆をしようッ! どうすればいいんだッッ!?」


「コックピット内で四つん這いになって、3回まわった後に「ワン」とほえろ!」


「わかったッ!」


 早速ワタルは、ラモンに言われた通り四つん這いになって、時速200キロのスピードで3回まわった後に


「ワンッッッッッ!!!!!」


と叫んだッッッ!!!


「よし、やったぞッ!」


「え、本当にやったの?」


「はッッ???」


「いやごめん、今のは適当に言った嘘」


「なんだァ? てめェ……」


 ワタル、キレた!!


「実際には、もう自爆シークエンスは発動している! 10秒後には自動で爆発するぞ!」


「それを早く言えよッ! それで、どうやって脱出するんだッ!?」


 焦りながら尋ねるワタルッ!


「ごめん、調整段階の機能だから脱出装置とかはない!」


「ッ????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」


 ラモンの言っている意味がまるで理解できないッ!


「……まあワタルなら自爆しても死なないだろ?」


「俺をなんだと思っているんだッ!」


 いくら世界中の武術をマスターしているワタルとは言え、巨大ロボの自爆に巻き込まれて無事でいられるはずがないッ!


 と、その時ッッッ!!!






 ピカァァァッッッッッ!!!!!






 突如、グレートガイが全身からまばゆい光を放ちだしたッッッ!!!


「やばい、自爆が始まるぞ! こらえろワタル!」


 スピーカー越しに無茶ぶりをするラモンッ!


「ちくしょうッッッッッ!!!!! もうどうにでもなれッッッッッ!!!!!」


 ワタルは、とりあえずその場でうずくまり、護身を完成させたッッッ!!!


 この体勢は、中国に古くから伝わる護身術の一つ、その名も“甲羅”であるッッッ!!!


(※甲羅……時は中国後漢末期の西暦208年、長江の赤壁にて曹操軍と孫権・劉備連合軍が激突した。これを赤壁の戦いと呼ぶのだが、この戦闘の最中、曹操軍の将軍が体を亀のようにうずくまらせ、敵軍の数千の矢をしのいだと言われている。その鮮やかな護身は見た者すべてを感動させ、“甲羅”という名で現代まで継承されてきた。この逸話は中国人であれば誰もが知っていることであり、中国最強の護身術として紹介されることも多い)


 そしてッ!






 ドカァァァンッッッッッ!!!!!






 グレートガイは、巨大スライムを巻き込んで盛大に爆発ッッ!!


 吹き荒れる強風ッ! 周囲に轟く爆音ッッ!!


 果たして、ワタルの運命や如何にッッッ!!!











 そして数分後、研究所ではッ!


「ワタル君、本当に大丈夫なのかな?」


「大丈夫です、ワタルさんはあれぐらいじゃ死にませんよ」


 ラモンとアリアが、ワタルの帰還を今か今かと待っていたッ!


「それよりも、スライムの方はどうなってるんです?」


「モニターを見る限りだと、生体反応は完全に消滅しているね。もうすぐ研究員が現場に到着して、より詳しいことを調べてくれるはずだよ」


 部屋のモニターには、先程の爆発によってつくられた巨大なクレーターが映されているッ! そのクレーターの中心には、ボロボロになったグレートガイの残骸と、全長1メートル程まで縮んだスライムの死体があったッ!


「なるほど……とりあえず、ワタルさんが戻ってくるまで暇ですね」


「あ、それなら奥の部屋に最新のゲーム機があるよ」


「おっ、いいですね、やりましょうやりましょう!」


 そう言って遊びに行こうとする二人! するとその瞬間、部屋のドアがバタンと開いた!!


「ただいまッッッッッ!!!!!」


 そこには、全身待っ黒焦げになり、頭がアフロヘアーと化したワタルの姿がッ! なんと彼は、爆発の中心地にいながらも五体満足で戻ってきたッッ!!


「あっ、ワタルさん! 無事だったんですね!」


 ワタルの奇跡の生還に感激するアリアッ!


「……ところでワタル君、その恰好は一体どうしたんだ?」


「いやお前のせいだろうがッッ!! ラモンッッ!!」


 ワタルはそう言いながらラモンの胸倉を掴んだッ!


「ま、まあとにかく、これで事件は一件落着だ! 落ち着いてくれよ! 巨大スライムは無事に倒されたわけだし!」


「それもそうだなッッ!!」


 彼はそう言って頷くと、ラモンを解放したッ! 流石熱血武闘派高校生ワタル、他人の罪を許す懐の深さはピカイチであるッ!


「そんなことよりワタルさん! あっちでゲームやって遊びましょうよ!」


「うむッ! そうしようッッ!!」


 こうして、スカイ王国を絶体絶命の危機に陥れた巨大スライムは、ワタルとグレートガイによって見事に退治されたのであったッ!


 めでたしめでたしッ! 圧倒的めでたしッッ!!


 しかし、この時のワタルは知る由もなかった……。


 まさか数日後、あんな恐ろしい出来事が起こるなどとはッッッ!!!


 次回、「激闘必死の新章開幕!4本の宝剣を探せッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]よく分かる赤壁の戦い……異世界転生出版

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