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第115話 「緊迫!ワタルvs透明人間ッ!」

 前回までのあらすじ! リベリオンは、熾烈な闘いの末に三拳聖の1人であるクリフを打ち倒すことに成功した! 一方その頃、ワタルはスカイ王国郊外の草原でアリアを発見! しかし彼女は縄で縛られており、自由に動くことができなかった! 近付いて彼女の縄をほどこうとするワタルであったが、それをアリアは制止する!











「今そっちに行って縄をほどいてやるッ!」


 そう言ってアリア目がけて走り出そうとするワタル!


 しかしアリアがそれを止めたッ!


「駄目ですワタルさん! 透明人間が、私の近くにいます! 近付かないで!」


「!?」


 ピタリと足を止めるワタルッ! 冷や汗が彼の頬を滴り落ちたッ!


(こいつ……アリアを囮に……ッ!)


 今ここで彼女に迂闊に近付けば、ワタルは透明人間から不意打ちをくらってしまうだろうッ!


 だが、だからと言って泣き寝入りするようなことは絶対にありえない!


 ワタルはそういう漢だッ!


「幸い、ここは草原だ……“砂”なら地面にいっぱいある……ッ! アリア、少し目をつぶってろッ!」


「は、はい!」


 そしてワタルはおもむろに右足を上げるとッ!


「武ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」


 気合を入れて叫びながら、右足で地面を踏み抜いたッッ!!






 ドシンッッッ!!!






 草原に――地震が、起こったッ!


 驚くべきことに、ワタルは今の地団駄で地震を起こしたのであるッ!


 説明しよう、今の技は“青森流地団駄術あおもりりゅうじだんだじゅつ”と呼ばれるものであるッッ!!


(※青森流地団駄術あおもりりゅうじだんだじゅつ……1867年、青森県八戸市の空手道場で生まれた技。地面を踏み抜き、その衝撃で地響きを起こす。地面の砂を舞い上がらせて目くらましに使ったりもできるが、現代における主な用途は“雪かき”だ。冬になると驚異的な降雪量を誇る青森県なのだが、この技を会得した達人は地響きで屋根の上に積もった雪を取り除く。毎年八戸市では“地団駄雪かき祭り”というものが行われており、この祭りに行けば青森流地団駄術で雪かきをしている様子が実際に見学できる)


 そしてッ!


 今ワタルが青森流地団駄術あおもりりゅうじだんだじゅつで大地を揺らしたことにより、草原中の砂が一気にブワリと舞い上がったッ!


「透明になれるとはいっても、あくまでそれは見た目だけ……実態がある以上、砂が当たれば話は別だッッ!!」


 そうッ! 空気中に漂う砂が体に当たることによって、透明人間の位置がはっきりと分かるようになるのだッ!


 ワタル、圧倒的頭脳プレー!


 そしてアリアの5メートル右の場所に、砂とぶつかったことで浮き彫りになった人影が現れたッ!


「そこだッッ!!」


 ワタルは雄たけびをあげ、そのシルエットに正拳突きを当てたッ!


「グワーーー!!!」


 男性の叫び声ッ! すると透明人間は姿をあらわにし、ゴロゴロと地面を転がったッ!


 どうやら、今のダメージで透明化を維持できなくなったようだッ!


「くっ……やるな、ワタル……!」


 男はそう言いながら片膝をついた! 周囲の砂埃は完全に収まり、はっきりと視界が開ける!


 男の身長は約180センチで、髪の色は金! 白いYシャツと青いジーパンというラフな格好だ!


 しっかりと引き締まった筋肉質な体をしているが、顔つきはそこまで険しくなく、むしろ温厚そうな印象を受ける!


「お前も……三拳聖の1人か……ッ?」


 ワタルが尋ねると、男はゆっくりと頷いたッ!


「その通り。僕の名はバリー。通称“不可視のバリー”だ……」


 彼――バリーはそう言って、スッと立ち上がる!


「能力は魔法を使った透明化。まあ、今さら説明するまでもないか……」


 そしてバリーはさらに、正座状態で地面に座るアリアの後ろに移動したッ!


「最初に言っておく。僕は“リスクを負う”っていうのが好きじゃあない。いつだって安全で確実な選択をしたいと考えているし、今だってそうだ」


「何が言いたいッッッ???」


「いいかワタル、今このアリアという女の子は、僕の人質だ。少しでもそこを動けば、この子を殺す」


 無表情で言ってのけるバリー!


「えっ!?」


 いきなりの展開にビビるアリア!


 そしてバリーの発言を聞いたワタルは……キレたッッッッッ!!!!!


「なんだァ? てめェ……ッッッ!!!」


 悪鬼が如き形相で言葉を絞り出すワタルッ! だがバリーは顔色一つ変えない!


「取り引きだ、ワタル。敗北を認め、暗黒武術協会に入れ。そうすれば会長であるカルマ様もお喜びになる」


「ふざけてんのかッ!」


「本気さ。そうすれば僕たちがこれ以上争う必要はないし、アリアちゃんだって傷1つ付くことはない」


「……ッ!」


 ワタル、逡巡ッ!


 はっきりと言おう、もしもワタルとバリーがタイマンで闘ったなら、間違いなくワタルの圧勝だッ!


 しかしアリアが人質に取られている今、ワタルに“闘う”という選択肢を取ることは……できないッ!


 なぜなら、彼は優しき心を持った日本男児だからッ!


「さあ、どうする?」


「……ッッ!!」


 そして、ワタルはッ!


 諦めたような表情で――両腕を上げたッ!


「降参だ……ッ!」


 それを見たバリーが、ニヤリと笑うッ!


「賢い選択だ」


 ワタル、アリアの身を守るため、まさかの降参……ッ!


 次回、「なんちゃって!ワタル、裏切りの正拳突きッ!」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]青森発祥の空手技一覧……異世界転生出版


[2]青森県観光ガイド……異世界転生出版


[3]奇祭「地団駄雪かき祭り」の謎に迫る……異世界転生出版

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