第251話 属性
「それで、どうして『太陽爆発』を使えたの?」
さっきの爆風で暫く魔物は現れず、僕はさっきの不思議な出来事についてステラちゃんに問いただした。
「確かあれは、光属性と火属性の上級合成魔法だったはずだけど……」
「えっ……?」
エルーちゃんも事のおかしさに気付いたようだ。
「ステラ様は、シュネーヴァイス様のご加護をお持ちでいらしたと思いますが……。もしかして、シュネーヴァイス様の七色魔法のご加護を受けると、全属性の魔法が使えるようになるということですか……?」
「いや、そんなことになったら聖獣の加護を持っている人はみんな光属性魔法が使えることになっちゃうから……」
「そ、そうですよね……」
例えばティスであれば水魔法と光魔法が使えるのだから、その加護を持つエルーちゃんは光魔法を使えることになってしまう。
というかもし本当にそうだったのなら、僕は懇願してでもヴァイスに加護をもらっていたところだよ……。
「そうなれば自分にない属性の加護を求めるようになっちゃうでしょう?」
「そもそもご加護は神様に近い御方達がくださるものですから、普通求めても貰えないものなのですが……」
「まあ、そこは……」
エリス様にも、今度ありがとうって言わないとね。
「加護はあくまでも持っている属性の促進しかできない。だからステラちゃんは、初めから火属性魔法の適正があったってことだよね?」
無属性魔法はみんな使えるが、他の属性魔法は適正がないと使えない。
聖女はみんな無属性と光属性しか使えない。
だから聖女が光属性以外の魔法が使いたいなら、聖獣を召喚して魔法を使ってもらうくらいしかない。
「ふっふっふっ、ごめいさつっ!」
……額に中指を当てて知的なポーズで背伸びしているところも、とてもかわいい。
「元々火属性魔法は少しだけ適正があったんですけどぉ、まともに使えなかったんですぅ」
「つまり、ヴァイスの七属性の加護のおかげで光のほかに火属性も適正がよくなって、まともに使えるようになったんだ……」
ステラちゃんは僕の偽弟子と名乗っていたから、勝手に光属性だけしか使えないのだと思っていた。
そういえば、魔水晶で一度もステータスを確認していなかった気がする。
「ヴァイス様、火魔法を使えるように指導してくださったんですっ!普段は寝てばっかですけど、感謝しているんですっ!」
ヴァイス、散々な言われよう……。
……まあ自業自得か。
「ここだ……」
洞窟の一番開けたところにやってきた。
「えっ……!?」
エルーちゃんが驚くのも無理はない。
この洞窟には魔物しかいないと思っていたからね。
「人が沢山……」
「ここが闇商人の集う、闇市場ってところかな……」




