第208話 冬休
「明日から冬休みですっ!それが明ければあっという間に期末考査がやってきますっ!成績の良くなかった人は今のうちから勉強しておくのですよっ!」
マリエッタ先生がびしびしっ!と忠告してくれる。
「では皆さん良いお年をっ!」
ホームルームを終え、寮へと帰る。
「シエラちゃんは冬休みはどうするの?」
「私は多分ずっと聖女院にいることになるかと……」
「ボクもそうだね」
エレノアさんと僕はそう答える。
「ああ、そっか五国会議……。ほんと、聖女様と王女様は大変だね」
「では年内はずっと聖女院ですか……?」
「う、うん……そうなると思う」
義娘達に寂しそうな顔をされるとちょっと弱る……。
「あ、でも年明けは時間とれると思うから。みんなで帰省しよう!お義父さんとお義母さんに二人を紹介したいから」
「お義母様……」
義理で繋がった絆だけれども、僕の家なんかより全然いい。
「シエラ様お帰りなさいませ」
「エレノア様、お帰りなさいませ」
寮には僕の副担当メイドのシスカさんと、エレノアさんの専属メイドのシンシアさんがいた。
「ったく、ちょっとくらいひと息つかせてもらってもいいじゃないか……」
「あまりお時間もありませんので。さ、お着替えしますよ」
シンシアさんはエレノアさんを押して自室に向かっていった。
なんだかんだで古い付き合いで仲良いよね、あの二人。
僕にはそういうのってほとんどなかったから、羨ましい。
「さ、シエラ様もお着替えしますよ♪」
「……はい」
僕を着飾って何が楽しいんだろうか……。
「やっぱりシエラ様は基が良すぎますね……」
花柄だけどシックな肩が透けて見えるマーメイドワンピースドレス。
ベールまでつける必要はあったんだろうか……?
今日は本当に気合い入ってるな……。
「ふふ、ソラ君も似合ってるじゃないか」
「エレノアさんには負けますよ……」
エレノアさんは黒い和柄のドレス。
もとが白いエレノアさんと対照的だ。
「さ、行こう」
エレノアさんは僕の手をつかんで、ワープ陣へ入った。
「じゃあ、また明日会おう」
王家と聖女は明日顔合わせとなる。
僕は今日は聖女側の人達と会うことになっていた。
シスカさんがちゃりと大きな扉を開けると、正装に身を包んだアレンさん、涼花様、ブルームさんが出迎えてくれた。
「「いらっしゃいませ、ソラ様」」




