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門番


城に戻った4人は、あらかじめシャムに貰っていた通行証を門番に見せる。

その時ラブラはひとりの門番に話しかけた。


「僕たちはワンダから来たので、城内のことがあまりよくわかってなくてね。捕らえられているサモエド王子のところへはどうやって行けばいいのかな?」

「えっ?」

男は返答に困っている。

「兄上、私が行き方を覚えていますよ。」とコーテッドが言った。


「おっと、弟が覚えていたようです。僕が訊きたかったのはワンダから捕まえてきた男の居場所だった。牢屋はどこかな?」

男はご案内しましょうと、道案内を申し出てくれた。


チャウもどきは、あのとき国王の取り巻きが連れて行ったので、どこに捕らえられているのか誰も知らなかった。


案内した男もそのことを知らなかったようで、以前の牢屋近くまでくるとラブラは声をかけた。

「そうそう、あの角を曲がって地下に降りるんだったね。

僕たちは余所者なのに親切に道案内までしてくれたのは、君が初めてだ、ありがとう。ところで名前はなんて言うんだい?」

「メインクーンと申します。」

「ここに滞在している間にお礼をしにいくよ。君はいつもあの門のところにいるのかな?」

男は、はいと答え、ラブラはにこやかに笑って別れたのだった。


「あれ?兄上、牢屋に行くのではないのですか?」

教えてもらった道と逆方向に進みだしたラブラにコーテッドは声をかけた。

「大事な話がある。コーテッドとリサは俺の部屋に来い。」

「じゃあ、私も!」

「チワワ様はいいです!それよりもあなたにしか頼めないことがあるのです。」

そうラブラが言うと、しゅんとしかけていたチワワは急に活気付く。


「そこまで言われたらしょうがないですわね! で、私にしか出来ないこととは何ですか?」

「サモエド王子のところに行って、残念ながら今日は犯人を見つけられなかったことを報告してきてください。」

「そ、そんなこと・・・そこの『使者』に頼めばいいではないですか!なぜ私なんですの?」

誰にでもできそうな頼みごとに、チワワは不満の声をあげた。

ラブラは肘でコーテッドをつつく。


コーテッドは兄の言わんとしていることに気がつき、大きくため息をついた。

「チワワ様、あなたにしか頼めないのです。よろしくお願いします。」

コーテッドの一声で、チワワは機嫌よくサモエド王子のところへ向かった。


ラブラとリサはその姿に拍手をおくる。

「よっ、猛獣使い!」「よっ、天然タラシ!」

2人が楽しそうにからかうので「いい加減にしてください!」とコーテッドは怒ったのだった。


部屋に入るとラブラは口を開いた。

「さっきの門番、あいつが犯人だ!!」

リサとコーテッドは目を見開いてラブラを見る。

「だからラブラ様はやたら絡んでたのね。」

「どうしてさっき捕まえなかったのですか?」

「残念ながら証拠がない・・だから様子を伺ってたんだ。」


サモエド王子の名前を出したら『動揺』が浮かんだ。

だがチャウもどきのことを口にしたら『動揺』はさらに濃くなり『不安』まで見えた。

間違いなくあのチャウもどきと、先ほどのメインクーンは顔見知りなのだろう・・・。


「では、2人は同じ組織に属しているということですか?」

ラブラも多分そうなのではないかと思う。

「じゃあさっきの顔が地顔ってことなのかな?」

リサは自分が触れて顔が変わらなければ『化身』が証明されないのでは?と考えていた。

『それはわからないな・・だけど名前はわかったからこれで国王には報告できるな。」

それと・・とまた3人は頭を寄せ合って小声でヒソヒソ話し出したのだった。



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