表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男の大聖女さま!?  作者: たなか
第100章 晴耕雨讀
1160/1285

第914話 覚醒

<――その必要はないわ――>




 声の主を探して振り向くも、それが念話を通して聞こえたエリス様の声だということに気がつくのには少しばかりの時間を要した。


 何故なら振り向いた先ではペンダントから溢れた水色の光がまるで膜のように死んだはずのエルーちゃんを包み込むと、そのままエルーちゃんの身体が宙に浮き始めたのだ。


 エルーちゃんの身体から綺麗な天使の輪っかと天使の羽が生えると、まるで魔法少女の変身のように髪の色が水色に変わったのだった。




 名前:エルーシア

 種族:大天使 性別:女

 ジョブ:聖女 LV.100/100

 体力:999/999 魔力:583/999

 攻撃:999

 防御:999

 知力:999

 魔防:999

 器用:999

 俊敏:999


 スキル

  水属性魔法[極]・無属性魔法[極]・癒快・アイテムボックス


 加護

  女神エリスの加護・神獣玄武の加護・奏天の眷属




「『『エルー!!』』」


 エルーちゃんはその羽で僕の前に回り込むと、そのまま僕に飛び込んで抱き締めてくれる。


『私は大丈夫です、ソラ様。ふふ、こんな姿になっちゃいましたけど……』


 「それでも愛してくださいますか?」なんてあのいじらしくも太陽のように目映い笑顔がまた僕に向けられたのだ。


「『『当たり前だ……!私には、お前がいてくれるだけで……それでいいんだ…………!!』』」


 抱き締めて口付けをすると、エルーちゃんの方から何かが流し込まれる。

 押し寄せる水を飲み込むと、バラバラに切れていた腕が一瞬で再生した。


 どうやらエルーちゃんに与えていた最後の神薬を口に含んで、それを流し込んでくれたらしい。


『もう、身嗜みはきちんとなさらないとですよ、ご主人様』


 そして同時に、ふっと心が軽くなる。

 ああ、やっぱりエルーちゃんに触れていると、安心する。


 いつの間にか僕の魔力暴走も治まっていた。


『なっ、どうして……どうしてお前が、生き返っているのよ……っ!!』

『私は天使エルリアの生まれ変わり。たとえこの身にその記憶がなくとも、私の魂は女神様の御作りになられた身体に堪えうることができます』

<私の与えた『覚醒の雫』は天使エルリアとしての力を呼び起こすための道具。死んで魂が身体と離れたときにしか使えないけれど、渡しておいてよかったわ>


 このネックレスが、エルーちゃんを助けてくれたのか。


「『『そうか、シルヴィと同じ、大天使に永遠の命を手に入れたんだな……』』」


 死んでも体が朽ちても、エリス様の神力さえあれば生き返ることができる存在に、エルーちゃんはなったのだ。


 敵を騙すにはまず味方から。


 でもその僕の想定外のお陰で、姉ですら想定外を引き起こしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ