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第54話 「リベリオン、実食!それは衝撃の味わいッ!」

 前回までのあらすじ! スカイ王国へやってきたリベリオンは、ワタルたちと再会! そして彼らに連れられ、昼食を食べることになった! しかしたどり着いた店の名前はなんと“ポイズン食堂”! 店主は人間ではなくスケルトン! 注文した料理は“ヌードリャレ・リブル・モテューテュ~シェフの気まぐれパーツを添えて~”! リベリオンは、もう完全に意味が分からなくなっていた! 果たして彼女の運命やいかに!











 ワタルが料理を注文してから6分後ッ!


 スケルトンの店主が、お盆を持って厨房から出てきたッ! そのお盆の上には3つの大皿が乗っているッ!


「はいお待ち! “ヌードリャレ・リブル・モテューテュ~シェフの気まぐれパーツを添えて~”だよ!」


 彼はそう言って、料理をワタルたちのテーブルに置いたッ!


「こ、これは……」


 リベリオンが、運ばれてきた料理のビジュアルに思わず目を見張る!!


 それは簡単に言うならば、紫色のスープであったッ! しかもマグマのようにぐつぐつと煮立っており、何故か人間の骨の一部が浮いているッ!


 その見た目は、どう見ても毒薬だ!!!


「あ、あの……この骨は、一体何なのですか?」


 彼女は恐る恐る店主に尋ねた!!


「ん? ああ、それは僕の骨だよ」


「は?」


「骨をスープに入れると、良い出汁がとれるからね!」


 にこやかに語るスケルトンの店主! そもそも彼はスケルトンなので笑っているかどうかは定かではないがッ!


「え、じゃあ“シェフの気まぐれパーツを添えて”って、本当にあなたのパーツを料理に添えているということですか!?」


 リベリオン、驚愕!!


「いやだから、さっきからそう言っているだろう? ちなみに、君の料理には僕の肋骨が入っているよ!」


「え?」


 すると、ここでワタルが口をはさんできたッ!


「おっちゃんッ! 俺のヌードリャレには何を入れたんだ?」


「今日はね、左手の人差し指入れといた」


「やったぜッ!」


 嬉しそうにガッツポーズをするワタルッ! どこに嬉しがるポイントがあったのだろうかッ!


「私のヌードリャレにはどこを入れたんですか?」


 アリアもワタルに便乗して尋ねたッ!


「足根骨だよ」


「おお、マニアックですね!」


「やめろお前ら!!!!! 楽しそうに話すのをやめろ!!!!!」


 リベリオン、絶叫ッッッッッ!!!!! もはや彼女の精神は限界まで削られているッ!


「あ、ちなみに料理の骨は食べちゃダメだよ。後で元の位置にはめるから」


「誰が食べるか!」


 そんなこんなで、実食タイムッ! リベリオンは恐怖に震えながらも、スープをスプーンですくって口に入れたッ!


「――――――!」


 その瞬間、リベリオン、まさかの絶句ッッ!!


 そしてッッッ!!!






 ビリビリビリビリッッッッッ!!!!!






 な、なんという事だッ! あまりのおいしさに感動して、リベリオンの服がはじけ飛んでしまったではないかッッッ!!!


 だがしかしッ!


「ん? なあアリア、今何か布が破けるような音がしなかったか?」


「え、そうですか? 特に異変は無いですけど。ていうか、前もこんなことありましたよね」


 そう! リベリオンは甲冑を身にまとっているので、その下の服が破けても周りにはばれないのだッ!


「この料理……美味い! 一見毒々しい見た目をしているが、実際は滑らかな舌触りと濃厚なうまみが凝縮された贅沢な味わい!」


「そうだろうリベリオンッ! ここのヌードリャレは絶品だからなッッ!!!」


 するとその時、事件は起こったッッッ!!!






 ボキッッッ!!!






「あ!!!!! 痛い!!!!!!!!!!」


 な、なんという事だ!! スケルトンの店主が、ぎっくり腰になってしまったではないかッ!


「大丈夫かおっちゃんッ!」


 慌てて駆け寄るワタルッ!


「あ、ああ、大丈夫だ……私ももう歳だな。最近、体のあちこちのパーツが緩くなってて、簡単に外れちまうんだ」


「いや、それ完全にこの料理のせいですよね。この料理の出汁を取るために自分のパーツ付けたり外したりしてるから緩くなるんですよね」


 リベリオンは冷静に突っ込んだッ!


「うう……とにかく、今日はもう営業できそうにないな……」


 悲しそうに言うスケルトンの店主ッ! しかしッ!


「任せてくれおっちゃんッ! 今日は俺達がおっちゃんの代わりにお店を営業するぜッ!」


 ワタルが、店主を元気づけるようにそう叫ぶッ!


「ほ、本当かい!?」


「おい待て、聞いてないぞそんなこと」


 困惑するリベリオンッ! だがそんなことはおかまいなしのワタルッ!


「アリアッ! おっちゃんをお前の病院に連れていってやれッ!」


「はい、わかりました!」


 彼女はそう言うと、軽々とスケルトンの店主をお姫様抱っこしたッ! 店主は骨だけの身体なので、アリアのような女性でも軽々と持ち上げることが出来るッッ!!


「それじゃあワタル君! あとのことは頼んだよ! 料理のレシピは、厨房のテーブルに置かれたノートに全部書いてあるから!」


「応ッッッ!!! 大船に乗ったつもりでいてくれッッッ!!!」


 そしてスケルトンの店主は、アリアによって病院に運ばれていくのであったッ!


「よし、リベリオンッ! やろうッ!」


「はあ……どうしてこんなことに……」











 というわけで厨房にやってきたワタルとリベリオンッ!


「おい見ろリベリオンッ! ここにノートがあるぞッ! これで“ヌードリャレ・リブル・モテューテュ~シェフの気まぐれパーツを添えて~”がつくれるッッ!!」


「骨はどうするんだ」


「心配するなッ! 冷蔵庫におっちゃんのスペアの骨があったぞッ!」


「なんであるんだ」


 するとその瞬間、カウンター席に座っていた客が口を開いたッ!


「すいませーん、“ヌードリャレ・リブル・モテューテュ~シェフの気まぐれパーツを添えて~”を一つお願いしまーす」


「はい喜んでーッッッ!!!」


 威勢よく返事をしながら、ノートをパラリと開くワタルッ!


「よし、つくるぞッ!」


 こうして、ワタルとリベリオンのドキドキクッキングタイムが始まったッッッ!!! 果たして、二人は無事に料理を作ることができるのだろうかッッッ!!!


 次回、「やけくそ!ワタル、料理に毒を投入ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]決定版・人間の骨一覧……異世界転生出版

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