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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第34章 堅忍不抜
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第270話 自白

「……よろしいの、ですか?」

「よろしいも何も、それをお決めになるのは貴女では?」

「いや、私では……」

「ああ、そうでしたね。では、お聞きになられてはいかがでしょうか?」

「な、な、なんの話ですかっ?」


 マリエッタ先生が横でわなわなしている。


 たまに見ていることがあるみたいだけど、今は見られていないようだ。

 まあそんなに暇ではないよね……。


<エリス様、エリス様>

<……>


 念じてみるが、返事がない。


<……エリス様、今お忙しいですか?>

<ソラきゅんの幻聴が聞こえる……>

<……エリス様、幻聴じゃないですよ?きゅんはやめてって前に言ったじゃないですか>

<……ほ、本物のソラ君っ!?ご、ごめんね!ええと、その……ソラ君の方から念話が来ることって、今までなかったから……>


 そういえば基本見られていることが多いから、向こうからしか話しかけて来ることがなかったんだ……。


<実は今、学園でシエラが僕であることを先生方に話そうとしていて……。エリス様的には大丈夫なのかお聞きしたくて>

<へ?あ、ああ……それは私が決めた訳じゃなくてサクラが決めたのよ。ま、まあ私もコスプレするソラ君可愛いって思っていたから許可したんだけど……。だから私のことは気にしなくていいわ。学園にさえ通ってくれれば、それ以外のことは自由にして>


 なんか変な感想が混じってたけど、言質は取れてよかった。


<ありがとうございます>

<でも、どうしてそんな話に?>

<実は……>


 僕はエリス様にかいつまんで臨時教師の話をすることにした。


<ゆ、許せない!あんなにキュートなコスプレソラ君のことを嫌うなんて!>


 エリス様、僕のことになると語彙力なくなってる気がするんだけど、大丈夫かな……?

 あとコスプレ連呼しないで欲しい……。

 自分が惨めになってくるから……。


<何なら私の名前を使っていいから、ド派手に言うことを聞かしてやりましょう!>

<いや、そんなことするつもりはないですから>


 ただ、誤解が解ければそれでいい。


「……大丈夫みたいです」

「では、善は急げですね」


 今行くの……!?


「?」

「マリエッタ先生、今まですみませんでした」

「ど、どうしたんですかっ、急にっ……?」

「これから私の秘密を話しに行きますが、一緒に来ていただけますか?」

「も、勿論ですっ!私はあなたの担任の先生ですからっ!いつだってあなたの味方ですっ!」




 日は落ち、生徒は僕以外誰もいない。

 学園長がガラガラと職員室を開けると、教員が全員揃っていた。


「学園長、結果は……?」

「中間考査970点、期末考査948点です」


 点数を聞くな否や、ざわっとし出した。


「一年生が二年生の試験でそんな点数を取るなんて……」

「やはり不正では……?」

「口を慎みなさい。シエラ()の御膳であらせられますよ」


 学園長がそう紹介したことで、僕が名乗る前に誤解が生まれてしまった。


「やはり、学園を裏で操っていたのは貴女だったのね!」

「テストで不正をするなんて、到底許されることではありません!」

「黙りなさい!このお方をどなたと心得る!!」


 広がり行く誤解に、一喝したのはなんとミカエラ先生だった。

 僕はそれを合図にウィッグを取った。


「嘘っ……」

「皆さん、今まで騙していたこと、申し訳ございませんでした」

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