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チュール


リサとコーテッド、コーテッドとラブラ、ワンダ全員とマンチカンは気まずい感じになっていた。

馬車の中は重苦しい雰囲気が漂い、誰もが口を開かなくなっていた。


そんなある日

休憩をとっていると、御者が報告をしてきた。

「気のせいだと良いのですが、後をつけてきている馬車があると思われます。」

「あー、そうなの・・・どうしよっかな〜・・」

ニャータの御者はもちろん自国のマンチカンに話しかけたのだが、曖昧で頼りない返事に『どうしましょうか?』という感じでラブラに視線を送ってきた。


「いつぐらいからついて来てるかわかる?」

「少なくとも昨日からだと思います。見晴らしの良いところで何度か確認をしました。」

「じゃあ間違いなさそうだな。」

ヌートリアを追いかけてきた、ゲッシー国か亜目教の者だろう。

一定の距離を保ったまま付いてきているようなので、このままでは手の施しようがない。


「どう思う?狙いはヌートリアなのだろうか?」

「そうでしょうね。奪回するつもりなのでしょうか・・」


「こちらと行動を共にしているのがわかったら、あの人殺害されんじゃないの」

マンチカンが意外とまともな意見を言ったことにラブラは驚いていた。

「俺もそう思うな。次の町でむこうがどうでるか様子を見るとするか・・」

「じゃあ、少し遠回りになるけどチュールという町がある。そこなら定宿があるので融通もきいてくれる。」

マンチカンの提案で、一行はニャータの港町チュールというところに行くことになった。


チュールはニャータでも指折りの大きい町だ。

港町らしく、たくさんの人がいて活気もある。


マンチカンの案内してくれた宿は町でも一番大きなところだった。

顔見知りらしい宿の主人と親しく話し込んでいる。

さすが、ニャータのトップ貴族だけあって、ここは貸切になるらしい。

みんなは最上階に泊まることになり、下のフロアーは全部クローズさせるらしい。

というのは表向きで、下のフロアーにも警護の人たちを配置させるそうだ。


こんなことになってリサは羽が伸ばせると喜んでいたが、危ないので常に誰かと居ないといけないらしい。

しかも外出も禁止だそうだ。

自然とワンダの3人で一部屋に収まることになった。

一部屋が大きいので手狭ではないのだが、護衛してくれる人も部屋の中にいるので何だか落ち着かない。


『狙われているのはゲッシーの人たちなのに、私たちまでこんな風に護衛されるんですねー』

会話を聞かれるのが何だか恥ずかしいので、リサは結びで話しかける。

『相手がどんなだかわからないから、しょうがないんじゃない。』

ラブラが答え、コーテッドが頷いた。

『そうなんですね・・・それより結びを使ったら3人で会話できるんですねー。』

『みたいだな』

コーテッドが相槌をうった。

グループトークみたいでめちゃ便利だな。


『じゃあ、そのつけてきてる人たちの正体がわかるまでこのままってこと?』

リサの質問に二人は首を縦にした。

『夜もみんなで寝るの?あの人たちに見守られて?!』

『見られながら寝るなんて・・・興奮するね!』

『兄上!何を馬鹿なこと言ってるんですか!!』

二人の会話にリサは笑いだした。


コーテッドはリサの笑顔を久しぶりに見たなと思うのだった。

それを見ると自然と自分も笑顔になってしまうのだった。


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