恋心
サモエド王子が軟禁されることになった部屋に移動して、みんなで喜び合う。
まずは命の心配は、なくなったわけだ。
サモエド王子は大きく深呼吸をすると話し出した。
「みなさん、本当にありがとうございました!」
王配は嬉しそうにサモエド王子の肩を叩いた。
「疑惑が晴れて本当に良かったわ!」
プードルも安心して涙を浮かべていた。
シャムも親であるので、子供のことを想う気持ちは痛いほどわかる。
ほどなくして王配は、女王に書簡を送るために退出し、シャム様とプードル様も気を利かせて出て行ってくれた。
コーテッドはようやく膝の震えが止まってきたのだった。
「兄上、ご助力ありがとうございました。」
ラブラのお陰で国王からの信頼を得られたのだと思う。
「スピッツ様に、必ずサモエド王子を助けるようにと、きつく言われた。
『お前の命を懸けてでも必ず助け出せ』とそう仰っていた。」
前回の事件で、マルチーズ王子が皇太子を辞めると言った時に、サモエド王子に救われたことを高く評価していたのだ。
3人兄弟のつなぎ役は、サモエド王子なのだということがわかったので、スピッツ王子はラブラにそこまで頼み込んだのだった。
「でもまだ、真犯人は見つかっていないわけですから、明日から早急に取り掛かります。」
ラブラは気を引き締めた。
「リサもコーテッドも、それに・・・あの・・チワワ殿もありがとう」
サモエド王子はチワワの名前を恥ずかしそうに呼んだ。
その感じにチワワ以外のみんなはピーンときた!
自分のことを思って、あんなに必死に見張り達に要求をしてくれたチワワに、サモエド王子は心を動かされたのだった。
ラブラ、コーテッド、リサは『あれ?これ?好きになっちゃったんじゃないの??』と目線を行き交わせる。
コーテッドは結びでリサに話しかけてきた。
『チワワ様は絶対にダメだ!!』
『そう?美男美女でお似合いじゃない。』
『そりゃ家柄や容姿は申し分ないが・・・少々、いやすごーく、そそっかしい。
周りの状況も見えていないし、思い込んだら一直線なところが王子の妻として相応しくない!』
まぁ、確かにそんな感じもする。
だけど、コーテッドはおかん根性丸出しで、結局のところ、誰が相手でも文句を言うんだろうなと、リサは思った。
『じゃあ、私だったらどう?』
『え?あ? お、お、お前、サ、サモエド様のこと・・』
コーテッドの動揺は凄まじかった。
『もしもの話だよ!もし私が相手でも反対するでしょう?』
『当たり前だ!!!』
お前の相手は、この私に決まっているだろう!!とか言えたら格好いいのに・・・とコーテッドは顔を赤らめる。
『どうせ特性が消えるとか、立ち居振る舞いが相応しくないとか言うんでしょ。
要は、コーテッド様はサモエド王子を、誰にも取られたくないだけでしょ?違う?』
『そ、そんなことはない!私は従者としてサモエド様にとって相応しい相手をだなー』
『じゃあ相応しい相手ってどんな人?』
『そりゃー、特性、頭、家柄、顔が良くて、性格は温厚で慈愛もあって、品性も必要だな。』
『そんな人が見つかったら、サモエド王子と結婚させるの?』
リサに結びで畳み込まれて、コーテッドは返答に困る。
『一番大事なことは王子の気持ちなんじゃないの?』
『そ、そんなことお前に言われなくったってわかっている!!』
だけど・・・やっぱりチワワ様はダメだ!とコーテッドは難しい顔をするのだった。




