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第五章『地下の管理人』までの登場モンスター

※お話には直接関係の無い、どうでも良い設定なので

 読み飛ばしても本筋の理解には全く影響はありませんのでご安心を。

 本年度第二回モンスター・レスポンス・ミーティング緊急会合

 第二分科会資料


 国営第一ダンジョン環境悪化の事例に関する報告、考察。


 ※議場外部への持ち出しは原則禁止とする。


 そのⅢ

 国営第一ダンジョン周辺、並びに内部に見られたモンスターの種類。


 Ⅲ-ⅲ

 国営第一ダンジョン周辺、並びに内部に見られたモンスタープランツの実例。


 この資料ではⅢ-ⅰと同じく、今回の事件でメインで駆除に当たった

 『フィルネンコ害獣駆除事務所』

 の所長であり、またドミナンティス男爵家当主でもあるフィルネンコ卿(レディ・フィルネンコ)

 副所長でモンスター学の権威でもあるポロゥ次席博士(ドクター・ポロゥ)が自身で

 観察、同定を行った種類のみを取り上げる。


 基本的な性質を検討するための資料である。


環境保全庁職員や他リジェクタチームからの報告で上がったものについては

 別添資料Ⅴ、およびⅥの該当項目を参照されたい。



霞草 (かすみそう)

 発芽から花を付けるまで通常約一週間。

 名前の通り花から霧を吐き出すため群生地では極端に視界が悪化する。

 環境保全庁の許可を受ければ一般人でも栽培自体は可能だが

 宮廷から10キロ圏内は栽培禁止の措置が執られている。

 現場では原種の他、変異体三種を確認。


爆撃タンポポ (ボム・デ・ライオン)

 見た目はやや大きめの普通のタンポポ(ダンデライオン)だが、

 名前の通り、綿毛に付いた種が爆発する。

 これは他の種を吹き飛ばし、根を伸ばしやすいように土を掘り起こす意味が

 あると見られる。

 爆発に巻き込まれると木箱程度であれば四散する威力を持つ。

 意思があるわけでも無く、動かないのではあるが危険度ⅱとされ

 一般人は触るべきでは無いとされる危険な植物。

 研究施設など許可を受けた特殊な建物内以外での栽培は原則禁止。

 意思を持つわけでは無いが危険であるため、見かけた場合は

 即刻駆除が必要だが、根が深く、上部を取り去っても根が残っていると

 そこから再生する場合も多々あるので注意が必要。


噛み付き草 (バイトフラワー)

 百合の花のような見た目で大きさもほぼその通りであるが、

 花びらには牙がつき小動物を捕食する。

 その食性のためか、霞草の群生地に好んで生える習性が有る。

 帝都以外の帝国本国領内、並びに帝国内では許可制で栽培できる。

 主に農家の害虫、害獣対策に使われることが多い。

 観賞用として品種改良されたものもあり、それについては許可は必須では無い。

 

ランタンフラワー

 洞窟の中など、ジメジメした環境を好む魔草モンスタープランツ

 つぼみから花の時期にかけて、花弁部がかなりの光量で光るため

 国営第一を初め人工ダンジョンの明かりとして利用される事が多い。

 洞窟の中に咲く花であり、生育に太陽光は不要。特定種類のスライムとは

 共生関係に有り、ランタンフラワーの明かりに集まった虫や小動物を

 スライムが捕らえ、スライムの出す粘液によってランタンフラワーは生長する。

 今回、スライムの種類が一部入れ替わっていたため、国営第一内の

 ランタンフラワーの実に3/4が死滅した。 

 

マンドラゴラ

 土中の魔法成分を吸い上げ、人間様の地下茎を形成。引き抜くときに

 絶叫し、気の弱いものはそのときに、驚きのあまり命を落とすこともある。

 なかなか育たない上、土からあげると目をむいて絶叫すると言う

 あまり気持ちの良くない特性を持つが、栽培自体は規制されていない。

 専門で栽培する業者もいるが一般にはあまり気軽に栽培しない方が良い。

 強壮剤として珍重されるが人類領域ではあまり自生する事は無い。

 人類領域に住む知性を持った(インテリジェント・)怪物モンスター

 これを加工し、人間との間で取引材料とすることがある。

 特に帝都内ではコロボックルが栽培を得意にしている。

 

人喰い草 (ウォーキンググラス)

 見た目は歩き回るススキ。全高は約1.5m~2m。

 口は一番高い部分に付いており、かなり鋭い歯が特徴。

 通常、5体前後の群れで行動し、人間にも積極的に襲いかかる。

 魔草モンスタープランツに分類されるが、市街地で目撃された場合

 危険度ⅱとして環境保全庁の駆除案件となる。


飛び跳ね草 (ホッパー・グラス)

 こちらの見た目は草の塊で全高は1m以下のものが殆ど。

 ウォーキンググラスと一緒に目撃されることが多い。

 名前の通りに一般の植物の根に当たる部分で飛び跳ねて移動し

 動物や小型モンスターの体液をその根から吸いあげる。

 取りつかれてしまうと命に別状はないものの、強烈な痛みとしびれを伴い、

 体の弱いものは、あまりの痛みにショック死することもある。

 あまり動きは速くないがウォーキンググラスと一緒に行動することが多い為

 囲まれてしまうとかなりやっかいである。


樹の人 (ツリーマン)

 歩き回る枯れ木。全長5~7m。

 人類領域ではほぼ見ることの無いモンスター。

 根の部分を足のように器用に使い、結構なスピードで移動する。

 また、人間を見つけると長い枝を手のように使い、巨大な体躯を生かして

 襲いかかってくる。

 一応植物の扱いではあるが当然に危険度ⅱとして駆除付託案件。

 見た目通りに枯れ木であるので弱点は火だが、見た目から想像するより

 頭が周り、火矢を避け、火の付いた部分をそぎ落とすなどの

 知性的な動きを見せる。

 同種にはさらに大型で10m以上の枯れ木では無い見た目をもつ

 大樹の人(トレント)が知られるが、こちらも人間を見ると

 襲いかかってくる習性を持ち、巨体の上移動も速いので危険度は増す。

 今回はトレントも1体、確認されている(Ⅵ-ⅰ参照)。




モンスタープランツは、その大多数が自発的に動いたりはしないのでありますが

危険であることは他のモンスターと何ら変わりません。

ならば帝国に住まうもの全てがその危険性を認識し、

自分で駆除しようなどとせず、発見し次第関係部署へ通報する。


これを機にこの流れがより浸透するよう、啓蒙活動の徹底を再度

ここに議長として改めて指示をするものです。


また、最悪の事態においても、帝国臣民の命と財産への被害が最小となるよう

関係各位には通常時であってもなお、一層の努力を求むるものであります。


第四回定時総会 総合ミーティング

MRM議長、リンケイディア皇子殿下のお言葉より一部抜粋


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