食料庫にて
一行はモンプチを出港し、船は最終目的地であるゲッシーのヒマワリタネ目指して進んでいた。
あれ以来、リサはマンチカンのことを注視しているが、向こうはこちらのことなど全く気にする様子はないようだ。
日中、彼は忙しそうにしているので、話をできる機会はなかなか巡ってこない。
事情がよくわからないので、コーテッドとラブラにも相談できずにいた。
あの部屋でのことを話して、ワンダとニャータの連帯が崩れることを心配しているのだ。
マンチカンは時々、夜中に起きてどこかに行くことがあった。
リサはその時を待っていて、話をしようと彼の後をつけた。
彼はなんと、食料を管理してある部屋に入って行くではないか。
『さてはあやつ、盗み食いしてんの?!ちょっとズルくない?!』
リサは扉を叩いた。
中から返事がないので、勝手に中に入ってやった。
マンチカンは盗み食いではなく、お酒を飲んでいた。
なぜお酒だとわかったかと言うと、リサにも同じ瓶を放って寄越したからだ。
「何か用? 最近やたらこっち見てたよね? 王子様からもう鞍替え?」
矢継ぎ早に質問してくる。
あちらのペースに飲み込まれないように、リサは貰ったお酒を一口飲んで気を落ち着かせる。
「この間のことなんですけど・・・」
「この間って? 君がピーピー泣いてたときのこと?」
なぜこうも人に突っかかってくるような話し方なんだろう・・
「どうしてあなたはいつもそんなに棘を撒き散らしてるわけ?
私は普通に話がしたいだけで、ケンカしにきたんじゃないのよ!」
リサの言葉にマンチカンは意外にも謝る。
「すまない、どうも僕は人を不愉快にしてしまうことが多いらしい・・・だが悪気はないんだよ。」
悪気がないなら何を言っても許されるわけじゃないんだぞ!!とは思うが素直に謝ったのでリサは話を戻した。
「私、あのときあなたと誰かが話しているのを聞いてしまったんです・・・」
マンチカンは目を見開いてリサを見ていた。
「ああ、だから・・・あんなに泣いていたのか・・・」
あの時、おじいさまの手下としていた会話を思い出した。
使者は連れ去られたことにではなく、自分に乱暴されるかもと泣いていたんだと理解する。
だから助けに行ったときもあんなにも怯えていたのか。
「それはごめん。怖かったでしょう・・・」
「実際、あなたは何もしてこなかったから別にそれはいいんです。それより『あの方』って誰ですか?」
マンチカンはさっきよりもっと驚いていた。
まさかそこから話を聞かれていたとは思いもよらなかったし、こんなに直球に訊かれるとも考えていなかった。
「もしかして誰かに脅されているの? 私が行くことで解決するって言ってたから、この一件が済んだらそこに行こうか?」
「・・・・・・キミは・・・底抜けにバカだな・・」
「な!!!」
バカとは何だと文句を言ってやろうとしたら、なんとマンチカンは今にも泣きそうは顔をしているのだ。
「ど、どーしたのよ!さっきまでの人を小馬鹿にする態度はどこにいったのよ?」
リサもその表情に困惑していた。




