第六章終了時までの フィルネンコ害獣駆除事務所 職員
※お話には直接関係の無い、どうでも良い設定なので
読み飛ばしても本筋の理解には全く影響はありませんのでご安心を。
ターシニア・フィルネンコ(ターニャ):所長
肖像画作成 リン・ナリミヤ
お年頃の18歳。帝国最強の誉れ高いモンスターリジェクタ。
当然に女性であり華奢にみえるがA級事務所の所長。また彼女自身も
1級リジェクタ免許とゴールド冒険者章をもつ“ホンモノ”のプロ。
本来は色白だがやや日に焼け、大きな態度と言葉使いでイメージは大女だが
上背はなく一六〇センチに少し足りない。
胸が標準より少しだけ大きいのが密かな自慢だが、もちろん誰にも話さない。
口がよろしくない上に手癖も悪く、男性と喧嘩になることもしょっちゅう。
だが実は街を歩くと男女問わずに思わず二度見するような美人でもあり
希に正規の席に招かれた時のドレス姿は、誰だかわからないと評判。
フィルネンコ事務所の四代目所長であり、リジェクタとしては帝国内最高評価。
緊急時に政府はおろか、宮廷が直接依頼をかける数少ない人物。
帝国政府から帝国筆頭リジェクタを名乗ることを公式に許されたのは
女性としては史上初。
また、彼女は皇族の補佐に当たる役職である宮廷騎士代理人の称号を、
第二皇子であるリンクより受けているため、事実上リンクの最側近でもある。
当然に彼の近衛である第四親衛騎士団の長の立場でもあるが、
宮廷に常駐しない異例の存在。
証の剣はレイピアでリンクものとほぼ同じデザインで、彼の金に対して
ターニャのそれは色だけ銀になっている。普段は事務所の壁にかけてある。
フィルネンコ家は初代の時代からスライムを専門とすることで有名で、
スライムスライサーという特殊な武器を使うが、これは使用するには熟練が必要。
母はかなり以前に無くし、父も既に他界している。
イメージと合わないが父様、母様そして祖父の事を
祖父様と呼んで尊敬している。
祖父の時代にドミナンティス男爵家として男爵位を下賜されているため
現状、彼女はドミナンティス男爵家の三代目当主にあたる。
第二皇子リンクのことは初めて会ったときから気にしているのだが
男爵と皇家の皇子という身分の違いに加え、自身の家業であるリジェクタが
あまり自慢できる職業ではない、と理解しているので、彼と一緒に居るために
特に何かをしようとはしない。
彼女が普段の言動に反して実は常識人である証左でもある。
むしろ彼女を、立場から接触のふえる宮廷騎士代理人にあえて取り上げた
リンクの方が積極的であるとも言える。
アクリシア・ポロゥ(クリシャ):副所長
書類上の副所長。モンスター学で次席博士の称号を持つ。
歩くモンスター辞典と言われ帝都皇立アカデミーでモンスター学の授業を持つほど。
実際に、モンスター学では帝国王朝内でも四人しか居ない準博士の称号を持つ。
記憶力が異様に高い。
フィルネンコ事務所の食事はほぼ彼女が作っている。
普段は黒い髪をあげて額を出し眼鏡をかけ、さらに妙齢の女性向きとは言えない
服を着て若干低い身長で見た目が幼いのを誤魔化している。
仕事の時には丈の短いジャケットに乗馬ズボン出少年のような服装になるが
これは見た目を捨てて仕事を優先にするプロ意識の表れ。
一六歳ならば物語世界では既に結婚を意識する歳であり、わざと老けて見えるよう
人前でメガネを外さなかったり、髪型だったり本人も苦労しているが、実際の容姿は
かなり幼く、何もしなければ実年齢よりは四つは下に見える。
これは人間と比べ、幼く見えるエルフの一種、白エルフとのハーフである為だが、
特徴的な耳や銀髪、発光する瞳は受け継いでいない。
とはいえ異常なほどに目が良く、普段かけているメガネは伊達では無く遠視用。
瞬発力は、本気を出せば一瞬ならば馬をあっさり凌駕するほど。
これらは恐らくエルフの形質を若干歪んだ形で受け継いでいるから。
幼い見た目はコンプレックスであるのだが、歳相応の扱いに徹する
リンクの最側近、オリファのことは多少気になっている。
“廃棄処分”になりかけていたところをターニャの父親テルと
モンスター学の第一人者ギディオンが引き受け、一般常識を身につけさせると
当時の皇太子 (現皇帝)の力を借りて、アカデミーに送り込んだ。
人間とエルフとの受胎には魔術の介在が必要で、無許可でこれを成すのは当然
違法行為だが、一方でハーフの子供を処罰する法律は無い。
(無許可で生まれた子供は廃棄処分すべし、と言う暗黙の了解はある)
テルが引き受けたのは、当時乳飲み子であったターニャの存在があったから。
と言われているが詳細は不明。
この事実は現状ターニャ以下フィルネンコ事務所の面々のほかは恩師であり
育ての親でもあるモンスターの大家、ギディオン・ポロゥ他数名しか知らない。
ロミネイル=メサリアーレ・センテルサイド
:見習い→(三章より)所員 (フォワード)
(旧アリネスティア伯爵家長男)(ロミ)
肖像画作成 宮廷絵師カ・スミ
剣技で名をあげた貴族の息子だが家銘は凍結中。
ターニャに拾われ、各種装備の整理と整備をすることを条件に事務所の納屋に
住み込んでいる。
15歳。刃物調整の名人でも有るが、刃物研ぎは趣味でもある。
暗めの金髪に整った顔立ち、イメージとは裏腹に身体はかなり鍛えている。
普段から蝶タイにジャケットで礼儀作法にはうるさい。
正式の場に出るときは父親の遺品であるネクタイに鳥打ち帽。
ターニャが公式の場に招かれた時、所長の挨拶や行動は全て彼の指導による。
お陰でフィルネンコの名前と株の急落は避けられている。
現場に出る時も基本的にネクタイと七三分けは崩さない。
普段はターニャとクリシャの従者のようでもあり、おとなしすぎるくらいだが
剣の腕は超一流で12歳の時点で総師範代の称号を受けている。
剣術で評判を取るルゥパ第二皇女の事実上の師匠でもあり
じつはターニャが拾ってきたのは、その事を知った上でクリシャの護衛役に
しようと思ってのこと。
あっさりとスライムスライサーを使いこなしてみせているが、本来は熟練が必要で
基本的に器用なルカでさえも、まともに扱えないほど使いにくい。
ルピィことアルピネイラ=ワイトと言う妹と、母親でハルこと
ハルトジェンナ・シルヴ・デ・メサリアーレは伯爵家職位召し上げののち、
公式には行方不明。
ハルは元シュムガリア公家の第二公女である。
現在この二人は、ハルの実家のつてで帝国王朝内某所に隠遁中でロミ自身も
場所は知らされていないものの無事であることはだけは知っている。
ルンカ=リンディ・ファステロン:所員 (オフィサー)
(元ポーラス侯爵家第一息女 ルカお嬢様)
ルケファスタ・アマルティア・デ・シュナイダー第一皇女
(ルケファスタ殿下・リイファ姫)
肖像画作成 リン・ナリミヤ
抜けるような白い肌と流れるプラチナブロンド、そして何より男性の目を
釘付けにする大きな胸を持つ16歳の少女。
経理の達人でも有り、エプロンドレスに腕抜きをはめフィルネンコ事務所の
出納業務全般を仕切る。
扱えるものが限られる計算機械ソロヴァンについては免許皆伝の腕前。
以前は会計局の顧問であった関係上、税金全般にも精通する。
わがままお嬢様を地で行く鬱陶しい性格と鬱陶しい言葉使いでターニャを
辟易させているが、実際は気遣いのできる優しい女性でもある。
フィルネンコ事務所では当然経理を担当し事務長と呼ばれる。
実は帝国の姫でリンクの妹、上から数えて三番目の子供に当たる
皇位継承権第三位、ルケファスタ第一皇女である。
現在公式には留学中となっているが、宮廷内で彼女の動きを知るものは誰も無く、
事実上の出奔中。
リンクが暗殺者の存在に気が付き、彼女の身の安全を考慮してターニャの元に
行くように仕向けたのが真相。
リンク皇子大好きのお兄ちゃん子でもあり、ターニャに対してもその部分は
非常に警戒している。
皇帝章の付いた金のダガーを懐に持ち歩くのが彼女の身の証。
ロミと同じく剣技に優れるがこちらは暗殺剣の使い手。
あまりに剣技が非道い事が理由で宮廷騎士の役目を放りだして出奔、と
言う事になっているが実は剣技に劣るわけでは無く、逆に普通の剣士や騎士ならば
まるで勝負にならない。
お嬢様のイメージとはかけ離れるが、剣士としてはかなりの手練れで、
実際に暗殺者との立ち会いを正面から受けて立ち、相手の腕をダガー1本で
何事も無く切り飛ばしている。
設定的には元侯爵であるファステロン家の娘で、両親の勧めにより男爵家当代の
ターニャに身請けされた事になっている。
のちにこの設定にリンクが肉付けし、ルカ・ファステロンは“実在の人物”になった。
エストックとダガーの二刀流、手数の多さで勝負する戦闘スタイルを好み
実戦となれば、エストックが鈍ると使い捨てにするため予備を三本腰に下げる。
更には状況によっては“口撃”も付くために、相手に剣の腕があったとしても
容姿も含めかなりやりづらい相手である。
“クイーン”=パムリィ・ファステロン(パムリィ、パム)所員:見習い (経理)
数ある妖精の中でも聡明と言われるピクシィであり、妖精全般はおろか
陸生モンスター全ての頭上に君臨する女王でもある。
フェアリィ・ピクシィ種は本来、名字などは持たないのであるが、
人間と同居するにあたり、書類上の飼育権者がルカになった時点から、
彼女と同じくファステロンの姓を名乗る。
ことの真偽はともかく、自称16歳。
見た目は身長15センチの可憐な少女で、髪と目の色はルカと同じだが
妖精としてはやたらに地味なのがコンプレックス。
人間とモンスターの共生を掲げ、あえてモンスター保護区から出てルカの庇護下に入る。
人間と共生するために、まずは人間の経済を知る。が目標。
ロミにサイズを合わせた事務机とソロヴァンを作ってもらい、本人はやる気満々で
経理係の仕事を勉強している。
人間とコミュニケーションを図ることを第一義にしているので、ルカと一緒の時以外
出かけない彼女だが、近所でも彼女を見知るものは多い。
ルカはあえて自分と同じ服を着せ、これを後押ししている。
経理も彼女が一から教え込んでいる。
ラムダはもとよりスライム達とも会話が成立するらしいが、当人はそこは
詳しく言わないので、なにがどうなっているのかはターニャも知らない。
人工繁殖地である“お花畑”の運営には基本的に関わって居らず、
全体の仕切は大お姉様、として全体の代表者であるミリィ。
但しお花畑がフェアリィ、ピクシィの中心地になっているらしく
パムリィへ意見を求めることは良くあるようで、彼女が来て以来
モンスター避けの結界を一部開けてある。
ラムダ:馬
基本的には競走馬でも軍馬でも無く、普通の農耕馬の血筋だが、
走れば異常に速く、一般の馬に比べても格段に力も強い。
その上人語を解する程に賢いが、それ故に人に慣れずに
牧場で“売れ残って”居た。
言動に裏表の無いターニャに懐き、結果。ほぼ彼女の言い値で
フィルネンコ事務所が引き取ることになった。
モンスターのただ中にあっても恐れず、むしろ仲間の様子を気するなど
普通の馬とは一線を画するほどの賢さや度胸をみせる。
ターニャ達を特別な人間として認識し、“仕事”も拒否したりはしないが
一方“仕事”以外で何かをさせられるのは嫌いであるらしく、中庭に設置された
シャワーを動かすのは特に嫌っている。
馬車を引いたり、鞍をつけられたりする時は一切の拒否したりしないあたり、
彼もプロであると言えるだろう。
ルカのことは苦手にしているようで、彼女の要請には渋々応じることが多い。
またパムリィとは、何らかの手段で会話が成立するらしく、
彼を“説得”しなければいけない様な面倒な話は、パムリィが来て以来
彼女の仕事になっている。
フィルネンコ事務所のメイドさんズ
元ファステロン侯爵家のお嬢様、ルンカ=リンディに仕えていた。
侯爵家解体後、宮廷で修行を積んだ本格的なメイドでもある。……という設定の二人。
事情を知ったリンクより斡旋された。と言うことになっている。
実際は皇家リィファ姫の代理人。主人の雲隠れに伴って二人も書類上休職中。
フィルネンコ事務所のルカの元にそろって“移籍”することになる。
この二人は住み込みでは無く、近所のアパートに二人で住んで居る。
彼女たちが普段来ているメイド服は宮廷のメイドと同じデザインだが、色のみ
ベースを宮廷のブルーグレイでは無くライトグレイ、フィルネンコ家の色である
エメラルドグリーンを差し色に使う。
彼女等の服装について、それをあえて支給したリンクの考えとしては、
宮廷騎士代理人であるターニャに彼が斡旋したメイド、と言うのを
強調したいつもりだった。
しかし、職人町である事務所付近で、宮廷のメイド達がどんな服装であるのか
そもそも知っているものが少ないので、良くも悪くも単に仕立ての良いメイド服。
としてしか認識されていない。
気が付いたのはリアンくらいのものである。
この二人が来たことによって、ルカとパムリィは業務中については、
接客やお茶の用意などはしなくても良くなった。
但しこの二人は住み込みでは無いため、朝晩の食事の準備、生活スペースの掃除などは
基本的にクリシャとルカの仕事であるのは変わらない。
アエルンカ・ファステリア:(エル) 庶務見習い
本職はルケファスタ皇女の代理人。一般の騎士と同等の腕前を持つ上に細かいことにも
気が回る。手段を問わずに暗殺を得意とし、実戦に出る際の皇女のバックアップを
主な任務としていた。
証の剣はショートスウォードで、メイド姿の時はスカートの中に隠してある。
元騎士家の娘で暗殺者。金髪をベリーショートにしている。。
百七十を超える長身で、見た目も“男前”だが中身は乙女で泣き虫。
暗殺者としてリイファ姫を狙ったが失敗の上返り討ち。半殺しの目にあった上、
忠誠を誓わされたのだが、本人はその後、むしろ納得して付き従っている。
その出自から剣の腕には優れ、パリィの影響もあって暗器の扱いもそれなりにこなす。
フィルネンコ事務所に来て以降はメイドとして主に雑務と掃除に励む。
但し部屋に帰ると、食事の用意は彼女の仕事であるらしい。
実務的には数字は苦手だが、公式文書の作成を得意にしているため、
通常それを作るロミやパムリィが絶賛。
ルカより一つ下の一五歳。通称エル。
現場に出る時はフォワードとして、主にロミの補佐にまわる。
パリンディ・ロンデモシュタット:(パリィ) 庶務見習い
こちらも本来はルケファスタ皇女に仕える代理人。身軽さと手先の器用さ、
物怖じしない性格を生かして情報収集を主な任務としていた。
証の剣は、何故認可されたのかわからない、持ち手が銀に輝く肉切り包丁。
どんな服装でも、身体の何処かに隠して常に持ち歩いている。
元は傭兵崩れのスリで、スピードと手数の多さが武器。
丸顔で茶髪を三つ編みにして、普段は前に垂らしている。
ルカを標的にスリをしようとして失敗。散々な目にあったのだが
むしろその性格に感銘を受け、散々つきまとったあげくに自身から忠誠を誓う。
普段そうは見えないが、騎士としての立ち居振る舞いや心構えは、
キチンと教育が成されているので、ターニャと違って公式の場に立っても
問題は発生しない。
堅苦しいのがキライ、というよりは、自由奔放に見える言動が好きな彼女である。
こちらもメイド服に身を包んで、主にラムダの世話や納屋の道具の整備を仕事にする。
来客時の食事やお茶の用意も彼女の仕事。
但し片付けものや掃除は苦手にしているので、部屋では彼女がやらされるらしい。
料理が上手い上、趣味がお菓子作り。ターニャとクリシャが放さない。
ルカと同い年の一六歳。通称パリィ。
現場に出る時は主にバックアップとしてクリシャの段取りに付き合う。
※イラスト提供
成宮りん 様 https://mypage.syosetu.com/858748/
加純 様 https://mypage.syosetu.com/793065/
もしよろしければ、感想欄でも活動報告のコメントでも構いません。
ほんの数行で構わないので感想を頂けたら、とても嬉しいです。
評価やブクマを頂けると言うなら、もちろんすごく嬉しいです。




