8話
俺は春さんの事情を聞いた。
それは確かに地獄のようだった。
俺にされたこともそれなりだったが、明らかに時間やしてきたことの重さが違う。
「私が、私が優君にもあんな酷いことをするから……」
春さんの話を聞くと、ヒロとは違って、春さんはちゃんと反省している。
「……それは、いいよ。辛かったし、きっと春さんも正常じゃなかっただろうし、急に告白する俺も悪いしね」
実際その通りだ。俺だってヒロと同じように付き合うなら、誰でもいい感じになっていた。振られて、冷静になれたのは俺の方だしな。
「……ありがとう、優君」
……だけど、そうやって冷静になると、怒りよりもやっぱり俺は春さんと付き合いたいと思った。
おそらくまだこの気持ちは、5割同情で、5割「誰でもいい」という気持ちだろう。
だけど、
「春さん」
俺は苦しそうな春さんの手を繋ぐ。
「春さん、俺は浮気なんてしない」
「……っ」
「俺は春さんのこと――」
今、道具になんて思わないって言おうとしたけど、
「道具なんて思わない!!」
……罪悪感(誰でもいいとか、ほぼ道具として見てるのと同じだろう)が消える。
「……っ」
「俺は春さんの、しっかりしてて、ずっと思いやれるところが好きだった」
ガチ。
「だから、春さん!!もう一度、俺と付き合ってください」
「……っ」
俺はまた言えた。クリスマス効果はまだ続いているようだ。
そして、今更、春さんの顔にさっき出した涙の跡が少しついていることに気づき、俺はそれを手で拭く。
「……っ」
汚いなんて、思ってない。こんな可愛い子の……
「いいの。こんな私で」
「いいよ」
「でも、私は平気で裏切ったんだよ。さっきあんなふうに別れたら、私だって浮気したようなものだし」
それは確かに。
「それは違うよ。さっきも言ったけど、あれは俺が悪かったから」
「でも……」
「なら、もうしないで。それで許すから」
「分かった」
「じゃあ、もう一度言うね。俺と付き合ってください」
「はい」
こうして、俺は晴れてリア充に慣れたのだった。
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