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モンプチ


ニャータの小さな港町モンプチに着いたのは、ほどなくしてからだった。

マンチカンは乗組員の皆と食料の確保に出ていた。


ラブラとコーテッドは肉体派の人たちが食料を運び込むのに駆り出されているので、ゲッシーの二人の見張りをしている。

リサも必ず一緒にいるように言われていた。


デグー少年は重い物を運ぶことを免除されたようで、急に休みができて、それは嬉しそうだ。

「リサさまー、一緒に町の散策に行こー!」

「ごめんね・・・私はみんなと、ここにいなくちゃいけないのよ。」

「えー、せっかく休みもらえたのにな〜」


「俺が残っててやるから、コーテッド行って来い!」

ラブラは弟の背中をリサのほうにグイッと押し出した。

みんな先日のデグー少年の話を聞いて思うところが多々あったのだろう。

コーテッドも抵抗することなく、兄にお礼を言っている。


「行っていいみたいよ!」

「やったー!!」

屈託無く笑うその顔に、みんなも自然と笑顔になるのだった。


「オレ、この町に来るの初めてなんだ〜」

少年は落ち着きなく、あっちこっちへウロウロしている。

リサは彼が迷子にならないかと心配で手を繋いだ。

「や、やめろよー、子供じゃないんだから!」

船内では嬉しそうに手を繋いでいたのだが(サボれるから喜んでただけなのかもしれない)外に出たら、人の目もあって恥ずかしかったのだろう。

「いや、違うの・・・私が迷子になりそうだったから」

「なーんだ、そっか! だったら兄ちゃんとも手を繋いどいたほうがいいんじゃないのか?」

リサがどうしようと悩んでいる間に、もうコーテッドはリサの手をサッと握ってくる。

「これで大丈夫だろ?」

コーテッドは少年に向かって言う。

「ほんと、リサ様は世話がやけるな〜」

なーんて生意気なことを言っている。


『嫌だったら、放してくれていいですよ!』

リサは結びで、ついそんな可愛くないことを言ってしまった。

『いや、このほうがリサが安全なのは確かだ。』

コーテッドは繋ぎたいからではなく、安全面からそうしただけだったようで、リサは自分が恥ずかしくなった。


「『怪力男の背中カイカイショー』だって!観に行ってみよう!!」

デグーは繋いでいる手をグイグイと引っ張った。


タイトルでほぼネタバレしているその出し物は、町の大きな広場で行われていた。

なかなか盛況でたくさんの人が集まっている。

背の小さい少年は「オレ、前に行ってくる〜」と、上手に人をかき分け消えていった。

「あの子、楽しそうで良かったな・・」

「うん」

デグーのどこに『邪念』などあるのだろう・・・この間の話を思い出し、リサはまたモヤモヤするのだった。


『カイカイショー』は予想通りだった。

大男が大きな重い樽を持ち上げているところを、助手が背中の辺りをあの手この手で刺激を与えたりくすぐったりする。

大男は樽を持ったまま奇声をあげて悶えたり、思わず樽を落としそうになったりしている。

その度にみんな笑ったり、ハラハラ見守ったりするのだ。

わかっていても面白いもので(大男のリアクションが良いのだ)リサも嫌なことを忘れて大口を開けて笑っていた。


そうしていると後ろからまた口を押さえられ、顎のあたりを締め上げられていく。

コーテッドに助けを求めるが、皆の歓声でその声は届かない・・・

見世物に夢中で、いつの間にか繋いでいた手を放してしまったのが良くなかったのだ。

こうしてまたもリサは連れ去られてしまったのだった。


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