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男の大聖女さま!?  作者: たなか
第100章 晴耕雨讀
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第942話 代替

「今後も女装(その姿)でいるってことなら、なんかお父さんって呼ばれるのは違和感があるな……」

「いや、お父さんはお父さんでしょ……」


 むしろザ・お父さんって見た目してるのに、どうしてそう呼ばせてくれないのだろう?


「いや、そうじゃなくて……パパって呼んでみてくれ」

「えっ、今さら恥ずかしいよ……」

「その姿でいることより恥ずかしいか、それ……?」


 うっ……それはそうかもしれないけどっ!


「わ、わかったよ!その……パパ?」


 人指し指同士を付き合わせたり離したりしながらぼそりとそう言うと、何故かエルーちゃんとお父さんがわなわなと震えだした。


「か、かわっ……!?」

「なんというか、娘ができたみたいだな……」


 いや娘は……そういえばお父さんの娘はまだいないのか。


「別に私で代用しなくとも……」

「身体を自由に変えられるのなら、女にもなれるんだろう?」

「ま、まぁそうだけど……」


 名実ともに女学園に通えるし、聖女にふさわしい姿にはなれる。

 ただ形として男の象徴をなくして女性になれるだけで、生理も来ないし僕が子を産めるわけでもないらしいけどね。

 ただエリス様の粋な計らいなのかよくわからないけど、その……気持ちよくなるようにはしてくれたらしい。


 エリス様といい僕の妻は隙あらば女の子扱いするくせに、実際に僕が女になるのは断固として認めないのは何なんだろう?

 以前も僕が生理用品常備してたら「そこまでなりきる必要はないんですよ!」なんて何故か怒られたりしたし……。

 まあその時は単なる勘違いで、生理で辛い生徒を魔法で緩和させたらいらなくなったからと貰ったからなんだけども、その日の夜は本当に心配していて他の事が手に付かなくなっていた覚えがある。


「息子であり娘でもある、そんな存在が欲しかった……」

「いや、そんな代替案じゃなくてさ。本当に娘はいるんだってば」

「あのな、星空(せいら)のことなら……」


 エルーちゃんの手を取る。


「ほら、私の妻のエルーシアちゃん!」

「あっ……ええと、名乗らずに失礼を!ソラ様専属メイドのエルーシアと申しますっ!」

「まさか、メイドさんまで手篭めにしてんのか!?お前、いくらあいつの息子だからって、そういう不誠実なのは良くないぞ……」

「ご、誤解ですハジメ様っ!!不誠実なのは私の方なのですから!」

「ん?どういうことだ……?」

「ソラ様ははじめから私に一途でしたし、他の方からのお話は断っていらっしゃいました。ですが妻の皆様は私同様、ソラ様に命を救われた身。私よりも素敵な皆様方が『ソラ様と結ばれないのなら一生独身のままでいる』とまで仰有られたのです。私はソラ様と婚約する条件として、不躾ながらにも他の皆様も一緒に娶られることを求めたのです」

「我が息子ながら、たらしだな、お前……」


 多分救った補正が乗ってるだけだと思う。


「失礼します。おやつ休憩をなさっているとのことで、お連れいたしました」


 メルヴィナさんの腕に抱かれていたマリエッタさんは飛び降りると、特等席とばかりに僕の膝によじ登ってくる。


「そちらのマリエッタ様とメルヴィナ様もソラ様の妻でございますよ」

「!?!?!?」

「お義父様っ!妻のっ、マリエッタですっ!」

「お、お前……まさか子供にまで手を……!?」

「えっ、あ……ちょっ!?ご、誤解だってばっ!!」

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