表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/172

厄介者


リサがが落ちてきたのは、どうやらコーテッドの自室だったようだ。


コーテッドはいつになく笑顔だ。

ピンシャーも安心したようで、心なしか微笑んでいる。

デーンはもちろん満面の笑みを浮かべ、その横でブスッーと強気金髪のチワワがこちらを睨んでいる。


私ってここに来たら、やたら睨まれるな〜。

綺麗な顔の人を不愉快にする何かが出てんのかな〜。

で、今から話をしようってときにどうして彼女まで同席してるんだろう・・・


「まずは、よくぞ帰って・・「リサー、心配したんだよ、今までどこに行ってたんだい?」」


コーテッドが話しているのに、デーンが割り込んできた。

異世界人だということはコーテッド以外は知らないので「ちょっと実家に帰ってたんです」と言っておく。


「だったら、どうして坊ちゃんに何も言わずに帰ったんだい。

毎日毎日、亡霊みたいに『リサ、リサ〜』って、そりゃー大変だったんだから!」

秘密をバラされてコーテッドはデーンのおしゃべりな口を手で押さえた。


リサはそんなにコーテッドが寂しかったのかと、もっと話をききたがる。

「そんなに心配してくれていたんですか?」

デーンはコーテッドの手を悠々と払いのけた。

「そうなのよ!ごはんも食べないし、仕事も放ったらかしだし、身なりも整えないし、ありゃー私がいなかったら間違いなく死んでたね!」

リサは嬉しそうにうんうんと頷く。


「そんなときに、このチワワ様が来てくださったんだよ!

彼女がいなかったら、坊ちゃんは立ち直れてなかっただろうね!」


気持ち良く『リサロス』の話を聞いていたのに、急にチワワの話がでてきたのでリサは気分を害する。

そのとき彼女が『ふーん、どうだ!』と見下したような視線を、送ってきていることに気がついた。


リサはイラっとするが大人な対応をした。

「そうだったんですね、それはお疲れさまでした。」

もう私が来たんだからあなたは用済みなんですよと、言わんばかりに労いの言葉を選んだ。


「チワワ様、こちらは『空からの使者』のリ、いやアリサ様だ。」

コーテッドは何だか他人行儀にリサにまで()をつけて紹介をした。


「まあ、そうだったのですね、コーテッド様!

とても変な格好をされていたので、私は不審者と間違えてしまいました。

きっと『空からの使者』はこんな私に天罰を与えられるに違いないわ!」

そう言って俯き、とても落ち込んでいる。


「リ・・アリサ様はそんなことをするような方ではないよ。」

コーテッドは安心させようとするが、チワワの目からは涙が出てきた。


「大丈夫、大丈夫ですから。心配するようなことは何もないよな?な?」

コーテッド様は助けてくれと、言わんばかりにリサを見た。


「大丈夫です、私はそんなにヒマではありません。」

こりゃ、なかなか厄介なのがいるぞーと、リサは警戒を強めた。

彼女は泣きながらも決して『使者』であるリサに謝ることもなく、コーテッドに向かってひたすら、ひどい目にあわされそうなんですアピールをしているだけなのだ。


困ったコーテッドは次はデーンに向かって、何とかしてくれとサインを送った。

「チワワ様、みんなは大事な話をされるようですから別のところへ行きましょう。」


デーンはチワワを部屋から出そうと誘導するが、彼女はその場でグッと踏ん張る。

「『使者』は私のことが気に入らないんだわ〜」と更にわんわん泣き出した。


なんかもうここまできたら面白くなってきた!

リサは大っぴらに笑ってはいけないと我慢するが肩が震えてくる。

ピンシャーもその姿を見て同じように肩を震わせていた。


デーンは「よいしょっ」と力を入れ、彼女をぐいぐいと扉の方へ押し出していく。

「痛い!」

「何すんのよ!」

チワワは泣くの(演技)を忘れて文句を言っている。


「ごゆっくりどーぞ!」

デーンはにっこり笑って出て行ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ